古谷経衡,2020,毒親と絶縁する,集英社.(3.9.2021)
古谷さんが両親から受けてきたのは、〇〇高校、○○大学に行けと命令され、それがかなわぬと、「バカ、クズ」と罵られ、「これまで育てるのにかかった金を全部返せ」などど理不尽なことを言われるといったことである。これらは、教育虐待であり、心理的虐待である。そのほか、明らかな、身体的虐待、性的虐待もあった。
これらは、虐待であると同時に、「親権の濫用」でもある。いまだに、「親権」なるものを民法で親に保障し、国家レベルで子ども虐待に加担している最低の国、それが日本である。
親権制度の廃止、未成年後見人制度の拡充等、民法を改正したうえで、「子どもを社会全体で育てる」ようにしていかなければならないが、運悪く、毒親と対峙せざるをえなくなった子どもは、本書などを参考にして、カネだけふんだくったうえで絶縁する方途を探るべきだろう。
こころある図書館職員が、子どもの目につきやすい場所に本書を展示してくれることを願う。
気鋭の若手評論家として活躍する著者が、なぜ両親との「絶縁」を宣言せざるを得なかったのか?高校一年の冬に発症以来、現在まで続いている「パニック障害」の恐怖。それを引き起こした原因ともいえる、「教育」の美名のもとでの両親による「教育虐待」。そして結婚を機に両親との過去に正面から向き合おうとした結果、「絶縁」という選択に至った結末…。自らの半生をつまびらかにする衝撃の告白は、著者と同様の体験を持つ読者に向けて、逃げ方と戦い方の範を示す。
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