17歳の青年に向けて書かれた本だが、何歳であろうが、いろいろと学べるところが多い良い本だ。さすがは、世界の貧困の現場を、危険をかえりみず、フィールドワークしてきただけのことはある。
なかでも感心したのが、貧困ゆえの「売春」を安易に肯定せず、それを、「トラウマの再現」を繰り返すことをとおして結局は自己を否定するにいたるリスキーな問題としてとらえている点だ。これも、石井さんのフィールドワークから得られた重要な知見だ。
日本だろうが、ウガンダだろうが、貧困の果てに子育てにいきづまったときに、子どもを短期間託せるしくみと、地域社会でのボランタリーな物心両面にわたる支援があれば、虐待やネグレクトは防げるという指摘も重要だ。
なにより読みやすい。ぜひおすすめしたい一冊だ。
目次
第1講 すぐそこにある貧困
第2講 途上国のスラムで生きる
第3講 底辺に落ちた子供たち
第4講 学校じゃ教えないセックスの話
第5講 貧困と少年犯罪
第6講 格差を越えて、未来をつくる
日本は国民の7人に1人が貧困層。君たちが幸せをつかむために今知るべきこと。最底辺のリアルから始まる「新しい世界」のかたち。人生への向き合い方が「180度変わる」感動の講座。
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