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本と音楽とねこと

新自由主義の自滅

菊池英博,2015,『新自由主義の自滅──日本・アメリカ・韓国』文藝春秋.('17.12.17)

 ネオリベの帰結を的確に把握するにはとても良い書物だ。
 本書で教えられたこと、それは、教育、医療・福祉事業への積極的な財政支出はもちろん必要だが、老朽化した社会資本への公共事業にも経済への乗数効果が期待され、デフレ下での財政縮減は、(はこもの)公共事業削減も含めて愚策であるということである。「日本列島改造」にも「国土強靱化」にも経済効果はあったのだ。
 脱成長の経済思想をなで切りにしているのにも目を見開かせされた。理想は捨てず、しかしリアリズムに徹して有効な経済政策を提言する姿勢には、学者はかくあるべしと思わせるものがある。

目次
序章 なぜ日本の経済は成長しないのか
第1章 米国を対外債務国に転落させ、富を略奪する手口
第2章 新自由主義を拒絶するヨーロッパ
第3章 韓国はなぜ貧困化したのか
第4章 亡国の異次元緩和
第5章 基礎的財政収支均衡目標はデフレへの道
第6章 国を誤る五つの「破壊」
第7章 日本を安定成長に導いた成功モデル
第8章 米国はこうして危機を脱した
第9章 食料安保の確立を急げ
第10章 21世紀を生きぬく国家観
終章 内需拡大こそ最大の財政再建策だ

アベノミクスでは日本経済は復活できない!?グローバル化が進む現代資本主義社会において、最も恐るべき存在である「新自由主義」の正体を、米国・韓国での失敗を検証しつつ、徹底的に批判する。

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