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本書は、若きグレーバーの「アナーキスト人類学」の覚え書きであるが、人類学の知見を、たんなる文化相対主義言説の手段に終わらせるのではなく、現実社会の批判と変革につなげていこうという意思が明瞭に読み取れる。
安易に権力を召喚するのではなく、いっけん無秩序なつながりあいのなかで意思決定と問題解決を履行していくしくみが、じゅうぶん実現可能であることを教えてくれる。
アナーキズム&人類学、この魅惑的な結合から編み出される、よりよき世界を創るためのさまざまな術。真に変化しているものとは一体なにか?大いなる思考実験。
目次
まだ見ぬ日本の読者へ―自伝風序文
どうして学問世界には、アナーキストがかくも少ないのか?
グレーヴズ、ブラウン、モース、ソレル
すでにほとんど存在しているアナーキスト人類学について
壁を爆破すること
存在していない科学の諸教義
いくつかのまとまった考え方
人類学―ここで作者は自らを養う手に躊躇いがちに噛みつく
グレーバー現象について―訳者あとがきにかえて(高祖岩三郎)
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