風船が割れる。
また割れる。
何個の風船…いや、何匹のドンキーが昇天したのだろうか。
俺が数えてるだけで、約10回。
"たかが10回"と思うかもしれないが、これがもう開始30秒以内に昇天しているのだ。
ある時は敵に突進し昇天。またある時はステージのギミックにかかり昇天。
母の慟哭と響き渡るドンキーの悲鳴、そして割れる風船。
11回目の挑戦がすぐに始まる。
昇天の理由の9割は『穴に落ちる』だ。
足場から足場へ飛び移る際、ジャンプ力が足らずに落ちるケースは多々ある。シビアな飛距離を要求されるなら、それも仕方あるまい。
だが母はそんなモンじゃなかった。
『①を押しながら進むとダッシュだよ』
この俺の言葉に
『え?ほんとだ。』
と颯爽と翔けるドンキー。
目の前に穴が迫る。
ここでジャンプ。と思いきや、気が変わったかのように、穴に謎のダイブ。
『ジャンプは?』
当然そう聞く。
『①のボタン押してたから、ジャンプボタン押せなかった…』
なるほど。
いやいや。危うく巧妙なパラドックスに騙される所だった。
人の指は隣接する2つのボタンを同時に押す事ができる。
『いや、①押しながらジャンプできるでしょ?そもそも普通にジャンプすれば届くし…』
『……』
リアクションはない。聞いているのか…
聞いていなかった。
12回目のドンキーが同じ穴に落ちる。
なぜか爆笑の母。
『できない。やって。』
コントローラーが渡される。
いつものパターンだ。
こうして俺は一度クリアしたステージを再度やるハメになるのだ。
また割れる。
何個の風船…いや、何匹のドンキーが昇天したのだろうか。
俺が数えてるだけで、約10回。
"たかが10回"と思うかもしれないが、これがもう開始30秒以内に昇天しているのだ。
ある時は敵に突進し昇天。またある時はステージのギミックにかかり昇天。
母の慟哭と響き渡るドンキーの悲鳴、そして割れる風船。
11回目の挑戦がすぐに始まる。
昇天の理由の9割は『穴に落ちる』だ。
足場から足場へ飛び移る際、ジャンプ力が足らずに落ちるケースは多々ある。シビアな飛距離を要求されるなら、それも仕方あるまい。
だが母はそんなモンじゃなかった。
『①を押しながら進むとダッシュだよ』
この俺の言葉に
『え?ほんとだ。』
と颯爽と翔けるドンキー。
目の前に穴が迫る。
ここでジャンプ。と思いきや、気が変わったかのように、穴に謎のダイブ。
『ジャンプは?』
当然そう聞く。
『①のボタン押してたから、ジャンプボタン押せなかった…』
なるほど。
いやいや。危うく巧妙なパラドックスに騙される所だった。
人の指は隣接する2つのボタンを同時に押す事ができる。
『いや、①押しながらジャンプできるでしょ?そもそも普通にジャンプすれば届くし…』
『……』
リアクションはない。聞いているのか…
聞いていなかった。
12回目のドンキーが同じ穴に落ちる。
なぜか爆笑の母。
『できない。やって。』
コントローラーが渡される。
いつものパターンだ。
こうして俺は一度クリアしたステージを再度やるハメになるのだ。