淡々と美しい言葉で、傷つけられる自己と他者、そして沖縄の自然の痛みが綴られていく。
ひんやりとした筆致であるが、書かれている内容には人間と自然への濃密な思いがこめられている。上間さんの他者を思いやる繊細な感性には、ただただ圧倒された。
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。
目次
美味しいごはん
ふたりの花泥棒
きれいな水
ひとりで生きる
波の音やら海の音
優しいひと
三月の子ども
私の花
何も響かない
空を駆ける
アリエルの王国
海をあげる
調査記録
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