Entrance for Studies in Finance

米中貿易摩擦(FAANGに影響) 米金利引き上げ(新興国に影響)

2017年1月 トランプ 環太平洋経済連携協定からの離脱表明
2017年4月 トランプ大統領の指示を受けて 米商務省 鉄鋼とアルミについて輸入制限の検討を開始。2018年1月 調査終了。3月に25%、10%の関税を発動(対象日本 中国など EU カナダ メキシコ 韓国 オーストラリア ブラジル アルゼンチンの7ケ国地域について猶予 アルゼンチン オーストラリア ブラジルとは大筋合意 韓国とは3月に鉄鋼を直近の7割に抑制することで合意)
2018年2月5日 パウエル氏 FRB議長就任 利上げ加速観測から世界的な株安。

3月16日 欧州連合 検討中の報復関税品目リスト案公表 3700億円()28億ユーロ)に約25%の報復関税を課す オレンジジュース とうもろこし バーボンウイスキー オートバイ 衣料品など
2018年3月18日 ムニューシン米財務長官 EUで検討されているデジタル課税に反対表明
2018年3月21日 パウエル新議長 FOMC 3け月ぶりの利上げを決定0.25%上げる。FF金利の誘導目標を年1.25-1.50%から1.50-1.75%に引き上げ。中長期的潜在成長率推計を1.8%に据え置き(18年10-12月期経済成長率は2.7%  ホワイトハウスは3%を掲げる)。失業率3.8%.物価上昇率は目標の2%に届いていない(1月で前年同月比1.7% 前月比0.4%)。利上げシナリオ年3回(エコノミストに多い4回説を否定)。
2018年3月22日 通商法301条を発動 知的財産権侵害を理由に中国製品(主にハイテク機器など産業機械 中国の国家戦略=中国製造2025を狙い撃ち 中国の技術などが世界標準となる可能性)に500億ドル相当の中国製品に高関税措置 同時にWTOに知的財産権侵害を提訴の方針 4月4日 中国は106品目 500億ドル相当の大豆や自動車など米国製品に対して25%の報復関税準備を発表 米中貿易戦争(米国は中国による知的財産権の侵害 国家資本主義的産業政策に対抗している)

  3月23日米国が鉄鋼アルミの輸入制限を発動

  → 世界株安へ 米中貿易摩擦を懸念(中国経済減速への懸念も) 鋼材 大豆 トウモロコシなどの価格が下落

  → 中国ZTE中興通讯 スマホ通信機器の生産できなくなる

4月17日 IMF発表の経済見通し 各国地域の成長率(2018年) インド7.4%  中国6.6% 米国2.9%   ユーロ圏2.4%  英国1.9%  日本1.2%  世界全体 3.9%       
2018年4月30日商務省発表 2018年3月 PCE個人消費支出物価指数 前年同月比2%上昇
2018年5月23日 トランプ政権 安全保障を理由に自動車や自動車部品に輸入関税の検討に入ることを発表(通商拡大法232条に基づく調査を大統領が商務長官に指示)現行2.5%を25%に引き上げる案が有力。

6月1日 EUは米国の輸入制限をWTO違反としてWTOへの提訴手続に入る また20日にも28億ユーロ分の報復関税
2018年6月1日 米国は3月に始めた鉄鋼 アルミの追加関税をカナダ メキシコ 欧州連合に拡大 EU WTO(安保を理由にする場合の輸入制限は例外として容認 定義はアイマイ)に提訴 7月から最大28億ユーロ規模の報復関税(WTOがルール違反を認めた場合 さらに36億ユーロの報復勧説) このほかカナダ、メキシコも対抗措置で報復関税 (過去にも1971年8月 ニクソン政権が輸入課徴金の導入表明⇔背景に貿易摩擦 2002年にはブッシュ政権が鉄鋼に最大30%の高関税発動→米国がWTO敗訴で関税撤回)
6月8日から9日 カナダ シャルボアでサミット トランプ トルドーがまとめた首脳宣言を拒否
6月12日 北朝鮮と首脳会談
6月13日 FOMCで利上げ決定 政策金利を1.75-2.00%に引き上げ 先進国の中で唯一 政策金利を2%近辺まで引き上げ(このFRBの姿勢も自国優先主義かもしれない。FRBは米国の金利が世界情勢に与える影響が誇張されていると主張しているが金利引き上げでドル高が進めば、新興国は資金流出+ドル建て債務の負担増で打撃を受ける) また 年間の想定引上げ回数を4回に引き上げ 3月の物価上昇率2% → ドル高・円安へ米金利引き上げ加速 新興国では相次いで金利引き上げ 通貨防衛へ 新興国ではドル建て債務負担増(途上国は通貨安・金利引き上げで成長率急減 とくにアルゼンチン・トルコなど対外債務の大きい国 アルゼンチン・インド・インドネシア・トルコ・ブラジルなど)→新興国からの資金流出 世界経済の減速は米株高を崩す可能性 ・米で利上げ加速の米国内の背景 10年で1.5兆ドルという減税。しかし中国製品への関税は減税効果を帳消しにする可能性。

6月15日 中国に対し500億ドル分 約1300品目に関する関税措置(25%の追加関税 4月の原案より約500品目減らす)を発表 → 米中貿易戦争へ(中国は大豆 トウモロコシ 果物 豚肉など米国産の農畜産品+飛行機 に報復関税)

2018年7月6日 米通商代表部USTR(ライトハイザー代表) 知的財産権侵害を名目(ハイテク分野の覇権争いの側面)公聴会を経て確定した 340億ドル相当の中国製品 818品目への制裁関税活動(中国以外から調達しにくい製品=特定製品を除外措置 10月9日まで企業からの申請を受けつける)依然米中双方の経済に深刻な影響が及ぶ懸念 → 中国では大豆などの食品に対抗して追加関税。残りの160億ドル分284品目についても公聴会を経て確定後 実施へ

7月6日 340億ドル分の中国製品(産業機械 電子部品など)に25%の追加関税をかける第一弾の制裁措置を発動

7月19日 CNBCテレビノインタビューでFRBの利上げに不満を表明。

2018年7月25日 トランプ大統領とユンケル欧州委員長 首脳会談で工業製品の関税撤廃などの貿易交渉入りで合意(9月から高官級の作業部会開始)

8月23日 160億ドルを対象に第二弾(半導体 プラスチック製品 ゴム製品 化学品 鉄道車両・部品など)に踏み切る(第三弾2000億ドル:食料品・革製品なども用意 税率25% 合計で2500億ドル 中国からの年間輸入額の半分 9月に発動) 中国は古紙 自働車 銅くず アルミくず などに25%上乗せ

8月 中国 報復関税リストにLNG 25%関税(8月3日第三弾として5207品目 600億ドル分を用意 LNGに25% 航空機に5%など 総額1100億ドルは米国からの輸入額1300億ドルの8割) → 米を直撃

→ 報復含め経済成長率にマイナス 企業心理の悪化 世界的サプライチェーンの崩壊生産性の低下

→ 中国側 債務削減(2017年末でGDP比率250%超え)よりインフラ投資継続へ(将来の停滞)

欧州連合に加え メキシコ カナダ 日本との間で通商協議 北米自由貿易協定のNAFTAの再交渉

8月27日 NAFTA再交渉 米国メキシコ合意 域内で部品調達比率を75%以上に引き上げる 日本や中国の部材は使用困難に 6年ごとに見直し サンセットは採用せず

8月31日 NAFTA再交渉 米国カナダ合意できず 9月19日再開 貿易関連法により9月末までに詳細公開の義務 カナダは輸出の76%がアメリカ向け 2019年に総選挙を控えるトルドー政権は妥協できない 仮にカナダがNAFTA離脱すると大混乱担う 原産地規則の強化にはおおむね賛成 5年ごとの更新定めたサンセット条項に抵抗

9月17日第三弾 食料品や家電2000億ドル分に10%上乗せ 9月24日発動へ(中国は木材やLNG 食糧品家電かばん 消費者に身近な商品含む 5ないし10%上乗せ 米国内にインフレ圧力観測 結果として「消費落ち込めば米国経済にもマイナス サプライチェーン網に打撃 米中とも双方の輸出額が減ることに 中国の対米投資も減少 米ハイテク企業買収されるよりはベターとの判断)

問題は米国が仕掛けるこの貿易戦争の影響である。保護主義的動きから景気悪化に向かうことを懸念する声がある。

米国の株高を支えてきたのはFAANGなどハイテク株(割高感がすでにある)。GAFAという言い方もある。独自の経済圏の頂点に立つプラットフォーマー(基盤提供者)。事実上の参入障壁の存在。高い収益性と成長力。

 株式に対する弱気はパッシブファンドへの資金流入の減少(あるいは流出)に現れる。指数の伸びを支えているのは、FAANGなどハイテク株だとされる。株高への信頼の低下はパッシブファンドへの資金流入を鈍らせ、流出さえ招く。

米中摩擦は、このアップルやアマゾンなどのIT機器(スマホ パソコン サーバー AIスピーカーなど)の受託製造を直撃して、米国IT企業に打撃となるという指摘がある。他方、ハイテク株は割高で値崩れしやすくなているほか、それぞれ問題も抱えている。トランプの一撃はFAANGの躓きの始まりとなる可能性もある。

日本企業は中国生産見なおし米国の生産の拡張・新設進める

フェイスブックは外部企業による会員情報不正利用の表面化(2018年3月 広告主離れが懸念される)、個人情報規制の強化された欧州で利用者が減少(米国でも規制強化の可能性)。ニセニュース対策の監視要員増員、データセンターなどのインフラ投資が増えて営業利益率は40%台から30%台に低下する見込みという。アマゾンはクラウドや広告事業で安定して利益を稼ぎ最高益を更新しているが、システム投資、物流への投資は拡大しているが納入メーカーから今協力金を徴収することで賄っている(2015年2月末から2018年2月23日で株価は3.5倍)。またプライム会員制度を収益源として育ててゆく方針。アップルは2017年11月に発売を開始した、iPhoneXの販売が失速。在庫が増えて在庫回転日数が大きく増えているとされる。アップルの好調への不安が高まっているが、アップルはそこでアプリ販売を収益の柱として強化する方針。動画配信ネットフリックスは契約者の伸びが市場予想を下回ったとのこと。グーグルの持ち株会社アルファベット(2015年2月末から2018年2月23日で株価は2倍)はEUからアンドロイドを使う端末で自社の検索サービスなどを不当に優遇しているとしてEU競争法違反として制裁金を課せられた(7月18日 43.4億ユーロ=5600億円)。これが減益要因になった。これらはまさにハイテク領域。まさにこの領域で米国と中国がぶつかっている、それが貿易摩擦にあらわれているのではないだろうか。トランプはハイテク領域での中国の躍進を、関税引上げという力技で止めようとしているように見える。

2018年9月20日 日銀総裁記者会見 長短金利操作付き量的質的金融緩和のもとで金融市場を調節するこれまでの方針の維持を賛成多数で決定した
2018年9月26日 米連邦準備制度理事会FRBはFOMC米連邦公開市場委員会で3ケ月ぶりの利上げを決定。FF金地の誘導目標を0.25%引き上げて年2.00~2.25%とする。2%超えるのは2008年以来ほぼ10年ぶり。今後の見通し。年内に1回。2019年に3回利上げの見通しも発表。2020年に1回。2021年はゼロ。国内景気動向に自信。利上げに踏み込めない日欧と対照的。

2018年10月4日 3日の上昇のあと米株式市場反落 下げ幅3ケ月ぶりの大きさ 米経済の好調(賃上げ)→(利上げ圧力)米長期金利の急上昇 10月5日一時3.24% 7年5ケ月ぶりの高水準(同日朝の48年ぶりの低い失業率が背景)⇒ 国際的な暴落へ

 2018年10月11日(木) 米株式市場3日続落 7月23日以来の安値 アルゴリズム取引による機械的な売り 午後VIX指数が急上昇一時28超えた(株式売りを招く)
10月11日 トランプ大統領がFRB批判 株安の責任はFRBにあると。
10月12日 NY株 ダウ4ぶりに反発 アマゾン アルファベットなど大手IT銘柄はなお下落

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2018-10-12更新

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