本書では、虐待、暴力の果てに起こった、家族間の殺人事件の数々が紹介されている。あと、これまた胸糞悪くなる近親間性暴力の事例についても詳しく述べられている。
吐き気をもよおすほどの凄惨さが再現されているが、殺人事件の半数以上が親族間で起こっている事実からも、可能性は低いながら、誰もが被害者になりかねないだけに、加害者心理についても理解を深めておきたいところ、その点で本書は最適だろう。
最も身近な存在は、最も危険な存在にもなる。我が子を段ボール箱の中で餓死させた両親、夫を尺八で撲殺した老婆、娘に性的虐待を繰り返した「理想の父親」、妻の身内を殺害した暴力夫…。身内の凶行により、家庭は逃げ場の無い密室と化す。児童虐待、DV、近親姦、高齢者虐待等、増加しつづける家庭内犯罪の実態とは―。加害者、被害者への膨大な取材を通じ、家庭に潜む病巣の正体に迫る。
目次
序章 家庭は密室である
第1章 児童虐待とは何か―愛知幼児餓死事件を追う
第2章 近親姦の闇
第3章 ドメスティック・バイオレンスの現在
第4章 逃げない被害者
第5章 加害者は矯正できるのか
第6章 暴れる子供、耐える親
終章 破れ窓の理論
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事