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本と音楽とねこと

非婚ですが、それが何か!?

上野千鶴子・水無田気流,2015,非婚ですが、それが何か!?―─結婚リスク時代を生きる,ビジネス社.(4.2.24)

 いやあ、この丁々発止の対談集、おもしろかったね。

 さすがに、上野さんの方が一枚上。
 水無田さんの曖昧な物言いに突っ込む上野さんの言辞の鋭く、厳しいこと。

水無田 突き抜けた水準の女子学生なら、つまり、すごいエリートになるような女性はそれほど問題ない。また逆に、いわゆる女子力が高くて、自然に女性役割を演じられるような子も葛藤はありません。彼女たちにその状況を問いかけても、リアクションペーパーなどで返ってくるのは、「わたしもがんばって子どもをたくさん産もうと思います」という感じです。
 問題なのは、中堅クラスの大学等で、キャリアと女子力のどちらかに振り切ることができず、もやもや感を抱えている中間層の女の子たちのように見えます。
(pp.96-97.)

 あー、それそれ。
 中堅クラスだけでなく、ボーダーフリーの大学の女子学生も、多分にこのことで悩んでいるように思う。

 ただただ相手の幸せだけを願うことができて、尽くすことができる、嫉妬しない、束縛しない、他の男性との付き合いには口を出さない、家事を厭わずやる、こんな男が滅多にいるわけないだろうから、まずまともな男との恋愛や結婚はなきものと考えて、まずは、自らの知性と作業能力、表現力を向上させる努力をし、一人でも生きていけるようにすべきだろう。
 少なくとも、わが身を振り返らず、一方的に「女子力」を望む男なんざ、クズに決まってんだから、そんなものに固執するのは愚の骨頂だ。
 そのうえで、イイ男がついてくれば、それはそれでよし。
 子どもがどんなに欲しくても、クズの男がついてくれば、地獄だぜよ。

上野 人口現象というのは、個別のミクロな行動の集積がマクロ現象になったもの。一人一人は自発的な意思決定をやっている。これを無理やり結婚させたり、無理やり妊娠させたりはできません。結婚が面倒くさいと考える人々が出てきて非婚者が増えていくのもむりはない。そうさせないための努力をしなければ、結果はついてきません。
 コミュニケーションを面倒くさいと考える人たちが結婚しなくなるということは、コミュニケーション抜きで結婚し出産する人が減ること。それは最終的には次の世代に生まれる子どもたちにとってはいいこと。そんな人たちが親にならないほうがマシだと、わたしは思っています。
(p.136.)

 これも、ほんそれ。
 おカネや世間体ばかり優先して、好きでもない、リスペクトもできない男と、なんの会話もなく、ケアし合う関係性もないなかで育つ子どもの不幸を考えると、エンパシー感度が低く、他者と共生する努力さえしないクズな女と男には、子どもなんかつくってほしくない。

 ちな、配偶者を大事にしてて、他に彼氏、彼女いるのは全然オッケーなんだけど、大事にしてない者には自由に恋愛する資格なんかない。
 (配偶者を大事にしていない)既婚者がカネで愛人を囲う/(配偶者を大事にしていない)既婚者に泥棒女がカネで囲われるなど、もってのほかだ。
 とくに、子どもがいる場合、それは、虐待、あるいはそれに加担しているとさえ言えるだろう。
 相手を尊重しないのであれば、さっさと離婚しろよ。
 なにより、子どもがかわいそうだろ。

負け犬諸君、結婚、家族がリスクになる時代の君たちの老後は、どうなる?非婚、少子化ニッポンのおひとりさまの「いま」と「未来」。

目次
第1章 非婚時代
第2章 シングル社会と少子化を迎えて
第3章 非婚時代の家族の肖像・親子関係の真実
第4章 オス負け犬と女子文化の爛熟
第5章 非婚時代のセクシュアリティ
第6章 非婚時代をどう生きるか


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