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生体認証、心理状態をAIに推定される時代

2024-08-21 18:28:46 | 日記

広がる顔認証

顔の画像を分析し、その人が

誰なのかを判別する技術が急

速に普及してきた。

 

便利な情報社会を実現する

半面、プライバシーを侵害

する恐れもあり、心の中ま

で見透かされる時代が近づ

いている。

 

支配する材料

人は、

印鑑、

顔写真、

身分証明書、

暗証番号、

など、本人確認のため

に多くの方法を使って

いる。

 

最近はスマートフォン

の操作で暗証番号の

代わりに、

自分の顔の画像

を使う人も多い。

 

このように、自分

であることの証明

は、人類史のいつ

から、なぜ必要に

なったのか?

 

少数の集団で暮らして

いた頃は、互いに顔見

知りで、本人である事

の証明が不要であった。

 

だが、別の集団に移動

すると、自分は誰なの

かを証明する必要が生

じた、

と考えられる。

 

文明誕生で社会構造が

複雑になり、人口も増

えると顔見知りの人間

関係だけでは管理でき

なくなり、契約や取引

等で印章や署名が使わ

れ始めたようである。

 

時が流れて、近代に入る

と、指紋を個人の識別に

使うようになった。

 

その理由だが、指紋は全て

の人で異なり、生涯変わら

ないことが発見されたから

である。

 

指紋を分類して登録してお

けば、身元を短時間で割り

出せるため、犯罪捜査に

大きな威力を発揮した。

 

そんな指紋だが、世界では

いつ頃、指紋の導入が行わ

れたのであろうか?

 

「指紋による個人の識別」

は19世紀末、英国が植民地

のインドを統治するために

初めて導入した、

と言われている。

 

明治薬科大の准教授A氏に

よると、羊飼いや商人など

定住せずに放浪生活を送る

人々を管理するため、使い

始めた、

と言う。

 

A氏は、

「近代の国家は、国民の所

 在を把握して統治するこ

 とを目指してきた。

 

 定住せず移動を繰り返す

 人々には、身体の情報を

 使って管理する新たな手

 段が必要だった」

と指摘する。

 

この事は、現代にも当ては

まるという。

 

21世紀の人類は、活動の舞

台をインターネットに拡張

し、現実とネット空間を行

き来しながら縦横無尽に移

動する存在となった。

 

指紋や顔などの身体データ

を鍵として使えば、現実と

ネットの世界を結びつける

ことができる。

 

生体認証と呼ばれるこうし

た技術がオンライン社会で

普及してきたのは、ある意

味、必然と言えるであろう。

 

顔パスの功罪

生体認証が、世界に浸透した

契機は、2001年の米中枢同時

テロであった。

 

身元を偽り、国境を越えて移

動するテロリストの入国を阻

止するため、各国がパスポー

トに指紋と顔のデータを導入

した。

 

グローバルな時代を迎え、移

動する人々を統制する生体認

証の機能が改めて注目を集め

た形である。

 

生体認証では、

目の虹彩、

静脈の画像、

等も使われるが、最も便利

なのは、

顔認証、

である。

 

顔は1卵生双生児を除けば

千差万別で、衣服に覆われ

ることなく常に外部に晒さ

れており、離れた場所から

でも、歩きながらでも撮影

できる特徴があるからだ。

 

顔認証は

目、

鼻、

口、

の位置などの特徴から個人

を特定する。

 

近年は人工知能(AI)によっ

て精度が向上し、マスクを

着用しても特定が可能と

なった。

 

自分の顔の画像を登録して

おけば、利用時に顔を撮影

するだけで簡単に本人と

確認できる。

 

このため、

スマホ画面のロック解除、

Officeの入退室管理、

空港の出入国審査、

などで世界的に利用が拡大

している。

 

いわば、デジタル時代の

「顔パス」

である。

 

そんな中、財布やスマホを

持たず、手ぶらで顔を撮影

するだけで買い物ができる

サービスも登場しつつある。

 

ただ、懸念もある。

 

暗証番号は変更できるが、顔は

整形手術をしない限り、変更

できない究極の個人情報なので、

漏洩すると取り返しのつかない

リスクを負う。

 

例えば、スマホで盗撮したり、

撮影時に偶然写り込んだ人の

顔を交流サイト(SNS)の写真

などと照合・検索すると、個

人を特定できる場合があり、

位置情報から自分が

いつ、

どこで、

誰、

と行動していたのかまで

勝手に特定されてしまう

恐れがある。

 

このため、国立情報学研究

所の教授は、自分の顔をカ

メラに検出されることを防

ぐ眼鏡型の特殊な器具を開

発した。

 

教授は、

「自分のプライバシーは自

 分で守り、自らコントロ

 ールしていくことが大事

 だ」

と話す。

 

顔は単なる体の一部ではなく、

人間のアイデンティティー

そのものである。

 

だが、最近は若い世代を中心に、

顔認証を利用することに不安を

感じない人が多いという。

 

リスクよりも、デジタル技術の

利便性を優先する生き方とも

いえる。

 

さらに、監視カメラによるプラ

イバシーの侵害も懸念される。

 

世界中の駅や街頭、商業施設など

に膨大なカメラが設置され、不特

定多数の人の顔が撮影されている。

 

それを識別し、様々なデータと紐

づけることで、個人の監視や追跡

を行うことが技術的に可能である。

 

治安の向上に役立っている半面、

撮影した画像を誰がどのように

利用しているのか不透明なケース

も多い。

 

店舗のカメラは防犯だけでなく、

どのような人が何を買ったか、

といった

「顧客分析」

にも利用されることを知らない人

もいるだろう。

 

顔認証の技術が進歩した今日、

知らないうちに顔を撮影される

のは、同意なく指紋を取られる

のと同じ状況と言える。

 

民間シンクタンクの国際社会

経済研究所の主幹研究員は、

「監視カメラの無秩序な利用

 は、プライバシーだけでな

 く、公共空間の移動の自由

 を侵害する。

 

 常に誰かに見られ、匿名性

 が保証されない息苦しい社

 会を招く。

 

 公共の利益と個人の権利の

 バランスが重要だ」

と警鐘を鳴らす。

 

感情の推定も可能

顔認証は、近年さらに進歩し、

心の状態を推測する技術

も開発された。

 

表情や視線などをAIが分析し、

その人の内面の感情や思考、

意図を推定するものである。

 

例えば、米国では、オンラ

インの採用面接を受けた人

の認知能力や協調性を推定

し、適性を判断するのに

使われた。

 

嘘をついているかどうかも

分かるとされ、欧州では国

境での検問で試験的に使わ

れた例がある。

 

中国では、治安目的なので

広く利用されている、

という。

 

だが、人の外観から感情を

推定するのは、科学的な根

拠が希薄で、信頼性が無い

との批判が根強い。

 

表情によって犯罪を行う恐

れがあると判定されれば、

人間の尊厳を侵害しかね

ない。

 

加えて、内心の自由を脅か

す影響も深刻である。

 

AIによる感情の推定が現実と

なれば、気持ちを探られない

ように無表情になったり、無

理に笑顔を作ったりする人が

増えるかもしれない。

 

そういう不安に付け込んで

不要な商品を買わされる

など、思考や行動を操作

される恐れがある。

 

とは言え、人間をデータ化

し、識別する生体技術は、

権力にとって有益な道具で、

国家は、利用を広げたい欲

望に駆られている。

 

例えば、人権を重視する欧州

などでは、

規制の議論

が進んでいるが、

独裁国家では利用が加速し、

体制に批判的な人々の抑圧

や思想統制に使われていく

可能性が否定できない。

 

言うまでもなく、世界の覇権

を狙う中国は、

生体認証、

カメラによる監視、

が最も進んでいるとされる。

 

結局、人類の未来は、心の

中まで見透かされる

「超監視社会」

になってしまうのか?

 

その行方は、台頭する強権

主義に民主主義がどこまで

対抗できるかにかかって

いる、

と考えられる。

 

 <データと資料>

 

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デジタル社会の盲点と危険な依存

2024-08-02 20:53:24 | 日記

驚異的なシステム障害

世界的な大規模システム障害は、

運輸や金融といった基幹インフラ

に打撃を与えたほか、病院や政府

機関にも影響が出て、7/20も一部

で、余波が残ったが、混乱は収束

へと向かった。

 

原因となったセキュリティソフト

を提供する、

「米IT企業クラウドストライク」

は、<前例のない規模>の復旧

作業を急いだ。

 

また、航空情報サイト、

「フライトアウェア」

によると、7/19には世界で4万

便超が遅延し、5千便以上が欠

航した。

 

そんな中、日本国内の空港では

7/20、概ね通常通りの運航に

戻った。

 

そもそも、障害は、米IT大手

マイクロソフト(MS)の基本

ソフト(OS) Windows搭載の

システムで発生した。

 

原因は、クラウドストライクの

「ソフトの更新プログラム上の

 欠陥」

であった。

 

とは言え、今回の大規模障害は、

ITサービスを一握りの企業に

頼る脆弱性をあらわにした。

 

この脆弱性により、

7/26に開幕したパリ五輪の各国

選手団の到着便やユニフォーム

の配送に影響したほか、

米国の一部で緊急通報にも影響

が出た。

 

この混乱で、7/19のニューヨーク

株式市場では、主要な株価指数が

下落し、クラウドストライクの

株価は前日比で11%以上急落した。

 

現在、クラウドストライクの

ソフトは、サイバー攻撃への

先端的な対策とされ、各国の

名だたる大手企業が採用して

いる状況である。

 

その1社である、MSの最高経営

責任者(CEO)は7/19、自身のX

(旧ツイッター)に、

「問題を認識している。

 クラウドストライクや業界

 全体と緊密に連携して、顧

 客のシステムを安全に復旧

 する支援をしている」

と投稿した。

 

大混乱の中、クラウドストライク

は、問題を特定して修正を適用し

たという。

 

とは言え、今後、各社でセキュリ

ティー対策の見直しが進む可能性

が大いにある。

 

クラウドストライク

花形が失墜

「顧客、旅行者等、障害の影響を

 受けたすべての人に深くお詫び

 する」

クラウドストライクの最高経営

責任者(CEO)は、障害発生後の

7/19朝、米NBCテレビに出演し、

やつれた表情で陳謝した。

 

その日のうちに、株価は急落、

2011年の設立から急成長を

遂げた、

「ソフトウェア会の花形」

が失墜した。

 

混乱を招いた今回の障害は

日本時間7/19午後に突然、

始まった。

 

クラウドストライクが

セキュリティソフト、

「ファルコン」

の更新作業を始めた直後、

米マイクロソフト(MS)の

Windowsを搭載したパソ

コンなどに異常が出始め、

画面が青くなり、動作し

なくなる現象が頻発した。

 

特に、航空会社への影響が

顕著であった。

 

要因はサイバー攻撃への

防御力を高めるため、通

常行っている更新作業の

プログラムにバグがあった

ためである。

 

「1回のアップデートが

 世界中の多くのウィン

 ドウズシステムをダウ

 ンさせた」

と、MS関係者は話した。

 

一気に拡大

ファルコンは、パソコンなど

の端末をサイバー攻撃から守る、

「エンドポイントセキュリティ」

と呼ばれる機能を持つ。

 

この機能は、端末の不審な動作や

通信を、クラウドを通じて常時

監視し、被害を最小限に抑える

仕組みである。

 

現在では、当たり前のことだが、

新型コロナウイルスの世界的

な流行以降、外部からVPN

(仮想専用線)機器を使って

システムに接続するリモート

ワークが増えた。

 

この接続の欠陥を狙って、

身代金要求型ウイルス

「ランサムウェア」

などに、感染させるサイバー

攻撃の被害が拡大し、端末側

でのセキュリティ対策を後押

しした。

 

クラウドストライクは、この

波に乗って顧客基盤を拡大、

世界の大企業など3万近くを

抱えるトップクラスのセキュ

リティー企業に成長したので

ある。

 

このように、顧客側が少数の

IT企業への依存を高めたこと

で、障害の規模が一気に拡大

した。

 

本来、サイバー攻撃を防ぐ取り

組みが、逆に攻撃を受けたかの

ような大規模な障害を招く結果

となった。

 

VPNとは?

VPNとは、

「Virtual Private Network」

の略称で、日本語にすると、

「仮想専用通信網」

を意味する。

 

VPNで、インターネットに

接続することを、

「VPN接続」

と言うが、この場合、専用

ネットワークとは言いつつ

も、物理的な専用回線を

持つのではない。

 

「仮想」専用通信網と言う

ように、共用の回線を諸々

の技術によって、仮想的に

独立した専用回線であるか

のように扱うのがVPN接続

である。

 

例えば、共用回線を通常通り

に使うことは、社車が一般道

を通って移動する事と同義で

ある。

 

車が一般道を通る場合、他車

と共有して走るものであるため

コストが割安で済むが、その分、

信号機や踏切といった車の停止

をさせられたり、人身事故と

いったアクシデントに遭遇した

りする。

 

この負の出来事をウイルス攻撃

と考えれば、常にウイルス感染

の可能性が存在しているので

ある。

 

一方で、物理的な専用回線を

引くことは、極秘の私道を

自社用に作り、それを用いて

必要な移動をする事と同義で

ある。

 

これは非常に安全で快適で

あるが、実現するためには

多額のコストが必要となる。

 

そういう意味では、現実的

ではない。

 

これに対して、VPN接続は、

公共の高速道路を自家用車

で移動する事と同義である。

 

高速道路自体は共用のもの

であるが、車内という一定

空間において、そのプライ

バシーやセキュリティは

ある程度確保される。

 

しかも、一般道と違って、

信号機はない上、速度は

ある程度出せるし、人身

事故を起こす可能性は

非常に低いのである。

 

前述したように、信号機

がないこと、人身事故と

いうアクシデントがない

ことは、ウイルス感染の

可能性が小さくなる、と

考えるべきである。

 

勿論、コストも低く抑え

られるので現実味がある。

 

つまり、VPN接続は、物理

的な専用回線を引くよりも、

コストを抑えることができ、

共用回線を普通に使うより

もウイルス感染が少ないため、

安全性を担保できるのである。

 

それ故、VPN接続は、公共の

Wi-Fiを利用する場合や複数の

拠点でLANを接続する場合に、

通信環境の安全性を強化する

目的を最優先にして使用され

るのである。 

 

 

MSクラウド不具合

各国の報道によると、

 

アメリカン航空やデルタ航空

など、米国の大手航空会社は

7/19、通信障害を理由に早朝

から運航を見合わせた。

 

ドイツの空港でも、航空機が

一時発着できなくなったほか、

トルコ航空は80便以上の運航

を取りやめた。

 

アラブ首長国連邦(UAE)の

ドバイ国際空港でも複数の

航空会社のチェックイン

システムに影響した。

 

英国ではエディンバラ空港の

搭乗ゲートに不具合が発生した。

病院では患者の情報にアクセス

できず、診察に影響した。

また、民放スカイニューズ・

テレビの放送が一時中断、という

状況となった。

 

オーストラリアでは、

公共放送ABCのテレビ放送で

一時映像が流せなくなった。

 

インドやシンガポールなどの

アジア諸国でも様々な被害が

出た。

 

不具合の影響は、日本国内にも

拡大した。

 

各地の空港などでは乗客が困惑

する様子が見られた。

 

成田空港では7/19午後、不具合

の影響で搭乗手続き等に関する

システムに障害が発生。

 

成田国際空港会社などによると、

少なくとも航空会社5社の運航に

影響が出た。

 

関西国際空港でも、搭乗手続き

が遅れ、多くの利用客で混み

合った。

 

羽田空港では複数の航空会社の

システムに障害が発生した。

同空港のデルタ航空の出発カウン

ターでは午後6時半過ぎ、ハワイ

・ホノルル行きの便に乗るはず

だった人たちの列ができていた。

 

格安航空会社(LCC)ジェットスター

・ジャパンは、搭乗手続きなどの

システムに障害が生じたと明らか

にした。

 

関空のジェットスターのカウン

ター前ではスタッフからの説明

を待つ客が列を作った。

並んでいた男性は

「便が突然キャンセルになっ

 た。何があったのか分から

 ない」

と途方に暮れていた。

 

日本航空(JAL)でも予約管理シ

ステムに障害が生じた。

国際線では航空券の新規予約

や購入、取り消しなど全ての

サービスが同社サイト上で使

えなくなった。

 

一方、コンビニの大手である

セブンーイレブンやファミリー

マートでは、

全国的にプリペイドカードや

電子ギフトカードを販売しづ

らい状況が発生した。

 

関西ではJR西日本で、午後2時

22分からアプリやホームページ

上で列車の走行位置を確認できる

システムで障害が発生した。

一部エリアで走行位置が確認でき

なくなった。

 

ユニバーサルスタジオジャパン

(USJ)でも午後2時頃から、販売

情報を管理するPOSシステムに

障害が生じ、園内にある9割以上

のレストランや物販店で会計でき

ない状態が続いた。 

 

デジタル化の弱点

米IT企業「クラウドストライク」

のソフトウェアの一瞬のトラブル

が、利用者の多い基本ソフト(OS)

のWindowsを通じて、世界を瞬く

間に混乱に陥れた。

 

その混乱は、各国の航空運航の停止、

病院や行政サービスも滞る事態へと

発展した。

 

史上最大級との指摘もある、今回

のシステム障害は、世界の大企業・

組織が一部のIT企業に依存する、

というデジタル社会の危うさを

露呈する結果を招いた。

 

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