入門書を謳った新書といえども、侮るなかれ、ざっくり深層レベルにまで考え抜かれた論考が、調査データを織り交ぜながら展開されている。類書のなかでは群を抜く出来だ。
目次
はじめに―なぜ社会関係資本なのか
第1章 社会関係資本とは何か
第2章 信頼・規範・ネットワーク―三つの要素
第3章 社会関係資本は何の役に立つのか
第4章 何がかたちづくるのか、どう測るのか
第5章 健康と福祉の向上
第6章 社会関係資本の男女差
第7章 社会関係資本を壊す―経済格差をめぐる議論とその現状
第8章 社会関係資本のダークサイド
第9章 豊かな社会関係資本を育むために
結語
東日本大震災のさい、人々は互いに譲り合い、整然と行動した。自分を犠牲にしてでも弱い者を救った。これは、決して見返りを期待しての行動ではなく、絆や他者への信頼、思いやりの表れであった。このような絆や互酬性の規範をソーシャル・キャピタル(社会関係資本)という。ふだんは目に見えない、しかし、教育や健康等に大切な役割を果たしている社会関係資本をどう育み、活かすのか。第一人者が理論と実践を紹介する。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事