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本と音楽とねこと

もう別れてもいいですか

垣谷美雨,2022,もう別れてもいいですか,中央公論新社.(電子書籍版有)(10.24.2022)

 地方都市で、モラハラ男の夫がとことんイヤになりながらも、世間体と別れたあとの生活を心配して、なかなか離婚に踏み切れない専業主婦。この設定がいいね。
 女性が多数を占める職種が非正規ばかりで低賃金であるのは、一つには、生活能力のない男が、唯一優位に立てる妻である女を見下し、家政婦、下女、奴隷として支配できるようにするためだ。未婚のままでいる女のなかには、このことに気づいている賢い者もいるのだろう。
 クソみたいな家父長制に人生を奪われないためにも、リアル感がハンパない本書のような作品が若い人たちに読まれてほしい。

58歳の主婦・澄子は、横暴な夫・孝男との生活に苦しんでいた。田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫に従うしかない澄子を変えたのは、離婚して自分らしく生きる元同級生との再会だった。勇気を振り絞って離婚を決意するも、財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和など、困難が山積。澄子は人生を取り戻せるのか?平凡な主婦による不屈の離婚達成物語。

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