粗茶淡飯

中国・台湾・日本のお茶に関する色々。執筆者・徳田志保。

2017年の乌岽山

2017-03-09 15:50:44 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)


⚫︎ウードン村は春先に雨が降ると洗濯物が全く乾かなくなり工場がこんな風になります。おそらく今日はこんな感じでしょう。(笑)



鳳凰単叢、饒平県や鳳凰鎮の標高の低いところでは既に茶摘みが始まっています。

原産地ウードン村、本日3月9日は霧雨だそうです。
白葉(蜜蘭香になります)の一部が、雨上がりの後、ほんの少しだけ摘めそうだという連絡が入って来ました。しかしながら、摘めるのはほんのすこしだけで、本格的な茶摘みのシーズンまではまだ2週間はかかるだろうということです。今現在、お茶摘みさんはまだ隣近所や親戚数人で事足りているとか。

外地から呼び寄せる今年のお茶摘みさんの賃金は120〜130人民元(宿舎と食事は雇主負担)で落ち着くのではないかということでした。


烏岽八仙単叢

2017-03-06 00:21:30 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)



ウードン山の中でもかなり遅めに摘まれる八仙の1つ。(八仙と言っても種類は複数あります。)2月下旬の様子ですが、摘むのはまだまだ先ですね。

ウードン山の八仙は、地味な存在なのか消費者には後回しにされがちですが、私は流行に関係ない、ウードン山産らしい鳳凰単叢を…と言われた時には必ず上位にランクインさせます。

鳳凰単叢のお茶摘み

2016-10-03 17:02:28 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)


さて、この芽、どこから摘むのでしょう?

専門書には一芯二葉とか、色々な言葉が並びますが、実際には現場を見ないと、わからない部分も多いですよね。

2016年の鳳凰単叢、春のお茶摘みさんの工賃は
1日120元だったそうです。(食事、宿舎は雇主が提供。)2015年から据え置きとなっていますが、私がシーズン中に工場に入るようになった2007年は、45〜50元でした。

これだけ人件費が高騰しても、摘み手を集めるのが年々難しくなっています。今後どうなることやら。



茶畑の新規開墾@鳳凰単叢

2016-08-10 13:05:11 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)


ウードン村は今、家が増えています。
建て替えだけでなく、明らかに数が増えている…。

理由は分家です。

以前は茶業で得られる収入は限られていたので、
男の兄弟の誰か1人が残り、他は外地へ…が多かったのですが、昨今は茶業がかつて無いほど景気が良いため、多くの次世代が地元に残りたがります。

子を持つ両親はさぁ、大変。
息子が3人いれば、家も畑も平等に3つに分けなければなりません。当然、それぞれの収入も3分の1に減る…。
そこで所有する土地を出来る限り茶畑にし、更に新たに土地の使用権を買い、そこを開墾します。

そんな経緯があって、今やウードン山は原生林が急減してしまい、茶畑はウードン村から近隣の大安の方まで拡大しています。



分家というのは、所謂財産分与ですから、兄弟間で遺恨が生じる事も珍しくありません。私がこの地に通い始めた頃には仲の良かった三兄弟が、結婚して分家した途端、お互いを遠ざけたり、お嫁さん同士の仲が険悪になり、悪口雑言バトル…なんて類の話は今や日常茶飯事化しています。

私の懸念は今後です。分与を繰り返せば1軒あたりの耕地面積がどんどん小さくなります。土地は限られています。これは…この地の茶業にとって決して良いことだけではないと思うのです。


原始的な茶園管理@鳳凰単叢

2016-08-09 19:00:13 | 烏龍茶(中国茶・台湾茶)

今のようにお茶の産量が多くなかった頃、
鳳凰単叢の夏の茶園管理は雑草取り。秋冬は耕起と、夏に取った雑草と山からとってきた土をすき込み、これを肥料とすることだったそうです。

摘採期から逆算して施肥をする、日本の茶業とは大分違います。

山土をウードン村まで運ぶのはとても大変なのと、
即効性がないことから、2000年以降は苗を植える時に鶏糞をやったり、成長した茶樹に化学肥料を使うところも出てきたいましたが、幸運にも(?)この数年は山土を与えることが出来ています。



理由は上部の画像。自宅兼茶工場、新たに造られた宿泊施設等の建設ラッシュです。
この際に掘り起こした土を茶畑に回すことが出来ています。

問題は…この建設ラッシュが終わってからでしょうね。