齋藤なずな,2023,ぼっち死の館,小学館.(11.23.24)
老いを生き、描く76歳作家の「純」漫画!
舞台は高度経済成長期に建てられた団地。現在そこにはひとり身の老人たちがいつか訪れる孤独死、「ぼっち死」を待ちながら猫たちと暮らしている。
そんな彼女らが明日迎える現実は、どんな物語なのかーーー
自らも団地に暮らす76歳の著者が描く、私たち全員の未来にして、圧倒的現在。
『夕暮れへ』にて日本漫画家協会賞優秀賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門収集賞を受賞した齋藤なずな、渾身の最新作。
粗いタッチでありながら、とことんリアルな人物描写が印象に残る。
とにかく人が死ぬ。
次々に死んでいく。
しかし、それは、高齢者ばかりが住む団地では、ごく日常の光景なのだ。
メメント・モリ。
死と隣合わせの超高齢社会の日常をたっぷり体感できる作品だ。