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本と音楽とねこと

発達系女子とモラハラ男

鈴木大介,2021,発達系女子とモラハラ男──傷つけ合うふたりの処方箋,晶文社.(9.6.2021)

 発達障がいは、「可視化されにくい」障がいだ。
 発達障がい当事者は、しばしば、「片づけられない」、「会話が成立しない」、「時間を守れない」等々、「できない」のではなく、「怠けている」、「他者をバカにしている」と誤解され、二次障がいに陥り、社会的に葬り去られる。
 筆者の鈴木さんは、自らが脳梗塞による高次脳機能障がいに陥ったことで、はじめて発達障がいをもつパートナーの言動と苦悩が理解できるようになり、懸命にコミュニケーション不全を克服すべく試行錯誤を行っていく。
 本書は、発達障害をもつ「他者の靴を履く」、きわめて難易度が高いエンパシーのハードルを乗り越えた、貴重な記録である。

発達系女子のご真ん中を行く妻、御年41歳、子ども無し。働く意思も無く自発的に家事をするでもなく、テレビと猫とゲームにまみれて家から出ようともしないプチひきこもり。シングルインカムでワンオペ家事の夫は鬱憤蓄積し、いつしか妻に叱責や暴言をぶつけるモラハラ男に。しかし夫が脳梗塞で倒れ「後天的発達障害」ともいえる高次脳機能障害になり関係性が激変。夫は妻の「不自由」や「苦手」を徹底的に考察し、家庭改革に乗り出す。相互理解の困難と苦しさの渦中にある発達系女子×定型男子のふたりに贈る、読む処方箋。

目次
第1章 されど愛しき発達系女子
第2章 不自由な脳で生きる異世界
第3章 発達系女子が片付けられない
第4章 発達系女子と家事を分担できない
第5章 発達系女子と話が通じない
第6章 発達系女子と将来像の共有ができない
第7章 発達系女子が自分を大事にしてくれない
第8章 発達系女子が働いてくれない
最終章 発達系女子と生きる

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