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取り返しのつかない、壊滅的打撃を受けての全面的敗北。そこに至るまでに、いくつもの「やめどき」があった。
本書は、そのやめどきにやめられなかった経緯を、サイパン陥落、日米開戦、日中戦争、満州事変と、時系列をさかのぼるかたちで検証する。
平易に書かれた戦史であるが、さすが、重要なポイントをしっかりとらえた冷静な筆致がひかる作品だ。
なぜ戦争の拡大をとめることができなかったのか、なぜ敗戦の一年前に戦争をやめることができなかったのか。歴史の流れを決定づけた満州事変、日中戦争、日米開戦、サイパン陥落。この4つのターニングポイントから、歴史をさかのぼり、戦争へと突き進んだ激動の昭和を、人々の思いが今なお染みついた土地と史料から考えていく。
目次
第1章 敗戦への道―1944年(昭和19年)
西太平洋の小さな島々
緒戦の大勝、そして暗転 ほか
第2章 日米開戦決断と記憶―1941年(昭和16年)
国力と精神力
「泥沼」からの脱出めざして南進へ ほか
第3章 日中戦争長期化の誤算―1937年
昭和12年)
長江をさかのぼって
自衛と膺懲 ほか
第4章 満州事変暴走の原点―1933年(昭和8年)
「起こった」と「起こされた」
「満蒙」の誕生 ほか
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