江戸時代末期。
黒船が来航し開国を要求した。幕府の権力を回復させ外国から日本を守る佐幕派と、天皇を中心に新政権を目指す倒幕派の対立が深まりつつあった激動の時代。武州多摩の「バラガキ(乱暴者、不良少年)」だった土方歳三さんは、「武士になる」という熱い夢を胸に、近藤勇さん、沖田総司さんら同志と共に京都へ向かう。
徳川幕府の後ろ盾のもと、芹沢鴨さんを局長に擁し、市中を警護する新選組を結成。土方さんは副長として類まれな手腕と厳しい法度で組織を統率し、新選組は倒幕派勢力の制圧に八面六臂の活躍を見せるが、時流は倒幕へと傾いていく・・・
剣に生き、剣に死んだ男。
「鬼の土方」と呼ばれ、敵からも味方からも、もっとも恐れられた男の生涯を描いた、司馬遼太郎さんの長編歴史小説「燃えよ剣」。「竜馬がゆく」と並ぶ司馬さんの代表作ともいわれる、幕末物の傑作です。
何度か映画化、TVドラマ化されていますが、岡田准一さん主演で2020年10月15日に映画が公開されます。
一部ニュースなどで岡田さん演じる土方さん本人の現存するお馴染みの肖像写真がそっくりだという話題がありました。
断髪・洋装姿で椅子に座る土方さんは、武州多摩のバラガキから新選組副長の座まで上り詰めましたが、時流は倒幕へと傾き、敗色濃厚な戦いの中で多くの同志を失っていきます。それでも、最後まで武士道を貫くように、刀を強く握りしめ、まっすぐに、「その先」を見つめる表情は有名です。
( 新選組のふるさと歴史館 / 東京都日野市に展示されている、東京都立日野高有志による爪楊枝アートです)
岡田さんは、土方さんという人物像について、「一言では説明しきれない」と語り、この洋装姿の土方さんを演じるにあたり、「写真の雰囲気にどうやったら合わせていけるか、この顔にはどうやったらなっていけるのかというのは、役を作っていくうえですごく大事にしました」「僕らは演じる際に、『その役柄に愛されるかどうか』というのが最後のカギになるのですが、たまに役柄が振り向いてくれるときがあって。撮影の最後の方は、いつも土方さんが微笑んでくれてる感じがしていました」と語っています。
土方さんといえば、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で土方さんを演じた町田啓太さんが話題でしたね(観てはいませんけど)。
歴史では、「勝った方」が「正義」になります。ですから、明治政府に対した新選組はどちらかというと、いわば「悪役」になります。
だが「バラガキ」であった土方さんを初め、それについて行った若者たちは、そこに「誠」を見出して自分の生命を懸けました。もし、私がその時代に生まれていたなら、何を正義と考え、何を悪と考え、何を信じ、どう生きようとしていたのか。そこまで考えなかったかもしれませんが、現代においても、同じことが問われているのではないかと思います。私が新選組が好きなのや、幕末の物語が好きなのは、こういう要因もあります
いつの時代においても、人間社会では時流に翻弄されながら生きることが常だと思います。類稀なる能力を持ちながら時流に翻弄されたものの、それに一喜一憂せず、最後まで筋をとおして生きた土方さん。
「時代を追うな。夢を追え」
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