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本と音楽とねこと

【旧作】帰っていいのよ、今夜も【斜め読み】

山下勝利,1989,帰っていいのよ、今夜も,朝日新聞社.(2.10.24)

(いつもより、ぐだぐだの内容になりそうですので、ヒマな人以外は、読まない方が良いです。どれくらいぐだぐだかというと、借金返済のためとはいえ、だりいーなーと、鼻くそほじりながら週刊誌連載の記事を書く橋本治なみに、ぐだぐだです。笑)

 1989年刊行というと、バブルの狂騒たけなわの時期だな。

 当時、「愛人バンク」なるものが話題になっていた。

 愛人って、奴隷っしょ?

きんもー☆


 本書のストーリーなり事例にあるとおり、そういう愛人契約は、お水の女性と中小企業の社長とかとのあいだで取り結ばれることが多いらしいけど、それを「水揚げ」というらしいじゃん。

 「水揚げ」とか「揚げてもらう」というのは、もともと、江戸時代、親の借金のかたに遊郭や花街に売られてきた遊女を、太客が「囲う」ことを言うらしいけど、現代でもこういうことが行われているとすれば、まじ気色悪い、きっしょ。

無理



 愛人契約は、明らかな、人身売買取り引きであり、奴隷契約だ。

 わたしは、酒が飲めないので、飲み屋とは無縁だ。

 30代のころだっけ、一回だけ、民間のクラブのテニス仲間に誘われて、バーだか、スナックだかに、行ったことはある。

 つまんねーの。
 ウーロン茶飲んで、おいしくもないおつまみ食って、ホステスだかなんだか知らねーけど、大したことないねーちゃんと、クソくっだらない、おもしろくもなんともない話して、お代が、1万数千円?舐めとんかてめえは。

 クラブだか、ラウンジだか、知らねーけど、そいうとこで散財しているクソどもは、まちがいなく、性根が腐りきっている。

 接待であれ、会社の経費で落とすんであれ、自腹で行くんであれ、たかが、酒飲むくらいで、ねーちゃん侍らせて、大枚はたくんだったらなあ、、、

ちゃんと自分とこの社員、職員にまともな賃金を支払うなり、消費者に利益を還元するなり、有益な社会福祉事業に寄付するなり、しろよ。

 そう考えると、なんか腹立つなー。

 しかし、しかし、だ。

 いまだに、正規、非正規含めて、時給(換算)1,000円にも満たない賃金水準でしか就労できない女性が多くいることや、シンママさんで別れた夫から子どもの養育費を貰えていない女性も多くいることから、パパ活したり、愛人になったりする女を一概に卑下できない気もする。要するに、いちばんクソなのは政治ってこと。

 また、『実存的貧困とはなにか』という書物を友人から教えて貰って、読んだんだけど、これが衝撃でさ。これまで、もっぱら、経済資本や文化資本の貧困の問題しか考えていなかったんだけど、たしかに、(友人曰く)「愛着弱者」であったり、深刻な「こころのキズ」を抱えて自尊感情が欠如している人が、労働条件の良い昼職になかなか就けない現実もあるわけだから、そこいらへんを手当てしていくことも、必要であるわな。

 「愛着弱者」で自分の居場所がない女の子たちが、都心の公園や、盛り場にたむろしていたりする。そういう子たちは、格好の「性搾取」のターゲットになっているわけだが、職場の同僚に、「夜回り」をして、そういう子となんとか繋がっていく活動を、学生と一緒に行っている人がいる。わたしなんか、しょせん、「口だけ」で、そういう子たちのためになーんもしてないわけだけど、そういう活動はとても意義のあるものだと思うよ。「子ども食堂」が、「無料学習塾」としても機能して、不登校の子の居場所になるといいなあと思うし、そこが、孤立したお年寄りや障がい当事者も一緒に過ごせる場となれば、とても素敵なことだとも思う。

 それから、愛人契約が、現行の婚姻制度の欺瞞をあぶり出していることにも、注意しないといけない。

 どゆうことかというと、これは統計データでも確証されることなんだけど、現代の婚姻は、むかしと変わらぬ、(女性にとっての)ハイパーガミー、上昇婚であることと関連しているんだ。

 つまりね。いまでも、女性は、自らの属性的地位、達成的地位両面で、「自分より上」の男性と結婚する傾向が強くみられるということ。とくに、男性の稼得能力が結婚の重要条件となっていることは、むかしと変わんない。

 みんな、惚れた腫れたで結婚したように言うけどさ、けっこう、損得勘定で相手を選んでるんだよ。「イケメン」とか「性格優しい」とか言うけどさ、それも、結局、「自分より階層が上」で経済力ある男から選んで、そう言ってるわけじゃん?ってこと。

 そいでさ、結婚生活が長くなって、愛も恋もクソもなくなってさ、「うわこの人無理」ってなっても、カネ目当てに婚姻生活続けたり、相手が好きでもないのにセックスしてあんあんよがるフリする女も多いわけやん?

 そしたら、そういう、いわば、「長期専属奴隷契約」状態にある既婚女は、お水から「水揚げ」されておやじの愛人となった女と、たいして変わらないじゃん、ということ。

 まあ、性根卑しいおやじと配偶者とはちがう、けどくさ。

 宮台さんのかつての援交論じゃないけど、性搾取、性差別の構造を逆手にとって、うまいこと楽ちんに生きていくことも、それもまたあり、ということかな。

 でも、でも、しかーし!
 そういうしたたかにライフハックしているつもりの女の子に、結局、自殺してしまった子が多いのも、これまた事実なんだ。

 撤回。

 やはり、自分の尊厳を貶めるようなことは、すべきじゃないと思うよ。

 自らの尊厳を失った人生なんて、「生き地獄」でしょ?

 愛人稼業というのは、一種の、自傷的逃避、なのかな。

 ひえ~、これはブックレビューだった!

 本書に登場する愛人女性は、共通して、既婚男性と性愛関係にあり、それは、「不倫」、「浮気」というコンセプトで括られているんだけど、わたしに言わせれば、「不倫」も「浮気」も、そんなもん、存在しねーよ、バーカ、という話に続いていくと思うんだけどね、それは、明日か、明後日にポストする予定のレビューでやりまーす、ということで今日はこれまで。

 しかし、俺は、なんで、こう、なにかに取り憑かれたようにブログ書いてんだろ?

 バカじゃないのか?笑

 たぶん、大学の授業がなくて、そうとうエネルギーが溜まっているのも、あると思う。

浮気とも不倫ともいわれる、不確かな愛のかたちのなかに、現代の男と女の、熱い息づかいが聞こえる。ノンフィクション・ラブ・ストーリー20話。

目次
女が終わる前になにかしておきたい
白馬の騎士が現れると信じていたが
ひとりは寂しいしいつでも別れられるから
愛人から妻になりまた新しい愛人に追われ
半端な結婚よりも燃えるものが欲しい
男は好きだけど縛られるのはいや ほか


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