新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中、第92回選抜高等学校野球大会開催の可否を決定する臨時運営委員会が開かれました。
結論は「中止」。
選抜大会出場が決まった多くの高校球児や家族、関係者にとっては晴れ舞台を失ったと思いますし、その落胆感は想像以上のものだと思います。
日本高校野球連盟(日本高野連)と主催者側は当初、通常開催の方針を示していましたが、2月27日に日本政府が大規模イベントの自粛を要請したことなどを受け、3月4日に行われた運営委員会と臨時理事会では「無観客での開催を前提に準備を進め、11日に最終判断を行う」としていました。
実際には世間の反応を伺う意味もあって結論を先延ばしするとともに、情勢の好転も期待していたと思われますが、意に反してこの1週間で情勢は悪化の一途となってしまいました。大体からして、「(感染拡大は)何とか持ちこたえている」というよりも、「感染拡大している」ように見えるのは私だけではないように思えるのですけど。
また、3月9日に日本プロ野球機構(NPB)と日本サッカー協会(Jリーグ)が感染症学の専門家に意見を仰ぐ「第2回新型コロナウイルス対策連絡会議」があり、それぞれ、公式戦再開延期と開幕延期を決めた要因の一つとして、専門家チームが「たとえ無観客試合であっても、時間が足りない」と延期を勧告(その理由は、ウイルスの感染力を示す「基本再生産数」が依然として高水準であること、各球団のマスクやアルコール消毒液の備蓄、体温計測の環境が整いきっていないことなど)したことも判断材料となったともいます。
さらに、日本政府(安倍晋三首相が?)3月10日に全国的なスポーツや文化イベントの開催自粛に関し、おおむね10日間の延長を要請することを決めたことで、選抜大会中止の決定にも影響したものだと思います。
そもそも、日本高野連と主催者が無観客での開催方針を一度示したことは、罪なことだったと思います。「まだ、何も決まっていない」としておけば、変に期待を持たせることはなかったと思うのです。
それでも開催しなくてよかったと思う。日本政府から全国の小中高校などに休校要請が出され、ほかの高校スポーツが軒並み3月~4月の大会を中止する中で、不公平感も個人的にはあります。実施した場合、野球だけ特別扱いをしてしまえば、恐らく反感を生んでしまい、ただでさえ野球人口が減少している中で高校野球離れはさらに進んでしまいかねません。
今回、中止という決定をしたことで、今までインターネット上の反応が、応援メッセージに変わって来ています。中止となったことで、高校野球ファンは増えて行くようにも思います。
また、私は高校野球を甲子園出場を一生に一回の晴れの舞台にしてしまってはいけないと思います。
ここが人生のピークにしてはいけません。人生で輝かなければならない場面は、これからもやってくるはずですから。