忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

14分の距離を7時間以上…立ち往生に乗客憤り>2012.4.4 ①

2012年04月04日 | 過去記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120404-00000035-yom-soci
<14分の距離を7時間以上…立ち往生に乗客憤り>

<急速に発達した低気圧は3日朝から西日本を襲い、同日午後には東日本でも猛威をふるって、交通機関が大きく乱れた。

 西日本への影響は夜になっても残り、ターミナル駅は、勤め帰りに足止めされた客らで大混雑した。瀬戸大橋上で7時間以上立ち往生した「マリンライナー」の乗客らは、疲れ切り、「なぜ出発前に止めなかったのか」と憤った。

 JR瀬戸大橋線の快速「マリンライナー27号」(5両)が児島駅(岡山県倉敷市)を出発したのは午後0時5分。その後、橋上の風速計が規制値の25メートルを超えたため、列車は、児島駅の5・5キロ先、櫃石(ひついし)島(香川県坂出市)付近の瀬戸大橋上で停止した。午後7時25分にようやく運転を再開し、坂出駅(同市)に到着したのは午後7時45分。14分ほどで着くはずが、7時間40分かかった。

 乗客によると、車内では「運転再開は未定です」との車内アナウンスが度々流れ、約170人の乗客に食べ物と水が配られた。強風にあおられて車体が揺れ、不安がる人や、腰が痛くなったのか、通路を歩き回る人も。JR四国によると、40歳代の男性と3歳の女児が気分が悪くなったという。

 坂出駅で降りた乗客は疲れた表情。大阪の取引先との商談帰りという坂出市内の建設業男性(52)は「JRは判断が悪すぎる。いいかげんにしてほしい」と、天候悪化を見込んで運行を中止しなかった対応を批判した。

 終点高松駅に午後8時12分に着いた岡山市の香川大3年生(20)は「立ち往生している間も風で揺れがすごくて怖かった」と話した。

 運休しなかったことについて、同社は、「運休が必要なほど風が強くなるのは午後2時以降と予想していた。経験がないほど急速に風が強まった。ご迷惑をかけ、申し訳ない」としている>



「夕方5時過ぎには雨が止んで落ち着くらしいですけど」

昨日、職場で何度か言った。問われるからだ。

私は天気予報も出来ないし、なんら説得力のある解説も出来ないのだが、テレビのニュースでそう言っていたからそのまま告げた。

「子供を迎えに行くんだけど大丈夫か?」
「風は強いままだけど自転車で帰れる?」
「バイクなんですけど止めた方がいい?」

私は都度、夕方5時過ぎには雨が止んで落ち着くらしいですけど――――わかりませんね、と同じように応える。そして、ふと思った。万が一にも「だいじょうぶですよ!」と言ってしまえば、なにかあったとき「大丈夫って言ったじゃないか!」と吊るされるのだろうか。

<JRは判断が悪すぎる。いいかげんにしてほしい>と憤る建設業の52歳男性は、では、マリンライナーが「安全のために運転を中止します」と言ったらどうしたのか。「14分で着くじゃないか!出せよ!」と言わないとは思えないのである。

職場の人らは雑談の延長、荒れ狂う暴風雨にテンションが上がり、凄い風やね!のついでの「だいじょうぶかな?」だとわかる。だから「大丈夫でしょう」とか「危ないかも」と言っても反応は同じ、結局のところ、本当に危ないと思えば職場で様子を見るだろうし、それでも帰るのだ、という明確な意思があれば止めても帰るに決まっている。しかし、交通機関を使う際、天候の乱れで運休するかどうか、などは自分で判断するほかない。それからのち、どうするかを決めて連絡したり、宿を決めたり、情報を集めて考えたりする。

このおっさんも大阪で一泊する、ということが可能だ。それを早く帰りたい、明日も仕事だし、とかでマリンライナーに乗った。あの暴風雨だ。止まることも十分予測できる範疇だった。それを人に丸投げして<いいかげんにしてほしい>とやる。配られた食料と水にも礼は言わないのだろうか。

<JRは判断が悪すぎる>という前に、52歳にもなった自分の判断は悪くないのだろうか。なんでもかんでも予定通り、あるいは問題なく進むことが前提とされているほうが「異常なのだ」とわからないのだろうか。なんという無防備な無責任だろうか。

現在の民主党政権のていたらくを見て、この52歳の無責任が私の中で際立った。民主党に投票しておいて<いいかげんにしてほしい>という人は、この52歳の御仁を笑えない。テレビの天気予報は「大丈夫です。民主党の政策は実現可能です。快晴が予想されます。一度ヤラセテみましょう」とやっていたが、外に出て空を見上げれば大丈夫ではなかったはずだ。常日頃から空を見ている人も「コレはダメだ。止めたほうが良い」と警告もしていた。軽装備で山に登って遭難するのも迷惑なら、雨風吹き荒れる中「犬の散歩」に出て命を落とす28歳女性も同情し難いのである。いまの日本の現状も同じく、だ。

この52歳の男性は、せめて「乗らなきゃよかった。ちくしょう」と自省すべきなのだ。もしくは「乗ったのは自分。7時間40分もかかったけど、どうにか無事に辿り着いてほっとしている」と感謝すべきなのである。なにしろ竜巻が発生して電柱がぽきりと折れ曲がるほどの強風だった。無事に着いた、のは大袈裟でなくラッキーだったかもしれないのだ。

日本の有権者はもうすぐ、もう一度乗るか乗らないか、を問われることになる。そのとき、ちゃんと空を見ている人らから<いいかげんにしてほしい>と思われないよう願いたい。

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