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いいね。
病みながらも、なにより自分と仲間が生き延びることを優先しながら、クソみたいな現実に唾を吐き、蜂起を呼びかける。
機関銃の銃弾のように吐き出される、スピード感あふれる言葉の数々がすばらしい。お行儀のよい学術書にはみられない言葉の連続弾には、往年のパンクロックを想起させる痛快さがある。
ふつふつと湧き出る殺意を抑圧するな。すべてを否定し破壊せよ。
今、この人の話していること、聞かないとだめじゃないかな。
耳を傾けるだけじゃなくて。体ごと傾けて。
――斎藤真理子(翻訳者)推薦
あなたに死なないでほしい。
家父長制、資本主義、天皇制に抗して、あらゆる生存のためになにができるのか、なにが言えるのか。金子文子やデヴィッド・グレーバーを参照軸に、アナーカ・フェミニストの立場からこのくにの歪みを抉り出す、ライター高島鈴の初エッセイ集。脈打つ言葉は、きっと誰かの心臓と共鳴する。
「どうせ生まれてしまったんだから、他人のために、少しでもこの世をマシな方向に動かそう。自分のために殺意を使うな。首にかかった手を外して、ゆっくりと社会に向かって拳を握り直そうではないか。いろいろなものに追い詰められて、布団の上に横たわったまま動けずにいる身体は、あなたの意志ひとつで蜂起に参画できる。私はあなたと、そういう戦いをしたいのである」(本文より)
目次
序章
第1章 アナーカ・フェミニズムの革命
第2章 蜂起せよ、“姉妹”たち
第3章 ルッキズムを否定する
第4章 布団の中から蜂起せよ―新自由主義と通俗道徳
第5章 動けない夜のために―メンタルヘルスと優生学
第6章 秩序を穿つ―ナショナリズム/天皇制に抗する
第7章 儀礼から遠く離れて
第8章 死者たちについて
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