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本と音楽とねこと

【旧作】絶後の記録【斜め読み】

小倉豊文,2001,絶後の記録──広島原子爆弾の手記,中央公論新社.(8.12.2020)

 小倉さんは、宮沢賢治研究で高く評価されたが、それ以前に、この被爆体験記で、名高い。
 1948年の初版出版以来、現在に至るまで、出版社をいくたびも変えながら本書が読みつがれてきたのも、無数の人々の生と死が、見たまま聞いたままに詳細に記録されているからだろう。
 第一級の被爆記録として、後世に残してほしい作品だ。

目次
雲と光のページェント
爆風と熱波
原子爆弾
焦熱の死都
母子叙情
妻子を探して
めぐりあい
八月八日
爆心地
「軍都」の最期
原子爆弾症
残された恐怖
「考える人」

「空中火山」の大噴煙。殺人光線。轟音と爆風。閃光と熱波。そして、奇跡―昭和20年8月6日の広島原爆投下に遭遇し、生き残った人文学者が「亡き妻への手紙」として綴った、戦後最初に公刊された体験記。

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