先日、留学のための奨学金の話を書きましたが、その続編です。
不幸中(コロナ禍)の幸いは、今や子供たちが日常的にPC・スマホで勉強し、ビデオを見たり、ゲームをして過ごしていることです。海外に渡航したり留学をしたりすぐにできなくても、PC・スマホの画面に世界への窓が開いています。窓の向こうには、24時間365日すべてを使っても尽きない生の教材があります。
子供のAI教育に対するMIT(マサチューセッツ工科大学)の興味深い取組みの一例を、見物してみてください。窓を開けて異なる文化を楽しめるかどうかは、(言語、AIなどの)リテラシーとよばれるスキル習得の課題(習うより慣れろの世界)となります。
これは「みんなのためのAIリテラシー」と呼ばれるAI教育プロジェクトで、MITのAI教育責任者であるシンシア・ブレイザル教授が複数の教育機関等とタッグを組み、教育者・保護者・そして幅広い学習者の誰もが利用できるAI教育のリソース・ハブ(教材や研究成果が集まる場)を構築することで、AIの仕組みやAIをデザイン・利用する方法を学ぶ機会を幅広く提供しようというものです。
このビデオの中でSCRATCHというMITが開発した子供向けゲーム言語のAI活用が紹介されていますが、宮代町にはボランティア有志と日本工業大学がコラボして、SCRATCHを使って子供たちと共に学ぶ場(宮代町プログラミング・ラボ)が設けられています(SCRATCHによる簡単な作品「Picoの宮代町めぐり」なども見てみてください)。
MITのホームページでは、AIリテラシーについて以下の4つがテーマとされています。
・AI Literacy in K-12
K-12(アメリカで無償教育の対象となる幼稚園年長から高校卒業までの13年間)におけるAIリテラシーの育成
・AI for Vocational-Technical and Adult Education
専門学生や大人がAI人材として活躍するためのキャリアパスの構築
・AI and Personalized Learning in the Classroom
(学習速度の違い、障害の有無、教育を受けられる機会の差などの)個々の状況に即した質の高い教育を提供するための、教育現場でのAI活用
・Inclusivity and Creativity in the Era of AI
「AI時代」に重要な資質であるインクルーシビティー(多様性を尊重し受け入れる姿勢)や創造性の育成
テーマにちなんだ様々なAI教育コンテンツが提供されています。ホームページやYouTubeは、自動的に翻訳した日本語でご覧になれます(やり方は子供たちに教えてもらうとよいでしょう)。
子供も大人も「理解しようという意欲や好奇心」さえあれば、例え専門的なことでも楽しく分かりやすく学ぶ手段は巷に溢れているのです。専門家でなければ言語やAIのトレーニングは難しいという考えは、アフターコロナにはもう古いようです。これから保護者の方も、子供と共に、色々なことを学んでいくとよいと思います。
文責:福井宏
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