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田舎は固定資産税が安いって本当!?その真相を解説

2024年12月25日 | 固定資産税

ネットで田舎の不動産に関することを調べると「ビックリするくらい固定資産税が安い」などと書かれています。

これは間違いではありませんが、正しいともいえません。

田舎の不動産の固定資産税が安いか否か、その真相を解説しましょう。

田舎の不動産は、固定資産税が安いとは限らない

はじめに、固定資産税は建物と土地にそれぞれ課されることを知ってください。

建物を所有すると建物を所有することに、土地を所有すると土地を所有することに対して固定資産税が課されるといった具合です。

よって、一軒家など建物と土地が一対になった不動産を所有すると、建物と土地にそれぞれ固定資産税が課されることとなります。

これは、田舎の不動産、都会の不動産を問いません。

そして、土地の固定資産税は、田舎の方が安くなります。

一方、建物の固定資産税は、田舎も都会もほぼ変わりません。

使用されている建材や設備のグレード、構造、床面積、築年数が同じであれば、固定資産税は田舎も都会もほぼ同じです。

たとえば、同じ建物が田舎と都会にあったとしましょう。

それらの建物は、建てられている土地の形状、接する道路の広さも変わりません。

であれば、それらの建物の固定資産税は、ほぼ同じとなります。

固定資産税は、田舎だからといって安いとは限らない

つづいて、田舎の土地の固定資産税が安い理由と、田舎の建物と都会の建物の固定資産税がほぼ同じ理由をわかりやすく簡単に解説しましょう。

ちなみに、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」では、田舎の一軒家や土地の固定資産税の目安を解説する記事を公開中です。

田舎の不動産の固定資産税にご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

田舎の土地の固定資産税が安いのは、ズバリ「土地が安いから」

土地の固定資産税は、極一部の例外を除き、都会より田舎の方が安くなります。

その理由は、田舎の土地は売買価格が安いことが挙げられます。

固定資産税は、対象となる資産の時価を基に税額を計算するという概念があり、時価が高い資産ほど税額が高くなります。

土地の時価とは「その土地の現時点における売買価格」です。

都会の土地は「駅や学校、病院などから近くて便利」などの理由で高く売買されます。

一方、田舎の土地は「駅や学校、病院などから遠くて不便」などの理由で安く売買されます。

すなわち、田舎の土地は、都会の土地より時価が低いというわけです。

先述のとおり、固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算し、時価が高い資産ほど税額が高くなります。

よって、時価が低い田舎の土地は、時価が高い都会の土地より固定資産税が安くなります。

田舎の土地は、時価が低いから固定資産税が安い

つづいて、建物の固定資産税が都会も田舎もほぼ変わらない理由をわかりやすく簡単に解説しましょう。

田舎の建物の固定資産税が都会と変わらないのは、ズバリ「固定資産税はそういうものだから」

田舎の建物の固定資産税は、都会の建物の固定資産税とほぼ同じです。

その理由は、こう言っては身も蓋もありませんが「固定資産税はそういうものだから」となります。

繰り返しになりますが、固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算するという概念があり、時価が高い資産ほど税額が高くなります。

建物の時価とは、「その建物を取得(購入)するために必要となる費用」を指すはずです。

田舎の建物は、多くの場合は都会より安く取得することが可能です。

たとえば、同じ建物を東京23区内と田舎で新築するとしましょう。

それらの建物を建てる土地の形状や接する道路の広さは同じです。

であれば、人件費が安い田舎の方が安く新築できるはずです。

これは、田舎の方が建物の時価が低いことを意味します。

であれば、田舎の建物は都会の建物より固定資産税が安くなるはずですが、大差ありません。

建物の固定資産税は、田舎も都会もほぼ変わらない

建物の固定資産税が田舎も都会も変わらない理由は、建物の固定資産税を計算する仕組みにあります。

先述のとおり、固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算しますが、正確には「市町村が評価したその資産の時価」を基に税額を計算します。

すなわち、建物の固定資産税は「市町村が評価したその建物の時価」を基に税額を計算するというわけです。

具体的には、「市町村が評価したその建物の時価」に、「市町村が設定した固定資産税の税率」を掛け算しつつ計算します。

建物の固定資産税を計算する仕組み

したがって、市町村が「その建物の時価」を評価する方法が重要となりますが、田舎の建物も都会の建物もほぼ同じ方法で評価されます。

これを理由に、建物の固定資産税は、田舎も都会もほぼ変わりません。

田舎の固定資産税は、安いとは限らない

ただし、「市町村が評価したその建物の時価」は、最終的には、その建物が所在する市町村の物価水準に応じて微調整されます。

あくまで「微調整」であり、大きく調整されるわけではありません。

その差はせいぜい5%~10%であり、都会の建物を100%とすると、田舎の建物は95%や90%などに調整される程度です。

これを理由に、田舎の建物は、都会の建物の95%や90%まで固定資産税が安くなることがありますが、5%や10%では大差ありません。

また、「市町村が設定した固定資産税の税率」は、田舎の方が高くなる傾向があります。

例を挙げると、財政が潤沢な東京23区では1.4%であるのに対し、財政難の田舎では1.5%や1.6%に設定されるといった具合です。

よって、「市町村が評価したその建物の時価」が95%や90%に微調整されても、結果として固定資産税は変わらないことも珍しくありません。

やはり、建物の固定資産税は、田舎も都会もほぼ同じなのです。

それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。

田舎の一軒家の固定資産税の平均はいくら?安くない現状を解説


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