野球小僧

江戸時代の夏

ということで、2023年の夏も猛暑になりそうです。というか、梅雨明け前なのにすでに猛暑になっています。いまとなってはエアコンなしでは夏は一日中スーパーにいるしかない状況です。

地球の気温は暖かい時期と寒い時期を順番に繰り返しながら変動しています。14世紀~19世紀半ばまでは「小氷期」と呼ばれ、江戸時代は平均的に寒い時期だったと言われています。

近年では東京で雪が積もるのは珍しく大ニュースになったりしますが、江戸時代の錦絵には雪景色の風景が数多く描かれていたり、1780年代の書物には浅草川や両国川が結氷したという記述もあるようです。また、歴史(社会科)の授業でも聴いていた(教わった)と思える「寛永の大飢饉(かんえいのだいききん:1642年~1643年)」「享保の大飢饉(きょうほのだいききん:1732年)」「天明の大飢饉(てんめいのだいききん:1782年~1787年)」「天保の大飢饉(てんぽのだいききん:1833年~1839年)」では「冷夏」による影響と考えられています。

ただ、江戸時代の夏がずっと寒かったわけではなく、猛暑の夏があったようで、幕末に米国のペリーさんたちが来たころには猛暑の夏が何度か続いた記録があり、1850年ころに小氷期は終わったと考えられています(諸説あります)が、1850年ころに江戸の街の人口は約114万だったと言われ、このときの人口密度は約23000人/km2と世界有数であり、住居の黒い瓦屋根(かわらやね)の蓄熱で現在の「ヒートアイランド」に似た現象が起こっていたよう、暑い夏だったと想像されています。

しかも、エアコンも扇風機もない時代。

どんなふうに涼をとっていたのか、なかには現代でも利用されている暑さ対策(?)もあります。

そもそも暑い夏は基本的に一番暑い時間帯は働かず、比較的涼しい朝と夕方に働き、日没までには夕食を終えて夕涼みするという暮らしぶりだったようです。これはいまでも暑い東南アジアの国でも似たような感じですよね。以前、シンガポールへ行ったときには日中の街中は人通りは少なく、夕方から夜遅くにかけて一番にぎわっていました。


夏と言えば私の場合はTシャツに短パンです。


江戸時代にはこんなTシャツはなかったでしょう)

夏といえば「浴衣(ゆかた)」ですよね。そもそも、浴衣は平安時代の「湯帷子(ゆかたびら)」が原型といわれ、儀式などで沐浴する際に着用していましたが、江戸時代になるとお風呂上りのあとに羽織るような使い方がされるようになり、さらに、銭湯(湯屋)の帰り、夕涼みなどでくつろぐときにも着られるようになったそうです。

また、「 うちわ(団扇)」。古墳時代に中国から日本に伝わったと言われ、当時は「さしば・さしは(翳)」と言って威厳を正すため、貴人の顔を隠すなどに使われ、室町時代末期ころから一般的にも普及していき、扇いで涼をとったり、炊事の火起こしに使ったり、虫を採るのに使うなど日用品として使われるようになったそうです。そして、手動扇風機のようなものも発明されています。

「すだれ」や「よしず」も一般的に使われるようになっていたそうです。ちなみに、すだれは軒につるして使われ、よしずは主に立てかけて使うものです。

現代のようなガラス製の「風鈴(ふうりん)」は江戸時代からとのことですが、当時はガラスは貴重品で高価でもあり、長崎からガラス職人がやってきてつくったそうで(長崎のガラス細工は有名ですね)、お値段は現代の金額で200万円以上だったらしいです。その後、江戸でガラス細工が盛んになると一般的なお値段になったそうです。

最近は「騒音問題」もあるようで田舎では聞くことが少なくなったような気がします。

さてさて、夏と言えば冷たい飲みものや食べものが欲しくなるのですが、江戸時代には冷えた飲みものが買える自動販売機はなく、アイスクリームや氷を保管する冷蔵庫などももちろんありません。

それでも、「冷水(ひやみず)」と言う「湧き水に砂糖を加え、白玉を浮かべたもの」や、 「甘酒(あまざけ)」が夏の定番の飲みものだったそうです。最近では「冷やし甘酒」なんかをTV CMで見かけますが、そもそも、甘酒は俳句では夏の季語になっているそうです。

ほかにも、「ところてん」「すいか」などを水で冷やして売っていたそうですが、一般的には氷などの冷やすものもなく、実際にどの程度冷たく冷えていたのかはわかりませんが、現代と違ってこういうもので季節を感じていたのでしょうね。

そして、日本の夏と言えば「キンチョウ」ではなく「花火大会」ですよね。

1732年に起きた「享保の大飢饉」と「コレラ流行」を受け、慰霊と悪霊退散を祈願して行われることになった「水神祭」の一環として、1733年から「両国川開き」として花火大会(現在の隅田川花火大会)が開催されました。始めたのは第8代将軍の徳川吉宗さんです。

現代の暑さは異常かも知れませんが、夏が暑いのは当りまえと言えば当りまえ。

「ゆかた」を着て片手で「うちわ」をあおぎ、「すいか」を食べながら遠くの「花火」と「風鈴」の夏の音を聴きながら短い信州の夏を過ごす。

それも夏・・・。

本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。

皆さまにとって、今日という日が昨日よりも特別ないい日でありますようにお祈りいたしております。

また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。

コメント一覧

まっくろくろすけ
eco坊主さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。

持っています。視聴率アップの番宣のために毎週日曜日の朝トレに行くときに、たまに着ています(笑)。

入手はNHKからではなく、以前、久能山東照宮に行ったとき(
https://blog.goo.ne.jp/full-count/e/a4198414842f04afac00298d88efe8ea)に買ったものですが。

さてさて、3連休は猛烈に暑くなる予報ですが、こちらの初日はそれほどでもなく(28℃)、明日が33℃、明後日も33℃、そして連休明けが一番暑い34℃。

一番暑いときには会社で涼むに限ります。ゆかたは着ませんけど・・・。
eco坊主
おはようございます。

あれっ どうする家康の時間帯はイッテQだったですよねyou
っでこのTシャツお持ちなんですか?
もしかして”まっ黒田官兵衛”で出演される為の番宣とか(笑)

風鈴の音が騒音問題となっているんですか?ビックリポン!
エアコンの室外機の音より全然マシ!だと思いますけど・・

>「ゆかた」を着て片手で「うちわ」をあおぎ、「すいか」を食べながら遠くの「花火」と「風鈴」の夏の音
↑いいですね~是非堪能してください。
私も7/29には「甚平」を着て片手で「団扇」をあおぎ、「冷やし胡瓜」を食べながら近くの「花火」と「風鈴」の音で鄙びた海辺の夏を過ごします。

今日もありがとうございました。
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