1泊 2日の滞在を終えて、
日本の豪華客船 = パシフィックビーナスは
サンクトペテルブルグを出航します。
巨大な船体が岸壁を離れ、
風景の一部となっていた華麗な姿が、
1枚の絵から抜け出るように静かに動き出しました。
改めてデッキからこの街を眺めると、
ネヴァ川が大動脈であることがよくわかります。
重要な建物の多くが、この川から望めます。
船は、歩調よりゆっくりとしたスピードで街を離れていきます。
取り巻くようなデッキを歩けば、
船が動いていることさえ気づかない ・・
散策がまだ続いているような錯覚に陥ります。
余韻と水を切る音が心地よい出航のひと時 ・・
最後に、もう一度噛み締める時間を与えてくれる旅 ・・
それが船旅です。
Alexander Pushkin
アレクサンドル・プーシキン (1799年ー1837年)
サンクトペテルブルグを 『ヨーロッパに向かって開かれた窓』 ・・
と喩えたロシアを代表する詩人 ・・
帝政ロシア栄華の時代を生きたプーシキンは、
こんな詩を残しています。
『我々がヨーロッパへ窓を開け
海辺にしっかりと足を踏まえて立つのはここだ
やがて色とりどりの旗をかざした客人たちが
未知の波濤を越えてここにやってくる
私は愛する
ピョートルの創れるものよ
力に満ちたネヴァの流れを
その岸の御影石を
ピョートルの街よ、美しくあれ
ゆるぎなく立て、ロシアのように』
叙事詩 「青銅の騎士」 (1833年) より
パシフィックビーナスは、
次の寄港地 デンマークの首都 = コペンハーゲンを目指します。
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