Online Open Course : Securities Markets Ⅰ公開講義 証券市場論Ⅰ
この講義は、株式、債券、投資、証券市場、金融政策などの知識を提供します。証券市場論Ⅰは、株式、株式市場の話が中心です。債券、金融政策の話を中心とする証券市場論Ⅱが続篇として用意されています。
証券化、M&A、コーポレートガバナンス、リスクマネジメントなどは、財務管理論Ⅰ 財務管理論Ⅱで学ぶことができます。
なお株式投資に関心がある人には株式投資入門を用意しました。また 辞書も用意しました。取引所用語
この講義にはもう一つの入り口があります。:公開講義 証券市場論 in Note
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第1回講義ファイル 第1回講義音声ファイル(2分)
ロシアのウクライナ侵攻後の日本経済 パンデミック後の日本経済
株式市場 in Note
第1回の内容:学問としての変遷 取引の仕方 証券の定義
第1回の説明:証券と証券市場 証券市場論の全容 in goo 証券会社 投資銀行
初回のレポート 証券市場の役割と機能について、まとめて下さい。発行市場と流通市場にわけて述べてください。レポート・答案の書き方
第2回講義ファイル 第2回講義音声ファイル(2分)
第2回講義資料 HFT アルゴリズム取引 AI 株券電子化 in goo
HFT (CFI) 見せ玉(spoofing or layering)になる。流動性liquidityといえない。
flash crashの原因になる。市場の公平性を妨げる。などの批判がある。
機関投資家institutuional investors:投資を業務として行う年金 保険 投信 ファンドなどのことを指しています。こうした投資家が市場で主体になる結果(=市場の機関化)、市場は顧客である機関投資家のニーズに答えようと、投資の高速化、アルゴ取引、ダークプールなどの要望に対応してきたと理解されます。なお、こうした投資家が今や市場で主体ですので、企業統治Corporate Governanceとの関係では、投資家としてガバナンスの責任(=企業はどのようにあるべきかについて判断する責任)があると考えられます。
What's a Dark Pool (Marketplace APM)
HFT and its Impact on Markets (The Plain Bagel)
第2回のレポート 機関投資家が株式市場に登場しその役割が拡大していることをどのように考えるべきか述べなさい。
第3回講義ファイル 第3回講義音声ファイル(2分)
第3回資料 金融仲介と証券 in goo What is financial intermediaries (CFI)
金融政策 in Note 中央銀行デジタル通貨をめぐる課題 2020/03
第3回補充講義 金融仲介 間接金融 直接金融
日本の会社数(2018) 400万 法人企業が200万 組織別会社数など(日本)
国税庁会社標本調査(2015)全国法人の数264万 株式会社の比率(94.3%)欠損法人の比率70%など 2017年新設法人動向(東京商工リサーチ)
第3回のレポート 直接金融、間接金融について説明しなさい。
第4回講義ファイル 第4回講義音声ファイル(2分)
第4回講義資料 株式について 株式会社 有限責任 株主の権利
株式 stock (CFI)
第4回のレポート 株主が出資者として負うリスクは、企業の債権者が負うリスクとどのような違いがあるかを説明しなさい。
第5回講義 第5回講義音声ファイル(2分)
第5回講義資料 普通株 種類株 発行方法 ; 増減資の仕組み
equity financing (CFI) 発行を伴う資金調達 in goo
エクティファイナンス in goo 新規公開株の売出価格の決定 in goo
現代のエクイティファイナンス in goo
CAPM, equity finance, death spiral finance (in research map)
CAPM (CFI)
第5回のレポート 株式発行の方式として、公募、第三者割当発行、株主割当発行を比較しなさい。
第6回講義 第6回講義音声ファイル(2分10秒)
第6回講義資料 誤植訂正 総配当性向⇒総還元性向
総還元性向、2つのR&D
配当利回り 配当/株価
総合利回り {配当+(売却価格ー取得価格)}/取得価格
配当性向 配当/利益
総還元性向 (配当+自社株買い)/利益
理論株価の計算方法(1);理論株価の計算方法(2);理論株価の計算方法(3)
自社株買い論stock buybacks 自社株買いの増加(大和 2015)
自社株買いの解禁は1994年 金庫株解禁は2001年。
なお買収通貨に株式を認める株式交換方式解禁は1999年。
シグナル効果signaling effect :企業の経済活動を企業の判断のシグナルとみて、投資家がそれに反応することを指す。 仮説:企業経営者は企業の実態を知りうる立場にあり、その活動は経営者の判断を反映するシグナルである。
増資(株式発行):企業の株式が企業の判断する妥当な水準より高いシグナル。投資家としては、高いうちに売るべき。増資発表⇒売り行動へ。
自社株買い:企業の株式が企業の判断する妥当な水準より安いシグナル。自社株買い発表⇒買い行動へ。
イールドスプレッド:イールドとは利回り、投資に対する収益率のこと。スプレッドは差のこと。イールドスプレッドとは、複数のイールド間の差のこと。よく使われるのは、株式市場のイールド(有配当の企業だけを集計して求める)と債券市場(代表は国債市場)の間のイールドスプレッド。一般的な状況なら株式のイールドの方が高い。
第6回のレポート 自社株買いのシグナル効果について述べなさい。
第7回講義 第7回講義音声ファイル(2分)
第7回資料 上場会社数 親子会社問題 ライツオファリングなど
再び増加する親子上場(2018)
上場株式部門別売買統計・保有統計など
市場区分見直しの概要(JPX2021/07/05)
東証の市場再編と日本株への影響(三菱UFJ信託2021/08)
流動性基準の見直し(2007/10) 少数特定者持株比率→流通株式比率
新規公開企業・上場廃止企業
第7回のレポート 非流通株式とは何かについて論じなさい。
venture やstart upに対する株式投資は非公開株private equityへの投資になる。
この投資つまりリスクの高い投資を担える投資家は限られてくる。
身内 友人 venture capitalなど。
equity financing for start-ups
ベンチャー・キャピタル
オープンイノベーション corporate venture capital
オープンイノベーションとCVCファンド 加熱するCVC投資
課題 CVCの役割について、論じなさい。
第8回講義 第8回講義音声ファイル(2分)
ハイブリッド証券、バッファー、ベイルイン; DES
第8回資料; ハイブリッドファイナンス
株式における優先株 債券における劣等株のように
普通株に比べて配当支払い順位が高い優先株
普通債より債務支払い順位が劣後する劣等株 などが事例
銀行の自己資本規制問題を契機により資本性を強めたものが登場
条件付き転換社債 contingent convertible bonds CoCo債
ベイルイン条項付劣等債(ベイルイン債)
バーゼルⅢ規制について ベイルインvsベイルアウトin goo
第8回のレポート ハイブリッドファイナンスの意味と意義について論じなさい。
第9回講義 death spiral finance 不健全な企業の財務行動 自社株買いというマネーゲーム MBOにおけるスクイーズアウト 官民ファンド
第9回レポート 不健全な財務活動として講師が例示したものを挙げて、こうした講師の考え方(企業の財務活動の中に健全なもの、不健全なものの区別があるという考え方)に対する皆さんの意見を教えてください。
第10回講義 第10回音声ファイル(2分)
解散価値法と継続価値法
第10回資料 企業価値評価valuation (CFI) 3つの手法の長短を理解する
Valuation Methods (CFI)
インカム・アプローチ 代表的なものにDCF法 割引率にWACC(加重平均資本)を使う 将来の想定に恣意性入りやすい 将来の想定を反映できる
マーケット・アプローチ 市場の評価を反映できる 類似企業が市場に存在する必要がある
コスト・アプローチ 貸借対照表をベースにする客観性はあるが、将来の予想が考慮されていない
第10回のレポート 理論株価を導く3つの手法を比較しなさい。
第11回講義 テクニカル分析 株価指数
新株価指数(quality index) index funds (CFI)
証券の価値・価格の決定方法 CAPM シャープ ベータ
サイコロジカルライン ボリンジャーバンド
第11回のレポート テクニカル分析について説明しなさい。
第12回講義 行動心理学
アノマリーズanomalies 投資の神様たち
市場原理主義と行動ファイナンスについて シラー 行動経済学
正規分布とベキ分布 資産リターンの季節性と投資戦略
第12回のレポート アノマリーズの事例を上げ、それが発生する理由についても考えなさい。
第13回講義 株式取引の神様 信用取引 先物取引など
信用取引と裁定取引
Ups and Downs of Margin Trading (Charles Schwab)
How Short Selling Work (The Plain Bagel)
株式派生商品取引統計
第13回レポート 信用取引の空売りを規制するべきか論じなさい。
第14回講義 証券業務 証券市場の変化
第14回レポート 機関化やネットの普及を踏まえて、証券会社の業務の今後のついて論じなさい。
持合いmutual share holdingsの解体について。日本では企業と企業、
企業と銀行が高いに相手の株を持ち合う株式持合いが普及していました。
これには取引を安定化する目的と、買収を防ぐ狙いがあったとされています。
1990年代にこの持合いの解体が進みました。企業の段階では
継続取引について疑問もでてきたこと、銀行の段階では自己資本規制の影響、などが指摘されています。2013年以降、超金融緩和政策がすすめられるなかで、日銀がETFを通じて、株式市場を支える新たな事態が生じています。
もともと日銀は政府が発行する国債を、銀行が一旦購入した後、買い上げることで、国債を買い支えていたのですが、株式市場を支える新たな役割を
負わされています。この問題は後期に改めて論じます。このほか公的年金資金の運用で株式運用比率を高めた問題があります。
GPIFの運用比率見直し+日銀の質的量的金融緩和政策
この問題は後期の第5回 第7回で議論しています。
証券市場論Ⅱに進んでご覧ください。
日本銀行によるETF買い入れ
大原透 日銀の金融政策とETF購入―退路はあるのか 2020年5月
2013/04 年約1兆円 14/10 同3兆円 16/07 同6兆円
年金資産は414兆円で過去最高を更新 大和総研2021/03
日本証券経済研究所編『図説アメリカの証券市場 2019年版』2019
日本証券経済研究所編『図説日本の証券市場 2020年版』2020
長谷川貴博『AI化する銀行』幻冬舎, 2017
井堀利宏『経済学部は理系である』オーム社, 2017
みずほ総合研究所『ポスト金融危機の銀行経営』金融財政事情研究会, 2014
天谷知子『金融機能と金融規制 プルーデンシャル規制の誕生と変化』金融財政事情研究会, 2012
P.Vernimmen and others, Frequently Asked Questions in Corporate Finance, Wiley:2011 No.2
宇野淳監修 日本証券投資顧問業協会投資信託協会編『アセットマネジメントの世界』東洋経済, 2010
日本総合研究所調査部金融ビジネス調査グループ編『グローバル金融危機後の金融システムの構図』金融財政事情研究会, 2010