ファミリーホームで暮らす被虐待経験児の言動をつぶさに観察し、やわらかくしかし鋭い筆致で描き出したルポルタージュの快作。
筆者は、被虐待経験児に過剰に同情しないし、虐待の加害者の親にもどこか押し殺した怒りしか向けない。このバランスのとり方が絶妙だ。
目次
第1章 美由―壁になっていた女の子
第2章 雅人―カーテンのお部屋
第3章 拓海―「大人になるって、つらいことだろう」
第4章 明日香―「奴隷でもいいから、帰りたい」
第5章 沙織―「無条件に愛せますか」
ファミリーホーム―虐待を受け保護された子どもたちを、里子として家庭に引き取り、生活を生にする場所。子どもたちは、身体や心に残る虐待の後遺症に苦しみながらも、24時間寄り添ってくれる里親や同じ境遇の子どもと暮らし、笑顔を取り戻していく「育ち直し」の時を生きていた。文庫化に際し、三年後の子どもたちの「今」を追加取材し、大幅加筆。第11回開高健ノンフィクション賞受賞作。
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