見出し画像

本と音楽とねこと

本当の貧困の話をしよう

石井光太,2019,本当の貧困の話をしよう──未来を変える方程式,文藝春秋.(6.11.2020)

 17歳の青年に向けて書かれた本だが、何歳であろうが、いろいろと学べるところが多い良い本だ。さすがは、世界の貧困の現場を、危険をかえりみず、フィールドワークしてきただけのことはある。
 なかでも感心したのが、貧困ゆえの「売春」を安易に肯定せず、それを、「トラウマの再現」を繰り返すことをとおして結局は自己を否定するにいたるリスキーな問題としてとらえている点だ。これも、石井さんのフィールドワークから得られた重要な知見だ。
 日本だろうが、ウガンダだろうが、貧困の果てに子育てにいきづまったときに、子どもを短期間託せるしくみと、地域社会でのボランタリーな物心両面にわたる支援があれば、虐待やネグレクトは防げるという指摘も重要だ。
 なにより読みやすい。ぜひおすすめしたい一冊だ。

目次
第1講 すぐそこにある貧困
第2講 途上国のスラムで生きる
第3講 底辺に落ちた子供たち
第4講 学校じゃ教えないセックスの話
第5講 貧困と少年犯罪
第6講 格差を越えて、未来をつくる

日本は国民の7人に1人が貧困層。君たちが幸せをつかむために今知るべきこと。最底辺のリアルから始まる「新しい世界」のかたち。人生への向き合い方が「180度変わる」感動の講座。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事