山に出掛けるのを差し控えて地元の江戸川周辺を散策してきました。
お目当ては、葛飾八幡宮の千本公孫樹(イチョウ)と善養寺の影向(ようごう)の松です。
巨樹と名木、歩ける範囲に国指定の天然記念物が2つもあるとは、考えようによっては恵まれているのかもしれません。
「東京には来ないで頂きたい」という都知事さんの発言に日本のコロナ対策の非合理性を感じつつ、地元の散策でストレスを発散しようとバスで本八幡駅に向かいました。土曜の朝のバスはガラガラで先ずは一安心です。
最初のお目当ての葛飾八幡の千年公孫樹は推定樹齢1,200年で国指定の天然記念物です。
前回の緊急事態宣言の時は冬枯れの姿でしたので、秋にまた来たいと思っていたのですが、まさかこんなに早く再訪することになろうとは思ってもいませんでした。・・・とは言え鮮やかな青葉の立ち姿も圧巻で、秋の黄葉が益々楽しみです。
八幡宮を後にすると、電車に手が届いてしまいそうな京成線の線路沿いを歩いて里見公園に向かいます。
途中、母の日に因んで駅名を変えた市川真間駅や、万葉集に詠われたという手児奈の逸話などの小さな発見が街中散歩のちょっとしたアクセントになります。
江戸川左岸の高台の一画を占める里見公園は且つての国府台城跡です。
太田道灌が仮陣を築いたのが城の始まりといわれ、後に小弓公方や里見氏が西から攻め寄せる北条の軍勢と壮絶な合戦を繰り広げた舞台であったと知れば何やら感慨が湧いてきます。
道灌や北条氏が拠点とした武蔵、相模の山並みが雲に隠れて見えなかったのが残念です。
足元の小さな花々を写真に収めながら江戸川の堤防を下って影向の松を目指します。土手を渡る風が心地良く、河川敷は野球やサッカーの試合で盛り上がっていて一瞬コロナの事を忘れてしまいそうです。
善養寺の影向の松は樹齢600年、枝渡りの面積800㎡という黒松です。
且つて香川県真覚寺の岡野マツと日本一を争っていたのを立行司の木村庄之助の名裁きによって引き分けで解決したという逸話は読んでいて気持ちの良いものです。
樹勢が衰えていたのを地元の方々の10年越しの努力で持ち直し、晴れて国の天然記念物に指定された名木ですが、数年前に見た時よりも明らかに葉の色の精彩に欠けていたのが気になるところです。
5時間近く歩いた後は当然ビールで〆たいところですが、お酒の提供自粛要請の中ではそんな気分にもなれません。
行徳駅北口の富士屋のお団子をお土産に買って、大人しく家に戻りました。。。