http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120403-00000015-pseven-spo
<猫ひろし マラソン五輪代表決定にカンボジアの英雄は異論あり>
<本来であれば満面の笑みで、「ニャー!」と雄叫びをあげたかったに違いない。待ちに待ったロンドン五輪の男子マラソン代表決定。それにもかかわらず猫ひろし(34)が緊張した面持ちで会見に臨んだのには理由があった。
「まさか彼が選ばれるとは思わなかった。カンボジア国民すべてとはいわないが、大半がいい気持ちではない。彼は現地に住んでいないし、我々の文化を理解していない。ただ、オリンピック選手になりたいからという理由で国籍を変更して、1人の選手からその座を奪ってしまったのです」
カンボジア最大の英字紙『プノンペン・ポスト』のスポーツ記者はこう憤る。
“その座”を奪われたカンボジアの英雄、ヘム・ブンティンもまた怒り心頭の1人だ。
「ブンティンは我々の取材に『ほんのわずかなタイム差(92秒)で僕に勝った彼が選ばれてしまった。彼はカンボジア人ではあるが、カンボジア人ではない。こういう陸連の決定には不満だ』とはっきり答えています。ブンティンは貧困層からの叩き上げで、国民にとって彼の成功は勇気やドラマに溢れていたんです。それを横から日本人が奪ってしまったように国民には映ったはずです」(同前)
カンボジア国籍取得は、比較的安易といわれるだけに、今後もこうした落下傘選手が続々と現われる可能性がある。
猫は会見で、
「批判している人が間違っているとはいえません。カンボジア人になって、ある意味、自分の人生を芸にしているともいえます。一生懸命走ることがカンボジアの人や協力してくれた人への誠意だし、芸人としての生き方だと思っています」
と神妙に語った>
仕事を終えて帰宅し、誰もいないリビングで淋しく晩酌していると、テレビで「猫ひろし」が走っていた。ゴールデンタイムだ。私は再度「猫ひろし」の全面的勝利を確信した。
彼はロンドンオリンピックで「にゃー」をやる。マラソンは詳しくないが、それでも「猫ひろし」レベルのランナーがメダル奪取できるところにないくらいは理解できる。それでも彼は五輪前後、多くのメディアに露出する。おそらくドキュメンタリー番組も作られる。ワイドショーには引っ張り出される。ドラマや映画になるかもしれない。そして、彼はそのどこでも「にゃー」をやる。やることが許される。
彼は芸人だ。国籍をカンボジアにした、とはいえ生活基盤は日本から動かない。日本で芸能活動を続けるわけだが、それはつまるところ、彼個人はもちろん、彼の所属する芸能プロダクションが潤うことを意味する。数億円の収入になるのではないか、とも言われる。
これは「猫の大勝利」と言っていい。あるいはプロデュースした人、企画した人の「成功」だと言って大過ない。もちろん批判はある。批判されるべきだし、本人もその誹りを受ける覚悟を真摯に示している。
<批判している人が間違っているとはいえません。カンボジア人になって、ある意味、自分の人生を芸にしているともいえます。一生懸命走ることがカンボジアの人や協力してくれた人への誠意だし、芸人としての生き方だと思っています>
これはすなわち、勝手に批判でも何でもしてくれ、オレは面白くないけど芸人だし、オリンピックで走れて嬉しいし、顔も名前も売れて儲けるからにゃー、ということだ。
ただ、我々にできることは、それを「恥ずかしい」と忘れないことだ。
コメント一覧
久代千代太郎
親爺
最近の「過去記事」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事