相変わらずマスクの品薄状態が続く中、日本政府は法律に基づきマスクの買い占めやインターネットでの転売を禁止することなどを盛り込んだ総合対策を取りまとめることになりました。
いまさら感はありますが、マスクの品薄状態が続く中、転売目的でマスクを買い占め、インターネット上で高額で販売されるケースが相次ぎ、医療機関などのマスクが足りなくなっているといった指摘も出ています。マスクや消毒液の転売をめぐっては、インターネット事業を所管する経済産業省が個人からの出品を掲載させないよう、大手オークションサイトの運営事業者に2月28日に協力を要請していましたが、おさまっていません。
安倍晋三首相は3月4日に、「一部の人たちが転売目的で大量に買っていることに、どのような手段で強制力をもって対応できるか、早急に検討している」と述べました。
そして政府は国民生活安定緊急措置法などに基づき、マスクの品薄状態を解消するための総合対策を取りまとめることになりました。同法施行令を3月10日の閣議で改正し、近日中に施行する方針だそうです。同じように品薄が続く消毒液なども、今後品薄が深刻になったと判断すれば、追加での適用も視野に入れ、品薄状態が解消されれば措置をやめるとのことです。違反した場合には罰則を科す方針で、罰則の中身は閣議決定までに詰めるようです。
この、国民生活安定緊急措置法とは、物価の高騰その他の日本経済の異常事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資および国民経済上重要な物資の価格および需給の調整等に関する緊急措置を定め、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的として、1973年の第1次オイルショックによる物価の急激な上昇と、それによって生じた「トイレットペーパー騒動」といった社会不安を受けて制定されたものです。
制定された1973年には適用された事例はありませんでしたが、1974年にトイレットペーパーが指定品目に追加され(法律が制定されてから約2ヶ月後)、標準価格が定められました。また、今回のマスク不足に対して3月3日に第22条第1項の規定(売渡し、輸送又は保管に関する指示等)に基づいて厚生労働大臣により一般家庭用マスクについて売渡の指示があり、本法に基づく売渡指示は制定以来今回初めて実施され、買い取ったマスクは北海道で配布されています。
2020年3月3日には日本政府が北海道などにマスクを配るべく22億円超の予算を拠出することを決定したり、3月4日頃以降には大手スーパーのイオンの一部店舗がトイレットペーパーについて、「お一人様10点まで」という表示を行うなど、私たちを安心させるための方策がニュースになっていますが、私の周辺は相変わらず売っていません。
今回の品薄状況にはさまざまな要因によって発生していると思いますが、普通の人がデマだとわかっていながらも、「念のため」と思って購入している結果も一因だと思います。
そもそもの原因は新型コロナウイルスに対する不安であることは明らかでしょう。
終息がまったく見えない現状に対して、当然のこととして不安解消する行動をします。ただし、対ウイルスという一般の人には手に負えないものに対して、自分の意思で出来ることとして多くの人々が不安を解消すべくマスクを購入してしまうのでしょう。
そして、デマとわかっていて買うこと。品薄情報はデマだとわかっているにも関わらず、デマに影響されて「念のため」購入してしまう行動。これも不安から来るものだと思います。
ただ、他の目的を持っている人も少なからずいることは事実です。今回のような他の人に先んじようとする「抜け駆け購入」のような行動。
でも、商品を手に取ってからちょっと考えて欲しです。その商品を転売している姿を客観的に思い浮かべ、代わりに、「その商品が困っている他の人に渡り、その人が助かっている姿」を思い浮かべてみる。
2011年3月11日に発生した東日本大震災のときのことを思い出してみませんか。
あのころの「思いやりの心」を…