カバーが綺麗で、ついつい手に取ってしまったが、これが何と殺し屋の小説だった。ヒキタクニオの『遠くて浅い海』は、殺すというのではなく、その人物を消してしまうという”消し屋”の話。
凄腕の”消し屋”は、沖縄に住んでいるある若き天才を消してくれと依頼される。それが、ただ消すのではなく、彼を自殺させてくれと言う、とんでも無い依頼なのだ。プロフェッショナルな”消し屋”と、その若き天才のやり取りが面白い。どちらも魅力がありそしてアウトローで、物語が三人称で書かれているからある意味どちらが主人公か分からなくなってくる。
残虐なシーンも幾つかあるが、結末は、悲しく、そして暖かい。最後の解説を読んだら、なんとこの本は続編に当たるものらしい。面白いものは必ずシリーズ化されるんだなあ。
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