政策金利とは?
政策金利とは、
日本銀行(中央銀行)が
経済の安定を
目的として設定する
短期金利のことを
指す。
これは
金融機関の
預金金利や
貸出金利に
大きく影響を
及ぼし、
企業の
資金調達や
個人のローン金利
などに波及する。
日本では、
日本銀行が
「誘導目標金利」
として
この政策金利を調整し、
経済の過熱や停滞を
防ぐ役割を果たす。
*誘導目標金利
日本銀行が景気や物価の
安定を目的として設定
する短期金利。
政策金利の役割
政策金利は、
主に以下の
2つの局面で
調整される。
➀インフレ時の
金利引き上げ
景気が良くなり
物価が急上昇
すると、
経済の過熱を
抑えるために
政策金利を
引き上げる。
金利が上がると、
企業や個人は
借り入れコストが
増えるため、
消費や投資が
抑制され、
結果的に
物価の上昇を
抑える。
➁デフレ時の
金利引き下げ
景気が悪化し、
物価が下がり
続けると、
経済を活性化
させるために
政策金利を
引き下げる。
金利が下がると、
企業は安く資金を
調達でき、
個人もローンを
組みやすくなる
ため、
消費や投資が増え、
経済の回復を促す。
政策金利の動向と投資信託への影響
政策金利の変動は、
投資信託
(特に株式型)にも
影響を与える。
➀ 政策金利
引き上げ時
<初期〜中期>
景気回復による
企業業績の向上が
期待され、
株価は上昇
しやすい。
その結果、
株式に投資する
投資信託の
基準価額も
上昇する。
<最終段階>
金利が
高止まりすると、
企業の
資金調達が
困難になり、
設備投資が
減少する。
個人消費も
冷え込み、
企業の業績が
悪化し、
株価が下落する。
結果として、
投資信託の
基準価額は
マイナスの
影響を受ける。
➁政策金利
引き下げ時
<初期〜中期>
景気悪化による
企業業績の
減速懸念から、
株価は下落
しやすい。
株式に投資する
投資信託の
基準価額は
マイナスの
影響を受ける。
<最終段階>
低金利により、
個人消費が
回復し、
企業業績が
改善する。
企業の
設備投資も
活発化し、
株価が上昇する。
その結果、
投資信託の
基準価額は
プラスの
影響を受ける。
政策金利の変動による企業活動の影響
➀金利引き上げ時
(景気拡大→悪化)
金利上昇が続くと、
資金調達が困難に
なる。
更に
資金不足により、
生産・設備投資が
縮小する。
それ故、
企業業績が悪化し、
株価が下落する。
結果として、
投資信託の
基準価額も
下落する。
➁金利引き下げ時
(景気後退→回復)
金利が下がると、
企業は資金調達が
容易になる。
それ故、
生産・設備投資が
拡大し、
企業業績が
向上する。
結果として、
株価が上昇し、
投資信託の
基準価額も
上昇する。
日銀の利上げとは?
日銀は、
これまで
超低金利政策を
続けてきたが、
最近になって
金利を
引き上げる
動きを見せて
いる。
金利を上げる
ことで、
日本の景気や
市場に
どのような影響が
出るのか?
利上げがもたらす影響
<円高の進行>
金利が上がると、
投資家が日本円を
買うため
円高になる。
しかし、
急激な円高は
日本企業に
とって
マイナスの
影響を
与えることが
ある。
特に
輸出企業は、
円高になると
海外での売上が
減少しやすく
なる。
<国内企業の負担増>
企業は
銀行から
借り入れをして
事業を運営して
いるが、
金利が上がると
借入コストが
増える。
特に
資金繰りが
厳しい
中小企業に
とっては
大きな負担
となる。
<景気の減速>
一般家庭の
住宅ローン
金利も
上がるため、
家計の負担が
増える。
その結果、
消費が減少し、
経済の成長が
鈍化する
可能性が
ある。
米国との関係
米国の金融政策
との関係だが、
米国は、
インフレを
抑えるために
金利を上げて
きたが、
日本の金利が
上がると、
米国との金利差が
縮まり、
為替市場に影響を
与える。
これが
さらなる
円高要因
となり、
日本経済に
悪影響を
与える
可能性がある。
グラフの解説
日銀政策金利と
円ドル相場の推移の
グラフ。
<青線(政策金利>
2023年には
マイナス金利を
解除し、
その後も
利上げを続けて
いる。
<緑線(円ドル相場)>
利上げに伴い、
円が上昇(円高)
していることが
示されている。
結論
政策金利は、
日本経済の安定に
とって非常に
重要な要素である。
日銀が
金利を上げると、
短期的には株価が
上がる事もあるが、
最終的には
企業の資金繰りが
悪化し、
株価下落につながる
リスクがある。
逆に、
金利を下げると、
短期的には株価が
下がることもあるが、
長期的には企業の
業績回復とともに
株価が上昇する
可能性が高まる。
政策金利の動向を
理解し、
それが株式市場や
投資信託に
どのような影響を
与えるのかを
知ることは、
投資を考える上で
非常に重要である。
とはいえ、
日銀の利上げは、
短期的には
円高を招き、
企業や家庭の
負担を増やす
可能性がある。
特に
輸出企業や
中小企業への
影響が懸念され、
景気の冷え込みに
つながる恐れが
あるため、
慎重な対応が
求められる。
<データと資料>