東京ドーム Tokyo Domeである。1988年3月に竣工。施工の竹中工務店とともに太陽工業と呼ばれる企業の奮闘が記憶される。ドームは空気圧をかけて天井の膜を張っている(空気膜構造)。ところで太陽工業の現在のHPを見ると、膜屋根の様々な工法とメリットが紹介されているが、空気膜構造についてはなぜか紹介されていない。なお空気圧で天井を張る工法(工期の短縮、建設費の削減につながるとのこと)はアメリカのメトロドームの先例(1982年4月開場)があり、それにならったとされる。メトロドームは天井破損の事故が多く、2010年12月には雪の重みで屋根が崩壊する大事故を起こしている。最終的にメトロドームは2013年12月に閉場されその後取り壊された。東京ドームは大丈夫だろうか。海外ではメトロドームのほかにも降雪、強風、落下物などによる、空気膜構造ドームの倒壊事故の数は小規模なものを中心にかなり多い。東京ドームクラスの大型ドームの倒壊はメトロドームが唯一の事例だが、十分な警戒は必要である。
坪内信朗「東京ドームの設計と建築材料の耐久性」『マテリアルライフ』vol.1No.1,Mar.1989,14-20
丹野吉雄「恒久膜構造の黎明」日本膜構造協会2016/06/03
Mason Riddle, Air Domes:Last of a dying breed, Fabric Architecture, Sept.1, 2010
Laurie Wiegler, Tearing into the Metropolis, Scientific American, Jan.20, 2011
Stephen Rhine, Emergencies in Air-Supported Structures, Fire Engineering, July 2018
Maintenance Guidelines of Air-Supported Structures(Hanover Insurance)
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