REITとは不動産投資の側面を持つ金融商品であり、J-REITと「投資信託のREIT」に大きく分類されます。
投資信託のREITは月々3,000円程度から購入できる、NISA対応の商品を購入すれば税金がかからないなどのメリットがあり、ネット証券を利用すれば簡単に購入することが可能です。
投資信託のREITの3つのメリットをご紹介しましょう。
そもそもREITとは?
投資信託のREITのメリットをご紹介する前に、REITをわかりやすく簡単に解説します。
REITとは、不動産投資の側面を持つ金融商品であり、株と同じく安いときに買って高いときに売れば儲かります。
REITは、大きく「J-REIT」と「投資信託のREIT」に分類されます。
J-REITとは、不動産投資を専門とする投資法人が発行するREITであり、証券会社などで5万円程度から購入できます。
投資家がJ-REITを購入すれば、その代金を受け取った投資法人はオフィスビルなどの不動産を購入し、賃貸するなどして利益を得ようと努力します。
利益を得れば投資家に分配金を支払い、支払われる分配金が多いほどそのJ-REITは値上がりし、値上がりしたJ-REITは証券会社などを通して他の投資家に売却することが可能です。
一方、投資信託のREITとは、投資を専門とする資産運用会社が発行するREITであり、証券会社などで月々3,000円程度から購入できます。
投資家が投資信託のREITを購入すれば、その代金を受け取った資産運用会社は不動産に関する金融商品の売買を繰り返し、利益を得ようと努力します。
利益を得れば、得た利益でさらに不動産に関する金融商品を買い足し、より多くの利益を得ようと努力します。
利益が多いほどその投資信託のREITは大きく値上がりし、値上がりしたREITは証券会社などを通して発行元に換金を請求することが可能です。
そして、REITのメリットは「J-REIT」と「投資信託のREIT」によって大きく異なりますが、本記事では「投資信託のREIT」の3つのメリットをご紹介します。

メリット1. 積立投資であれば月々3,000円程度から購入できる
投資信託のREITの1つめのメリットは、積立投資であれば月々3,000円程度から購入できることです。
REITは金融商品だけにまとまった資金がなければ購入できないというイメージがありますが、投資信託のREITには該当しません。
投資信託のREITは証券会社にもよりますが、月々3,000円程度から購入することが可能です。
月々3,000円などで金融商品を購入することを「積立投資」などと呼びます。
ただし、積立投資で投資信託のREITを購入する場合は、5年や10年など長期にわたり購入し続けることを前提としてください。
そうすれば、複利の効果により得られる利益が雪だるま式に増えます。
複利とは、得た利益を元本に加えつつ投資を続け、より多くの利益を得ることです。
投資信託のREITの利回りは、商品によって異なるものの概ね5%程度です。
投資信託の利回りとは、投資をすることによって得られる利益の目安であり、数値が高いほど大きく儲かる可能性があることを意味します。
月々3,000円の積立投資で利回りが5%であれば、1年間後に換金をすることにより得られる利益はわずか1,000円程度です。
しかし、得られる利益でさらにREITを買い足しつつ積立投資を続ければ、5年後には換金をすることにより得られる利益が2万4,000円程度まで増えます。
その利益でさらにREITを買い足しつつ積立投資を続ければ、10年後には換金をすることにより得られる利益が10万円程度まで増えます。
これが複利の効果であり、月々3,000円程度の積立投資で投資信託のREITを購入する場合は、長期にわたり投資を続けることを目標としてください。
メリット2. NISAに対応したREITを購入すれば税金がかからない
投資信託のREITの2つめのメリットは、NISAに対応した商品を購入すれば所得税や住民税などの税金がかからないという点です。
先にご紹介したとおり、投資信託のREITは長期間投資を続けることにより大きな利益を得られますが、得た利益には所得税や住民税が課されます。
たとえば、得た利益が10万円であれば、課される所得税と住民税の額は2万円程度です。
しかし、投資信託のREITにはNISAに対応した商品があり、それを購入すれば、一定の条件を満たすことにより所得税も住民税も課されません。
筆者がこの記事を作成する2024年8月の時点において、NISAに対応した投資信託のREITは以下のとおりです。
- 日本株式・Jリートバランスファンド
- ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート)【愛称:ファンドパック5】
- ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)【愛称:ファンドパック日本】
- NZAM・ベータ 日本2資産(株式+REIT)
- NZAM・ベータ 米国2資産(株式+REIT)
- NZAM・ベータ 先進国2資産(株式+REIT)
なお、NISAに対応した投資信託のREITは、NISAに対応していない投資信託のREITより利回りが低い傾向があるため留意してください。
つまり、NISAに対応した投資信託のREITは非課税であるものの、NISA非対応の投資信託のREITほどは儲からない可能性があるというわけです。
ちなみに、私が運営するサイト「誰でもわかる不動産売買」では、REITの20を超えるデメリットを解説するコンテンツ「REITはやめとけといわれる理由。破綻や繰上償還などてんこ盛り」を公開中です。
同記事では、投資信託のREITは資産運用会社が販売を中止することがあるなど、様々なデメリットをご紹介しています。
投資信託のREITの購入を希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
メリット3. ネット証券であれば、投資信託のREITは気軽に購入できる
投資信託のREITの3つめのメリットは、ネット証券であれば誰でも気軽に購入できるという点です。
ネット証券とは、インターネットで売買の手続きが全て完了する証券会社であり、楽天証券やSBI証券などが挙げられます。
ネット証券で投資信託のREITを購入する際は、まずは、証券会社のホームページで口座を開設します。
つぎに、最寄りの銀行や郵便局から、開設した口座に投資信託のREITの購入代金を振り込みます。
最後に、証券会社のホームページで投資信託のREITを購入します。
その代金は、開設した口座に振り込んだ金銭を以て決済されます。
以上で「投資信託のREIT」のメリットの解説の完了です。
なお、本記事では「投資信託のREITは月々3,000円程度から購入できる」とご紹介しましたが、証券会社の営業所などで購入する場合は、月々1万円などもう少し高額な投資を求められる場合があるため注意してください。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。