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本と音楽とねこと

撤退論

内田樹編著,2022,撤退論──歴史のパラダイム転換にむけて,晶文社.(電子書籍版有)(1.5.2023)

 共鳴するところの大きい、読みごたえのある論考がちらほら。
 人口減少にともなう経済規模の縮小は避けられないのだから、限られた富の最適分配をはかりながら、必要性の低い経済活動から賢明に撤退していくしかないのだろう。
 ないものねだりにしかすぎないが、国力の衰退がとめどなき社会保障の後退を帰結したイギリスを反面教師とした論考が読みたかった。

持続可能な未来のために、資本主義から、市場原理から、地球環境破壊から、都市一極集中から、撤退する時が来た!少子化・人口減、気候変動、パンデミック…国力が衰微し、国民資源が目減りする現在において「撤退」は喫緊の論件。撤退する日本はどうあるべきか、衆知を集めて論じるアンソロジー。

目次
1 歴史の分岐点で
撤退は知性の証である―撤退学の試み
撤退のための二つのシナリオ
撤退戦としてのコミュニズム ほか
2 撤退の諸相
撤退という考え方―ある感染症屋のノート
下野の倫理とエンパワメント
音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている ほか
3 パラダイム転換へ
『桜の園』の国から
ある理系研究者の経験的撤退論
Withdrawalについて―最も根っこのところからの撤退 ほか

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