フィールドワークで得られた知見に基づき、とめどなき過疎化、いわゆる限界集落の増加が、そのまま消滅集落の増加に帰結しているわけではないことを立証する。他出した子ども家族との活発な生活交流、いずれは家業を継ぎたいという者が少なくないことが、過疎集落への支援のあり方次第で、都市の生活環境の維持、食糧の確保のためにも必要な農村集落の存続、活性化が可能であることを示唆している。
目次
序 むらは消えるか―東日本大震災を経て
第1章 つくられた限界集落問題
第2章 全国の過疎地域を歩く
第3章 世代間の地域住み分け―効率性か、安定性か
第4章 集落発の取り組み
第5章 変動する社会、適応する家族
第6章 集落再生プログラム
高齢化が進み、いずれ消滅に至るとされる「限界集落」。だが危機を煽る報道がなされているのに、実際に消滅したむらはほとんどない。そこには逆に「限界集落」という名付けをしたことによる自己予言成就―ありもしない危機が実際に起きる―という罠すら潜んでいる。カネの次元、ハードをいかに整備するかに問題を矮小化してきた、これまでの過疎対策の責任は重い。ソフトの問題、とりわけ世代間継承や家族の問題を見据え、真に持続可能な豊かな日本の地域社会を構想する。
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