さて、当時の「蘇紅」は主に紅砕茶(CTC或いはLTP)であったことは前回お話ししましたが、この時期宜興の紅茶はどんな問題あったのでしょうか?
当時の記録を探すと…
・この地域の茶樹は小葉種又は中葉種で味わいが薄かった
・紅茶に向く品種の開発が必要
・製茶機械の性能
・温度と湿度のコントロールの必要性
という文面が見られます。
幾つかは今の和紅茶の現状と被るところがありますね。
蘇紅は、上記を解決したことで60〜80年代初頭まで、紅砕茶の輸出が盛んだったそうです。
そして、紅茶の製造に興味がある方々にとって注目すべきはこの当時から「温度と湿度のコントロール」が行われ始めていたことではないでしょうか。確かに宜興は温度や湿度に関しては、決して理想的とは言えない時期があります。品種も今だに緑茶品種の栽培が主体です。その環境化でどんなことが行われているか、興味ありませんか?
この温度と湿度のコントロールに関しては、私は宜興でその作業を何度か見せてもらっていますが、まだ宜興紅茶と関連した確かな文献を見つけることが出来ていません。
そこで、ここからは敢えて紅砕茶ではなく、ホールリーフで作られている今時の宜興紅茶の製造技術に近い、越紅工夫紅茶(*)の製造に関する情報を翻訳・記載し、宜興で撮影した画像と併せてご紹介したいと思います。
長いと疲れますね。(苦笑)
次回に続きます。