高野山 真言宗 総本山
金剛峯寺(公式ウェブサイト)
重厚な山門を入ると、
本坊 ・・・
梯子がかかり、
屋根の上に防火用水 ・・・
注:火災の際
類焼を防ぐため屋根に水を撒く。
記憶に新しいところでは
パリの ノートルダム寺院 ・・・
過去 世界中で、
人類が遺した唯一無二の建造物が、
ことごとく火災による
惨禍に晒されてきました。
金剛峯寺も例外ではありません。
焼失 ・・・ そして丹念に再建 ・・・
それを繰り返してきたのが
人類と貴重な遺構の歴史です。
さて、
金剛峯寺本坊の
見どころのひとつは襖絵ですが、
近づいて写真を撮ることは禁止です。
なので、
離れたところから少しだけ ・・・
(日本で最大級といわれる蟠龍庭)
本坊をぐるっと回り込むと、
(囲炉裏の間)
玄関の反対側に、
荘厳さとは無縁の、
生活感のある大きな空間が現れます。
ここは台所。
江戸時代、
真言密教の最高峰である高野山には、
全国から多くの修行僧が
集まりました。
彼らの食事がここでつくられました。
大きなかまどは、
一度に二千人分の米が炊けるとか。
屋根裏は物置き ・・・
宙吊りの棚は食料の保存用。
取り囲んでいる和紙は
ネズミ除けです。
この台所は、昭和50年まで
日常的に使われていました。
いまも特別な行事の際には
ここで食事をつくるそうです。
ちなみに、
この白い紙はしめ縄の代わり。
標高800メートルの高野山では
稲作ができず、
縄の代わりに和紙を使っています。
かつて、
ここが修行僧で
あふれる時代がありました。
(経蔵)
物に定まれる性なし。
人、何ぞ常に悪ならん。
弘法大師の言葉です。
人を善に導くもの ・・・
それは、ゆっくりと時間をかけた
修行なのでしょうか。
Bee Gees
How Deep Is Your Love
愛があらゆることを
解決できるとは思いませんが、
あらゆることが
より悪くなることは防げるでしょう。
JFK-World
修行僧がやはりたくさんいるところです。
でも、最近は、修行がきつく、郷里に帰ってしまう若いお坊様もいると茶店の店主から聞きました。
高野山は、日本一のところですから、そういうこともないと思いますが…。
このブログで何度か紹介している私の知り合いの僧侶は、広告業界から転身しました。
聞けば、約3年間、それはそれはかなり厳しい修行だったそうです。
兵役のない日本では、自分を極限まで追い込む機会はほとんどありません。
高野山を散策していると、時々多くの僧侶が唱和するお経が聞こえてきます。
一心不乱な若い修行僧の姿を想像すると、思わず ”頑張れ” と口ずさんでしまいます。
修行の実態は想像の域を出ませんが、ともあれ彼らが修行の果てに得る達成感は何ものにも代え難いものでしょうね。