Entrance for Studies in Finance

梁振英が香港行政長官に就任(2012年7月)

 2012年7月(返還15周年の節目に) 香港政府のトップに親中派の梁振英(対立候補の唐英年は父親が江沢民と近く太子党系 梁氏は共産主義青年団に近いとも)が選ばれて(3月25日投票 方法は38の職能別団体の代表である選挙委員計1200人による間接選挙 2017年に普通選挙への移行が議論されている 2007年末に全国人民代表大会が2017年には実施してもよいと決定)行政長官に就任した。

香港株式市場について
 中国への投資資金の受け皿となっている。(香港交易所が香港証券取引所を運営)
 上海市場に比べて外国人の動向の影響うけやすい 海外市場の混乱・株価水準など 欧州あるいは東南アジア など
また個人投資家に解禁される前から中国当局の目をくぐって人民元も香港に流入している(香港在住の知人を経由 あるいは香港現地法人を窓口にするなど)。背景には重複上場株の割安感がある。
 なお上海市場は、現在でも海外資金による売買が制限されている(例外を除くとファンドを通じての投資になる)。

中国復帰後の年譜
1997年7月1日 中国に復帰
2003年春 新型肺炎 SARSで観光客激減
2003年6月 中国政府香港と経済緊密化協定調印
2003年7月 中国政府 本土住民に香港への個人旅行解禁
2007年1月 香港ドルと人民元の価値が逆転
2007年1-3月 コンテナの取扱量で上海に抜かれる  
2007年5月 中国では銀行を通じて個人投資家が香港株を一部購入できる制度が導入された
2007年7月 深圳と香港を結ぶ新大橋が開通
2007年8月 中国政府は個人投資家の香港株解禁を発表した
2007年末には香港市場の時価総額に占める中国本土系銘柄の割合は6割に達した 
したがって中国の政策に大きな影響を受ける
参照 中国の経済と株式市場 2006年ー2007年
2011年6月末 上場企業数は1448社 時価総額21兆香港ドル(約210兆円) 世界7位
中国証券市場略年譜(1976-2011)

香港市場は海外企業の上場誘致に成功している
 2011年5月25日 スイスの資源商社グレンコアが上場
 2011年6月16日 米サムソナイトが上場 最大117億香港ドル、1230億円調達
 2011年6月24日 イタリアのプラダが香港で新規上場 最大203億香港ドル、2100億円調達
 2011年内に米コーチ(NYSEにすでに上場)も重複上場を目指すとのこと(2011年6月段階の報道)
規模を支えるため巨額のシステム投資をしている
上海取引所 深圳取引所 との提携交渉が進んでいるとのこと(2011年8月)3証券取引所の合計時価総額は500兆円を超える

ハンセン指数 恒生指数が算出している 48銘柄 現在は半分が中国企業 残りは英国系企業 香港の地場有力企業など
香港市場全体の4割
 2011年9月21日現在は46銘柄

H株指数 大企業の香港ドル建て株式40銘柄で構成 中国企業40銘柄で構成(構成銘柄の多くが上海市場に重複上場)
2012年9月5日9010 年初来安値を更新 年初からの下落率は9% 外国投資家の中国株への見方を反映
欧州連合は中国企業にとってアメリカとならぶ主要輸出先のため中国株は欧州連合の景気悪化の影響を受けている
ハンセン指数が昨年末を上回っているのに比べ不振明らか
 2011年9月21日現在は40銘柄
中国工商銀行などの国有銀行3行 石油・保険の大手企業5社(中国石油天然気など)で指数の4割強 重厚長大企業が多い特徴

香港ドルは米ドルと連動する事実上のペッグ制 そのため米ドル高となると香港ドル建て資産が割高となり香港株は売られやすい

レッドチップ指数 中国政府系資本が入っているが中国以外で登記された企業。要するに香港で上場するため本社を香港で登記した
中国本土株。
 2011年9月21日現在は25銘柄
 中国移動(チャイナモバイル)
 中国海洋石油(CNOOC)
 聯想集団(レノボ)

2008年12月 中国人民銀行利下げ
2012年4月16日 中国人民銀行が人民元のドルに対する変動幅を従来の0.5%から1%に拡大
2012年6月15日 香港取引所 ロンドン金属取引所(非鉄金属取引で世界最大)買収を発表 13億8800万ポンド(約1700億円)
2012年5月12日 中国人民銀行 18日からの預金準備率引き下げを発表 2011年12月と2012年2月にも準備率引き下げ

主な上場銘柄
中国建設銀行(2005年10月に香港上場 資金調達額は92億ドル) 中国銀行(2006年6月1日 香港に上場 資金調達額は97億ドル) 中国工商銀行(2006年後半に香港に上場) 中国農業銀行(2010年7月香港にも上場) 中国本土系銀行
中国の大手石油株 中国石油天然気など
中国の不動産大手(万科企業)
華潤創業
恒安国際集団
金沙中国
パソコン大手のレノボ
代表的内需関連銘柄 金威ビール
香港の不動産大手(長江実業集団 会長 李嘉誠:香港の超人 時価総額2500億香港ドル 世界最大の華人企業とされる 傘下に海外事業を担うハチソン・ワンポア 香港の電力会社香港電灯 など)
新世界発展
常基兆業地産
九龍倉集団
恒基地産
新鴻基地産発展
香港の商社(利豊 リーフォン 主要輸出先はアメリカ 時価総額1400億香港ドル 2010年にセブンイレブンと業務提携 サンリオに資本参加)
英金融大手系HSBCの株価 欧州の債務問題を反映 欧州事業の比重高い ハンセン指数に占める比重は15%超とも

香港ドル
香港ドル 米ドルと連動するペッグ制
1983年以来約30年続く通貨制度
民間の3銀行が中央銀行に相当する香港金融管理局に預けた米ドルに見合う量を発行
1米ドル 7.8香港ドルを中心値に7.75-7.85香港ドルの変動幅
小幅ながら変動余地
株価上昇 ⇒ 資金流入 香港ドルは高値に
株価下落 ⇒ 資金流出 香港ドルは安値に
金融政策の裁量余地なく輸入インフレや資産バブル対策が限られる。
(インフレ 資産バブル之原因ともされている:2012年6月12日に発表された任志剛香港金融管理局HKMA前総裁の論文)
複数の通貨と連動するバスケット制 変動幅の拡大などが検討課題

貧富格差が激しい香港
2011年4月 香港トマカオの政府は市民全員に現金支給を決めた 低所得層のインフレへの不満をかわす狙い 潤沢な財政が背景
 香港:2011年度内に永久権をもつ満18歳以上の市民全員約610万人に一人6000香港ドル(6万6000円)を支給 予算は約370億香港ドル
 マカオは4年連続の支出 2011年後半に永住権保有者には3000パタカ(3万2000円)永住権を持たない保有者にも1800パタカを支給。すでに年前半に永住権保有者には4000パタカを支給すみで合計は7000パタカ。
2011年5月1日 時給38香港ドル(約300円)の最低賃金制度導入される 背景には激しい貧富格差 ジニ係数は0.434は国際的にみて高い(2009年の国連開発計画の発表数値) 0.3-0.4が標準 香港では2006年には0.533まで上昇したことも もともと香港はジニ係数が高い 1980年代後半も0.45以上。

証券市場論 前期 証券市場論 後期 現代の証券市場 証券市場論教材
財務管理論 前期 財務管理論 後期 金融システム論 財務管理論教材

Area Studies Business Models Business Strategies 
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Area Studies」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事