[HRPニュースファイル198]
より転載
黒字ということは受け取りの方が大きいことを意味していますが、近年の円高で海外でのM&Aや現地生産、直接投資や証券投資を通じて、「日本企業が海外で稼いでいる」ことが主な原因です。
よって、経常収支は、貿易赤字となっても巨額の所得収支黒字があるため、当面は赤字に転落することはありません。
ただし、今後は経常収支が赤字となる可能性は高いでしょう。なぜなら、経常収支は、国内貯蓄と投資の差で決まるからです。
少子高齢化に直面する日本では、高齢者による貯蓄の取り崩しが始まり、次第に経常収支黒字幅を縮小させます。
国内での貯蓄が吸収できなくなれば、当然海外からの資金でファイナンスする必要があります(専門的には、経常収支の赤字化=資本収支の黒字化と呼ぶ)。
◇経常収支赤字化は問題なのか
ところが、経常収支が赤字化することで国内外の投資家が日本国債を売却=金利が上がると煽る記事が一定数あるのも事実です。
金利が上昇すると、国債の利払い費が増えるために財政が破綻する。そのために、消費税増税が必要であると。関連記事⇒http://bit.ly/xr9YSN
しかしながら、データを見る限り、たとえ日本が経常収支赤字に陥ったとしても、必ずしも国家の衰退や財政破綻を意味しません。
なぜなら、アメリカ、イギリス、カナダは経常収支赤字国です。特にカナダは、100年間、ほとんどが経常収支赤字でも十分発展しています。
嘉悦大学の高橋洋一教授によれば、赤字国であっても高金利と低成長とはなっていない事実を指摘しています。
つまり、政府によるマクロ経済運営が安定していれば、経常収支が赤字でも問題は小さいというのが結論です。詳細はこちら⇒http://bit.ly/xwdpte
財団法人国際貿易投資研究所の研究によれば、日本の所得収支額は世界五位です。
対外資産負債残高だけ見れば、日本は世界第一の債権国ですが、対直接投資に占める投資収益率をみると米英の約半分の4.6%にしか過ぎません。
経常収支が黒字を計上している間に、対外資産を効率的な直接投資に振り向けることができれば、所得収支をさらに大きくできます。
◇貿易赤字で一喜一憂するのは愚か
要するに、問題の本質は経常収支(より正確には、資本収支を加えた国際収支)全体で考えるべきであり、貿易赤字で一喜一憂するのは愚かです。ましてや、将来の経常収支赤字を盾に取った増税論議など論外です。
むしろ、今必要なのは「投資大国・日本」を目指して、国民の富を大きくすることです。(文責・中野雄太)
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