ふわりのにちにち ~造園家・野草家の武蔵野の山野草と雑木の庭づくり~

心象風景をかたちに・・ 童心にかえる ふわりの庭
株式会社 風 代表取締役
造園家・野草家 楠耕慈 のブログ

一坪のお色直し

2015-12-09 18:12:52 | ふわりの庭仕事

Before




After




世田谷区粕谷U邸、玄関前の植栽部分のお色直しです。

とても素敵なお家ですが、顔である玄関前のスぺ―スが少し暗いイメージでした。

今回、姫シャラのシンボルツリーはそのままに、カジュアルな茶庭にお色直しさせて頂きました。

苔と石材で格調を、斑入りの植物で明るさを加えました。

















































災害に克つ庭

2015-09-17 20:39:35 | ふわりの庭仕事








この度の水害において被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

当店は栃木県でも庭作りさせて頂いているので、心配しておりましたが、ニュースでは常総市のことばかりでしたので、他の市は大丈夫かと思っていました。

気になって地図を見ても、近くに大きな川が無いところばかりでしたから安心していました。

しかし、その中の小山市のお客様からお電話いただき、50cmの浸水があった事実をお聞きしました。

真夜中に避難指示もあり、その中を非難されたとか・・。

さぞかし恐ろしかったろうと心が痛みました。

先日、様子を見に伺いましたが、近くには床上浸水の家が続く地域も有、家々の前には濡れた畳や家具がうずたかく積まれて、甚大な被害を目の当たりにしました。











二か月前に作らせて頂いた庭は、50cmの浸水に関わらず、大きな被害はありませんでした。

数個の野草が流されてしまったこと、築山の土が流されたこと以外は、木が倒されることも、芝が流される事も無く、ほぼ現状を保っていました。

逆に、芝や野草・苔の無い土が剥き出しの畑、築山の野草の根が張っていない部分は土が多く流されてしまいました。

樹木や野草、芝の根が土壌の流出を防いだことになりますが、施工後二か月余りでここまでの安定感を保てたことに驚きました。

もちろん施工直後や、水の流れが速かったら一たまりも無いかもしれませんが、50cmの浸水に耐えたのは凄い事だと思います。


近年、想定外の災害が続き、台風の威力も増している気がします。

今までの庭作りにプラスアルファ「災害に克つ」事、また、その被害を少しでも小さくする要素が求められます。

「病を通して道を見出す」

庭作りの難しさ、意味を再確認した貴重な機会を頂いたと思っています。


















































ふりむけばカエル  栃木県小山市K邸の庭づくり

2015-07-23 09:25:14 | ふわりの庭仕事










栃木県小山市K邸の庭造りが終わりました。

周囲を水田で囲まれた、自然豊かな環境に建つ素敵なお家です。

お打合せの段階で、ご夫妻の「心象風景」を色々とお聞きし、それをかたちにする作業になりました。

樹木であまり鬱蒼とさせないこと、芝の広場、家庭菜園 真砂土のアプローチ等のご希望を頂きました。

今回は東北の生産者さんが樹木の運搬と植栽、芝と真砂土は造園屋の「和華」さん、「一庭」さんとのチームで挑みました。

それぞれのプロにお願いしますから、作業効率も良く、スムーズに作業が進みました。






Before



After




今回も東北で大切に育てられた樹木と野の花をふんだんに使いました。

5mクラスのコナラ、アオダモ、エゴノキはやはり迫力がありますね。









今回の施主様も本当に素敵なファミリーで、仲良く、こちらまで楽し気な気分にさせて頂きました。

作業中も色々とお気遣いを頂き、スムーズに作業が進みました。


もう一つ、本当に沢山のアマガエルがいるお庭で・・笑。

まさに「振り向けばカエル」状態。

なんだか「良い庭にしといてや~」と言われているようで・・。

カエルさんにも納得いただけたかな?









ふりむけばカエル 矢野顕子















































































心象風景をかたちにすること

2015-06-02 21:41:48 | ふわりの庭仕事








庭を作るという事は、そこに住む方の「心象風景」を形にする事だと思っています。

庭をお作りする前に、簡単なヒアリングシートにご記入いただくのですが、具体的なご要望よりも参考になることがあります。

「心象風景」には、もちろん原風景や育った環境の景色が含まれますが、心の中で作り上げた理想の場所、極端に言えば映画やアニメの景色でも良いと思っています。


先日、鹿児島の住宅メーカーのスタッフ様向けの勉強会をさせて頂いて、益々その思いを強くしたのですが、やはり自分自身の理想の庭の形が無ければ、お客様には伝わらないと思います。

それは、荒涼とした大地に草花を植えていくことではなく、心の中にある種にお水をかけて芽吹きを待つことで、ちょっとした俄雨のようなきっかけがあれば、自然と育つものだと思っています。

少しお話を聞いただけで、おばあちゃんの家の庭にあったザクロの木や、ヨーロッパ映画の中の街の景色と色々と教えて頂きました。

ある男性スタッフは「自分には何もないのですが、草野球の時の土の感触や草の匂いを憶えています」と・・。

いやいや、その体験が素晴らしくて、もしかしたらお客様が無機質な庭を作ろうと考えている際に、「芝生を敷いて、裸足で歩き回ったり、寝そべったりも楽しいですよ!」なんて提案が出来るかもしれません。

ですから、庭作りは、お客様の心に出来るだけ寄り添って、ご提案し、形にする事だと考えます。

お客様に寄り添うという事は、やはり経験や、感受性を育む事が大事で、それだけに奥深く、深遠な世界と言えるかもしれません。



本日は保育園の園庭の庭作りのお打合せで町田まで・・。

まずは、園長先生様はじめ、先生方の心象風景を教えて頂く作業から始まりました。

幼少の頃にあった原っぱの景色や畑の畦道で食べたおにぎり、小川のせせらぎや、親に隠れて食べた野イチゴの甘酸っぱさ・・。

色々教えて頂き、沢山のヒントを頂きました。

今日、お顔を見せて頂いた沢山の子供達の「心象風景」に刻まれる、お庭造りが出来たらと思っています。
















































ふわりの「庭楽」