ぼくのすきな本
私の故郷では先生に薦められる本があった。
ご当地物児童書、下村湖人の「次郎物語」と 安本末子の「にあんちゃん」の二冊である。
「にあんちゃん」は今村昌平により映画化され衆知だが、小学生らしい平易な文章で地元ならではの
方言も用意されていて、当時は感情移入し涙し読んだ。
幼き頃、両親を亡くした在日コリアン二世の兄弟達が極限的貧困の中、必死に!けなげに!.....。
兄弟愛が胸を打つのである。その中で「ストライキは嫌だ!」という言葉だけは今だ忘れられない。
昨今とは違い労働運動が荒々しかった時代、一家の大黒柱の長兄は炭鉱の臨時雇い在日であるが故、
組合員でもない。ストライキはその日の食を奪うのだ。
今日の労働運動の体たらくの原点はその辺にありそうな気がする。
まつぴ