Entrance for Studies in Finance

上場投資信託exchange tradable funds, ETFs

exchange traded funds, exchange tradable funds

 ETFs(上場投資信託)とは、証券取引所に上場されている投資信託。
 国内のETFは契約型 で主として指数型を上場しているもの。これに対してREITとは不動産投資法人の投資口を上場して売買しているもの。いずれも投資信託の上場商品としての共通性がある。そこで両者をあわせて上場投信と呼ぶことがある。しかし分類上、日本ではETFは契約型投信に位置付けられ、REITは投資法人に位置付けられており、2つの証券の性格には、厳密には契約型か投資法人型かの違いがある。
ETFは仕組みとしてはまず金融機関などが株式など投資対象商品を拠出してその収益をベースした契約型投資信託受益証券を作成。この証券を一旦、その金融機関など拠出機関が取得する。そして次にこの受益証券を金融機関などが譲渡。証券会社ではこれを販売するとともに上場。という流れである。
 金ETFも仕組みや考え方は同じで、以上のETF組成の考え方は、株式や商品だけでなく、債券、通貨などにも応用できる。
 ところでしばしば上場投信というくくりで、ETFとREITを合わせたものを議論していることがある。ただ統計上は、ETFは契約型、REITは投資法人型に分類されている。また両者の商品性には違いがある。

ETFのメリット
 ETFのメリットは上場されていることに伴う問題と、指数型であることに伴う問題とが、きちんと区別されずに議論されることが多い。ここでは分けて議論しておこう。 

上場型投信のメリット
 指値注文できる 信用取引可能。取扱会社 販売会社に限定されない。
 上場されているので市場が開いている間は随時機動的に売買できる。リアルタイム売買が可能。
 1日に何回も売買できる 信用取引も空売りもできる 
 2011年末国内上場ETFは外国籍除き95本。時価総額は3兆円近くに回復。2006年末4兆円近くが過去のピーク。
 2008年のリーマンショックで2兆円台まで減少。
 上場投信残高は2013年2月末で約4兆7000億円。1年間で5割増えた。
 株式と同じように購入できる 数千円程度から買える 指値 成り行き注文できる
 ストップ高 ストップ安がない
 価格に透明性 手数料安い 信託報酬が安い 取引時間中はリアルタイムで売買できる
 売買の自由度が高い
 理論価格(基準価格 純資産額から算出)で買えるわけではないが、基準価格を判断の基準にして、
市場価格の割高・割安を判断することはできる。
東証の場合 インデイカテイブNAV(アイナブ)の算出公表 2011年4月11日より(15秒置き)
 東証 アイナブのページ
大証の場合 同上 2011年8月15日より
 大証 アイナブのページ
アイナブの利用によりリアルタイムの価格のズレを利用した投資が可能になった。

指数型運用および指数型投信のメリット
 指数型の意味:指数(市場平均)への連動を狙っている
 個別銘柄の知識がなくても投資できる 初心者でも値動きを把握しやすい。
 個別銘柄に投資するリスクを避けることができる(分散投資を気軽にできる)。
 1本で市場全体に投資できる
 分散投資が容易 分散投資効果が得られる
通常の指数型よりコストが安い(競争が激しい米国では総経費率が年0.1%を下回るものも少なくない)
 日本の指数型の信託報酬は上場投信が0.1%から0.4%.
 上場していないものは指数連動型で平均0.8% 銘柄選択型は平均1.6%(2013年2月上旬現在)

 海外から日本に投資する場合にもETFは分散投資をかねて使える
 個別株に着目して頻繁に入れ替え売買をするアクテブファンドのほとんどが、高額な手数料報酬を受け取りながら市場インデックスを上回る成果を実際には挙げていないのはよく知られている業界の「秘密」である。そのことは市場効率主義者からすれば、市場競争の当然の結果でもあった。それならば、手数料の安いインデックス運用を購入するべきだと一部の教則本は書いている。
 アクティブ型の運用成績はインデックス型を下回る(2012年の米国の大型株運用ではアクティブ型の7割はインデックス型を下回った。

市場の変質によりアクティブ型にみられる投機的運用で収益を上げることは困難になっている
アクティブ投資(投機)には、市場の流動性を供給している側面もあるが、アクティブ投資により安定的に高収益を獲得することは
ますます困難になっている。そもそも大きな金額の運用とアクティブ投資とは矛盾している。金額が大きくなるほど、運用対象は
似てこざるを得ない。

投機的ETFは邪道
 ETFの仕組みを投機に使う動きは、ETFの在り方を投機的投資に変質させるもので邪道である。
 東証と大証は2012年3月12日に規則を改正してブルベア型上場投信(別名 レバレッジ型)を上場可能にした。その後2012年12月には香港H株(中国本土企業株)指数
のブルベア型上場投信を上場させた。こうしたリスクの高いETF投信を上場したことは、ETFの在り方をゆがめてゆく可能性がある。
 東証と大証を継承した日本取引所関係者の、市場管理者としての見識が問われるところである。
 ブルベア型投信について

インデックス型への批判
 インデックスファンドはインデックス自体が低下するときには、もちろん成果を上げるものではない。つまりインデックス自体が長期間低迷するとき、どうすればよいかの回答をインデックスファンド推奨者は提示できない(指数下落局面でのインデックス運用の不毛さについての批判がある)。事実 指数型運用をしていた投資家は、株価崩壊局面で大きな打撃を受けた。
それでは上昇局面はどうだろうか。株価が上がる局面で機械的に買い増せば、割高な株価で買う(低収益となる)側面がある。
 インデックスファンドへの近年見られるもう一つの批判は、個別株の分析を重視するファンダメンタルな投資を脇にに置いている点で、ファンダメンタルな投資の比重を下げている点では、日計り商いに徹するデイトレーダーや、ファンドによるアルゴリズム取引と同様の役割をしているのではないかというものであろう。
 資産運用する側が運用する責任を逃れて、結果を市場の責任にできるインデックス型に逃げているともいえる。
 もうひとつはインデックス型運用が増えるとインデックスを組成する(あるいは構成比率の高い)銘柄の売買が過度に賑わうというもの(市場では日々の話題にしたがって、売買の多い銘柄は変動するのでこの指摘は計量的に確かめる必要がある)。

MSCIジャパン
日経平均連動投信
 指数型投信では契約型より上場型株価指数連動型ETFが有利という説がある(信託報酬が低い 価格に透明性がある 指値注文できる)。

ETFの長所についての別の言い方
 国内株式に投資するタイプ、つまり株価指数に連動するタイプが主流。
 価格指数への投資は分散投資をしているのと等しい 低コストで分散投資していることになる
投資主として投資主総会等を通じて投資法人をある程度監督できる(この点は不動産投資信託も同じ)。
 投資信託なら購入時に販売手数料 運用時には信託報酬 解約時に信託財産保留金 必要
 上場投信なら 売買手数料はかかるが 信託報酬も低い
 信託報酬が低い
  アクテブ投信>パッシブ投信(インデックス投信)>株価指数連動型ETF
  1.5%程度   0.4-0.7%程度             0.1-0.2%程度
 運用コストが低いので長期投資に向いている
 指値注文 信用取引できる
 取引コストが低い
 機敏な売買できる(取引時間中なら何度でも売買できる) 
 空売りから入れる(株価下落時の保有株の損失カバーに使える)
 既存の投資信託に比べて投資対象に透明性が高い。売買価格は取引時間中、常に変動する。リアルタイムで価格が分かる(透明性はあるが変動リスクもある)。機動的に売買できる。
契約型に比べて保有コストである信託報酬が安い(販売会社に入るものがない分、減らせる)。信託報酬(運用コスト)が既存の投信に比べて割安。
 株式市場と縁の遠いかった商品、不動産などが投資対象となったものもある。とくに商品は株式との連動性が低いとされるので株式、債券を組み合わせると分散投資効果を得られる。

ETFの問題
・銀行で売られていない(手数料が低いことから積極的に売られていない)
・積立投資ができない(定額投資に向いていない)
 口数単位の売買になり 金額で売買できない
 自動的に再投資できない。
 市場規模が小さく 売りたいときに売れない可能性がある。流動性に問題があるとの指摘もある。
 上場廃止リスクがある。

ETFの歴史
 1993年にアメリカで初めて登場。日本では2001年に初めての上場商品登場。2011年2月21日の上場承認で100銘柄(3月10日取引開始)。
 2012年1月末で東証ではETF107銘柄を上場。
 内訳は日本株指数もの59本(市場別10本 規模別6本 業種別38本 テーマ別5本)
    エンハンスト型指数1本
    REIT指数3本
    外国株指数15本
    外国債券指数3本
    商品7本
    商品(投資法人債券)19本
 他方2012年1月末で東証で上場されているREITは34銘柄である。

 資産残高(投信協会)はETFが
 2011年11月末で94本2兆6754憶円。
 2011年12月末で95本2兆7285億円。
 他方 不動産投資法人は
 2011年11月末に35本4兆1170億円
 2011年12月末で34本4兆1068億円。
 これに対して売買高は
 内国ETF(東証)が
 2011年10月2222億円 1日平均111億円
 2011年11月1769億円 1日平均84億円
 2011年12月1539億円 1日平均73億円
 内国REIT(東証)は
 2011年10月1909億円 1日平均95億円
 2011年11月1620億円 1日平均77億円
 2011年12月1615億円 1日平均76億円

ETFの売買は46.9%が個人で個人売買が多い特徴がある(2008年 外国人37.7% 金融機関7.8%) 2005年には個人23.2% 金融機関21.9%に対し外国人51.9%と外国人による大口取引増加(2004-2006年にかけて外国人が増加)が増加したこともある。 しかしその後再度、大証を中心に個人の取引が増加した もともとは 2003年 個人43.6% 外国人25.8%。

東証の株式(1部2部マザーズ)売買高が減少するなか
2009年年373.8兆円1日1.53兆円
2010年年359.2兆円1日1.46兆円
2011年年347.1兆円1日1.41兆円
国内ETFと国内REITの売買高(東証)はともかく増えている
国内ETF
2009年年1.86兆円1日76億円
2010年年2.05兆円1日84億円
2011年年2.59兆円1日105億円
国内REIT
2009年年2.24兆円1日92億円
2010年年2.66兆円1日108億円
2011年年2.86兆円1日117億円

ETF国内売買高
月間
2006年6月  6,602億円
2008年10月 6,459億円(前月比80%増 株価の急落→割安感から)
年間
2006年  2兆9,890億円(東証 国内ETF)
2009年  1兆8,675億円(東証 国内ETF)
2009年度 1兆9,534億円(東証) ピークは2005年度 銘柄数は2010年3月末で86(東証)まで増加するも売買高は2005年度以降減少続ける 金融機関が販売に積極的でない 機関投資家が取引に参加しない 個人の関心高まらない

 なお日本では売買を増やすため銘柄数を意識的に増やした。3年間で80以上増やした。2010年の東証の売買高250億ドル。NYは1100本 2010年の売買高は4兆ドル超え ロンドンは1300本上場 2010年の売買高は2400億ドル。
 アメリカでは、2000年に不動産ETF,2002年に債券ETF、2004年に金ETFが登場。投資リスクの分散を低いコストで実現できる。
 上場投信は手数料が低いので日本の証券会社が販売に熱心でないとしばしば指摘される。
 世界全体ではETFは4000種類 時価総額一兆5000億ドル(177兆円) 海外ETFは売買手数料のほか為替手数料がかかる
 米国がg世界のETFの7割占める。NYは1100上場。2010年の売買代金は四兆ドル超(売買の3割を占める 高速度取引の舞台の一つともされる)。ロンドン証券取引所は1300本上場。その売買代金は2400億ドル超えている。
2010年9月末で米国に890本。欧州に1030本。日本以外のアジアに185本。全世界では2379本。
 2011年4月末で全世界で2670銘柄g上場残高は1兆5000億ドル。2010年11月末で米国のETFの本数は1000本を超え、運用残高は9470憶ドル。なお米国ではレバレッジド型ETFが、指数の値動き以上に売り買いを膨らませいるとされ警戒されている。株式市場の中でETFとくにレバレッジド型ETF(株価指数の変動に比べ投資収益が2-3倍になるように設計された上場投信)が人気を集めているが、このETFが超高速取引HFTを手掛ける業者により活用されているとのこと。
 株価のボラテリティの増幅にHFTの拡大とともにレバレッジ型ETFが原因の一つとして議論されている。cf.Market Update, 2011Q4

商品例
 日経平均
 TOPIX
 業種別価格指数 エネルギー資源株 電機株 電力・ガス株 医薬品株 不動産株
 規模別価格指数
 海外 上海株 ブラジル株 韓国株 南アフリカ株 ロシア株
 通貨 (ブラジル)レアル   (ロシア)ルーブル
 REIT

現在の商品例
 SPDR金
 野村金連動
 中国 ブラジルなどの個別国
 上証50連動型上場投資信託(野村上証50 大証)
 ETFパンダ(日興パンダ中国A 東証)日興アセットマネジメント
 野村上証50
 野村ボズスパ
 野村レアル
 MSCIエマージング
 MSCIコクサイ
 このほか日本の証券会社経由で購入できる海外ETFがある(日本で上場されているもの 上場されていないものあり)。こちらのETFの方が国内ETFに比べファンドの規模 流動性で優れているとされている。海外分散投資を容易に実現する面。国際投資は海外ETF(ファンドの規模 流動性で優位)に向かっているという言い方もある。(売買委託手数料+為替手数料)
海外ETF
 ETFには国内ETFと海外ETFの区別がある。
 海外投資による分散投資を個人でもてがけやすい
 流動性 規模などで海外ETFが優れているともされる
 海外ETFはネット証券が手掛ける商品の一つ 
 各種手数料に注意(販売手数料が高く頻繁な売買になじまない 外貨交換手数料も必要)
SBIイートレード証券
楽天証券
 国内上場ETFで海外物(海外ETFで国内で上場されているもの)は海外ETFでも円で取引できる

商品ETFについて
 商品ETFは証券取引所に上場され、株式と同様の感覚で売買できる。2010年末の商品ETFの世界の運用残高は1848億ドル。2009年末比で54%増、2007年末との比較では4倍増。残高増加をけん引しているのは貴金属ETF。
 商品ETFについては商品相場の動きを大きくしているとの批判がある。
 商品ETF 原油・金などに投資するのとほぼ同じ
 2007年に日本に登場したのは金ETF.金価格は株価との連動性が薄く、リスク分散に適している。
 商品ETF 2007年金ETF日本で登場 2009年3月 東証に2銘柄に登場(ETFセキュリテーズ) 2010年11月までには26銘柄。
金ETFについて

 たとえば 原油価格が上昇するなら 原油価格連動投信
       原油先物価格を円換算した動きをする(為替リスクがある)
       原油価格が上昇すると日本株は下落するが
 
 金も株価と異なる値動きをする特徴がある 
 金ETF 2007年登場
    金価格が上昇するなら  金価格連動投信
 問題:商品ETFは市場規模が小さく値動きが荒い

 金以外の金属(銅 アルミ ニッケルなど)は景気との連動性が強く高まる傾向にあり、かつ値動きが荒い。株価の動きを先取りする傾向があり、かつ価格変動幅も大きい。商品投資は保有するだけでは利子も配当も生まないので投資のメインには向かない。
 国際商品価格に連動する商品は、手軽に代替投資(伝統的投資以外への分散投資)を実現する側面は長所。
ETFsを通じたマネー流入には商品価格高騰の一因だとする批判がある。
 株価といっても海外の株価指数に連動するタイプもある。
 同様に不動産や商品についても
 商品・不動産などでは株価と違う収益性を容易に(投資単位1万円程度から)得られることに評価。
 商品投資は商品先物という方法もある。比較⇒専門性高い
 不動産投資も実物としての不動産投資をする方法もある。比較⇒選別にコスト 投資費用の大きさ
商品ETFについて
金ETF
 たとえば金ETF(2007年8月登場 米国での登場は2004年) 地金に比べて取引手数料低い 頻繁な売買可能 地金にはない信託報酬年0.4%程度必要
 地金は 売買時に2%程度の手数料
 純金積みたては年会費に加え購入時に2.5%程度の手数料

商品ETF ほかのETFと同様に証券取引所で取引されるETF リアルタイム売買可能 金や原油など個別商品別のETFも登場している。商品取引では発行体の信用リスクがないとされる。市場が小さいため巨額取引に対応した流動性がないとも。ここで国内の商品取引所(東京工業品取引所)の指数と連携した商品も登場を始めている。


ドルの代替として特殊な商品。信用リスクのない実物資産。代替通貨の側面が依然無視できない。指標はNY先物(短期動向示す 相場 買いポジション)。上場投信(ETF)の代表はSPDRゴールドシェア(その残高は長期の投資資金の動向として参照されている 買い建て玉ー売り建て玉=買い越し残高 ヘッジファンド 年金基金など)。

国内では2007年に初めて登場 投資対象に商品を組み込むための手段となる
金ETF 保管コストかからない 盗難のリスクない 少額からできる
1)金価格連動型上場投資信託(大証)約3万円の少額から投資可能 金価格に連動する債券が投資対象 野村アセットマネジメント 2007年8月10日上場
2)SPDRゴールドシェア(東証) ロンドンの金現物価格に連動 日本で初めて現物商品の裏付け 裏付けとなる地金はロンドンにある。ただし金と交換するには10万口約9億8000万円必要 World Gold Trust Services LLC 2008年6月30日上場
なお最低投資金額約50万円50口でスタートしたが2008年9月からは1口単位に引き下げられた
3)ETFS金上場投資信託(東証) ETF Securities Ltd. 2009年8月24日上場
4)国内金先物価格連動型上場投信(大証) みずほ投信投資顧問 2010年2月15日

 1971年   金ドルの交換停止 ブレトンウッズ体制の終焉
 1979年12月 旧ソ連のアフガン侵攻
 1980年1月 当時の市場最高値850ドル
 1985年9月 プラザ合意
 1989年11月 ベルリンの壁崩壊 冷戦の終結 地政学リスクの低下
 2001年9月 米同時多発テロ
 2002年   シドニー証券取引所に金ETF登場
 2003年3月 イラク戦争開始
 2004年   NYSEに金ETF
 2005年1月  400ドル台前半 
 2007年夏以降 サブプライムローン問題表面化
2008年9月 リーマンショック 2008年末以降米国公的資金投入へ
       ドル相場の不透明感 NYダウ急落 → 金へ
 2007年 金ETF(商品ETF)の登場(日本)
 2009年3月末 東証上場中の商品ETFは2銘柄(日本)
 2009年10月 ギリシャの財政問題 ユーロからもマネー逃げ出す → 金へ
 2009年12月初旬 一時1220ドル台の史上最高値(12月3日1227㌦)09年末1096.2ドル
       景気刺激策による大量のドル供給 通貨価値希薄化懸念 
       発行国の信用リスクのない金 へ
       米国が平時に戻れば(金利上がれば)金相場は下落か   
 2010年に入って1100ドル台を維持(1月11日1150ドル台回復) 世界的な財政不安背景
 2010年4月 一時1170ドル(4月12日NY先物)
       1100ドル以下になるとアジアの実需、宝飾品需要45%が下支え 突出して多いのがインド、中国
 2010年5月 一時1235.2ドル(5月11日)、一時1249.7ドル(5月14日) 金ETFの8割占めるSPDR Gold Share 1220.15t(5月20日) 1267.63t(5月26日)
 2010年6月 一時1260ドル超え最高値更新 1266.5ドル(6月21日) SPDR Gold share の投資残高1300t超え(ロンドンの金庫に確保されている)1320.44t(6月29日) 3000兆円以上の資産をもつ世界の富裕層 そして年金基金 ヘッジファンド経由で金ETFに向かうものもある

原油
WTI原油価格連動型上場投信(大証)2009年8月3日上場 商品先物で運用する国内初のETF 運用はシンプレクス・アセット・マネジメント
 1口5000円台 1口単位から取引可能
 商品価格連動型投信に比べ維持コスト(信託報酬)が安い 0.89%
先物市場に比べレバレッジ取引でない分 損失小さい
 WTI原油先物を円換算したものに連動
  原油先物ETF 2010年5月17日東証上場

プラチナ ドルの代替資産として金と連動した値動き 自動車の排ガス触媒向け実需(プラチナ需要の4割)
2010年2月15日 大阪証券取引所 東工取の金、白金指数に連動する上場投信(ETF)を上場開始 NEXT FUNDS 日経・東工取白金指数連動型上場投信(大証)(野村アセットマネジメントが設定)
国内金先物価格連動型上場投信(大証) みずほ投信投資顧問 2010年2月15日

初めて裏付け資産を国内に保管したETFが上場(東証) 2010年7月2日
 金、銀、プラチナ、パラジウム 
 三菱商事が現物を調達 
 三菱UFJ信託が上場
 2006年の信託法改正で可能に 発行主体 投信会社でなく信託銀行
               組成は  商社
  商社(委託者)→信託銀行(受託者)→証券取引所   
  円建て グラム単位取引

ETFの歴史(海外)
1990年にトロント証券取引所に上場したものが最初
アメリカでは1993年 その後アメリカでは
2000年 アメリカで不動産ETFが初めて設定
2002年 アメリカで債券ETF登場。米債券ETF(債券総合 短期債券 長期債券 物価連動国債 社債 ローン担保債券)
2004年 アメリカで金ETF(資産価格連動型)登場

ETFの歴史(日本)
1995年の日経300株価指数連動型上場投資信託(大証)
2001年7月 ETF(株式)の上場
2005年 新興株ブームでETF離れ
2006年1月 ライブドアショックでETFに投資戻る
2006年末 米国のETF 上場数359本 残高4170億ドル
2007年 日本のETF市場(2007年末 残高3兆円 米国の5%程度)
2007年12月 政府「市場強化プラン」 商品現物や商品先物に直接投資する国内物の投信の解禁
2008年4月末 東証と大証 あわせて40本
2008年6月6日 金融商品取引法改正 商品先物など多様な上場投信可能に
2008年6月末 東証だけで30本超える(業種別ETF 中国の株価指数に連動するものなど登場)
2008年7月 規制緩和
        海外の株価指数 原油価格 不動産投資信託に連動するものが可能に
2008年 東証REIT指数に連動するETFが設定(不動産)
2008年9月より投資単位を1万前後にする動き広がる ETFの小口化
(野村アセットマネジメント 22本のETFの売買単位を10分の1に引き下げ)
2008年9月末 東証だけで56本
2009年2月末 東証と大証 あわせて68銘柄(株価指数連動型は売買活発 業種別ETFは売買不活発 全く売買がないものも)
2009年5月15日 大和証券が原油先物に投資する初の国内投資信託の販売を開始
        ロング型(買い持ち型) ショート型(売り持ち型)
       運用は伊藤忠商事系のITCインベストメントパートナーズとアストマックス
2009年5月末 世界のETFの本数は1660 純資産総額は7752億ドル
2009年8月 NY原油先物WTIに連動するETF(大証)に登場(商品先物で運用する国内初のETF)
2010年1月末 東証にMSCIコクサイが上場
 米英など先進国22ケ国の株価指数と連動するもの
2010年2月末 東証と大証 あわせて83本(新興国の株価指数に連動するMSCIエマージングが東証に登場)
2010年2月24日 東証に新興国之株価指数に連動するETF{MSCIエマージンング}が上場
 中国 インドなど新興国22カ国の株価指数と連動するもの
2010年3月 非鉄金属に連動するETFが東証に上場 英運用大手ETFセキュリティーズ
 銅等の非鉄金属や穀物の個別価格に連動するETFを上場
2010年 三菱UFJ信託銀行が金の果実シリーズヲ東証に上場
2010年春 野村アセットが原油ETFを上場
2011年1月末で東証に97本 大証に16本。計113本。
 うち78本が株式ETF。商品ETFは30本。この時点ではなお日本債券ETFがない。
 どの証券会社からも注文可能。
2011年2月 大証に金と白金の2銘柄が上場

なお不動産投資信託については別に論じる

オプションを組みあわせる
 コールオプション売る オプション料が手に入る カバードオプション

ETNの登場(日本では2011年8月初めて上場)
 ETN exchange traded note :2006年以降 米国で急拡大。日本では2011年4月に東証で規則改正 5月にも上場開始(確認)。
 実際は2011年8月23日に最初の商品が上場された。
 ETNは証券会社が責任をもって指数とETNの価格が完全に連動するように保証する 実際に対象資産を運用する必要はない
 海外投資家の自由な売買が認められない新興国株やレアメタル相場についても組成可能。
 ETN(上場投資証券)の登場 発行会社が指数との連動を保証。ETFと違いトラッキングエラーが生じない。
 実際に資産により裏付ける必要がないので、これまで組成がむつかしかった指数も機動的に商品化できる。

originally appeared in July 20, 2010
corrected and re-posted in January 30, 2012 and May 3, 2013

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