マンションと戸建ては、どちらが固定資産税が高いでしょうか。
その答えは「マンションの方が固定資産税が高い傾向があるが、住宅の種類で固定資産税を比較することはできない」となります。
マンションと戸建ては、どちらが固定資産税が高いか解説しましょう。
マンションと戸建ては、どちらが固定資産税が高いとはいえない
マンションと戸建ては、マンションの方が固定資産税が高いといわれ、実際にマンションの方が税額が高い傾向があります。
しかし、あくまで「傾向がある」に留まり、必ずしもマンションの方が固定資産税が高くなるとは限りません。
物件によっては、戸建ての方が固定資産税が高くなります。
その理由は、固定資産税の概念にあります。
固定資産税は、対象となる資産の時価を基に税額を計算し、時価に応じた税額が課され、時価が高い資産ほど税額が高くなります。
よって、戸建てより時価が高いマンションは、戸建てより固定資産税が高くなりますが、戸建てより時価が低いマンションは、戸建てより固定資産税が安くなります。
たとえば、時価が3,000万円のマンションと、時価が1,000万円の戸建てがあったとしましょう。
であれば、間違いなく時価が3,000万円のマンションの方が固定資産税が高くなります。
反対に、時価が3,000万円の戸建てと、時価が1,000万円のマンションがあったとしましょう。
であれば、間違いなく時価が3,000万円の戸建ての方が固定資産税が高くなります。
つまり、マンションと戸建てという住宅の種類だけでは、どちらが固定資産税が高いと断言できないというわけです。
とはいうものの、多くのマンションは、戸建てより固定資産税が高くなるのが通例です。
なぜマンションの固定資産税は、戸建てより高くなることが多いのでしょうか。
つづいて、その理由を解説しましょう。
マンションの固定資産税が戸建てより高い傾向があるのは、構造と建築費が理由
多くのマンションの固定資産税が戸建てより高くなるのは、構造と建築費の違いによるものです。
マンションの多くは鉄筋コンクリート造ですが、国土交通省が公表する建築着工統計によれば、令和元年におけるその構造の1㎡あたりの標準的な建築費は約28万円とのことです。
一方、戸建ての多くは木造ですが、同じく建築着工統計によれば、令和元年におけるその構造の1㎡あたりの標準的な建築費は約17万万円とのことです。
鉄筋コンクリート造の標準的な建築費を基に、戸内の床面積が70㎡の鉄筋コンクリート造のマンションの一戸部分の建築費を概算すると1,960万円 です。
木造の標準的な建築費を基に、床面積が70㎡の木造の戸建ての建築費を計算すると1,190万円 となります。
これは、鉄筋コンクリート造は、木造より建築費が高いことを意味します。
28万円(1㎡あたりの標準的な建築費)×70㎡(戸内の床面積)=1,960万円
木造(床面積が70㎡)の戸建ての建築費の概算例
17万円(1㎡あたりの標準的な建築費)×70㎡(床面積)=1,190万円
建物の建築費は、その時価と考えることができます。
すなわち、主に鉄筋コンクリート造であるマンションは、主に木造である戸建てより、多くの場合は時価が高くなる というわけです。
固定資産税は、対象となる資産の時価を基に税額を計算し、時価が高い資産ほど税額が高くなります。
これを理由に、多くのマンションは、戸建てより固定資産税が高くなります。
また、鉄筋コンクリート造は木造より耐久性に優れているため、時価が下がりにくいという特徴があります。
時価が下がりにくいということは、時価を基に計算する固定資産税も下がりにくいということです。
これを理由に、鉄筋コンクリート造のマンションは、木造の戸建てより固定資産税が下がるのに年数がかかります。
鉄筋コンクリート造や木造の固定資産税が何年で下がるかは、私が運営するサイト「固定資産税をパパッと解説」にてわかりやすく解説中です。
マンションや戸建ての固定資産税が何年で下がるかご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。不動産のあいうえおでした。