忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

バレンタインデーがこわい

2012年02月12日 | 過去記事





「ちよたろさん、段ボール箱にいっぱいのチョコレートをもらった人って知ってます?」



仕事中、職場の茶髪兄ちゃんが問うてきた。

ジャニーズ・・・とか?若手の漫才師でもモテるのはそのくらいあるんだろうけど。

茶髪は大爆笑して「ですよねww」とのことだった。なんのことかと思ったら、これまた職場の「韓流おばさん(本物)」のことだった。別れた旦那は毎年、この時期になると段ボール箱いっぱいのチョコレートをもらって帰っていた、だから、チョコレートはもう、見るのも嫌なのだ、つまり、別れた旦那は非常にモテた。そんなアランドロンかチャンドンゴンみたいな旦那を射止めた自分はすごいでしょう、という自慢だ。

私は「へぇ、それはすごいですな」と無関心に言った。すると茶髪は驚いて「信じるんですか?!」と大袈裟に仰け反った。「でも、御本人がそう言っておられるんでしょう?」と言えば「出ました!お人好し!!」とからかわれる。私は困った。

ンなの、嘘に決まっているじゃないですか、と茶髪はやり始める。そういうふうに信じてしまう人がいるから「韓流おばさん(本物)」がウソを止めないのだと言われた。それもそうかと思った。事実、私はよく「韓流おばさん(本物)」に捕まる。なんでも「そうですか、へぇ~」と聞くからである。しかし、私はとくに苦痛でもないし、たかが職場如き、どうせ誰かと話さねばならないし、それは往々にして施設の悪口だったり、職員の醜聞だったり、利用者家族のプライベートだったりする。ならば、まだ、罪のない馬鹿話のほうがマシだ。

「結婚していたころ、旦那がヤクザの大物だったから、若い衆から姐さんと呼ばれていた」とか聞いても、それはそれで「へぇ~そうなんですか、怖いですな。ところで姐さん」とかやれば平和に過ごせる。私がからかうのは「韓国はすごい。日本はダメ」という「韓流おばさん(本物)」の個人的主観を人様に述べるとき、そこに明確な事実誤認や虚偽があったときだけだから、最近はもう「韓流おばさん(本物)」は、私がいればその辺の話題を避けている。逆効果だとちゃんとわかったんだろう。学習力はある。

学習力がないのは、この茶髪君である。彼は以前、ここにも少し書いたが、私に「自分の意見は言ったほうがいい」と説教くれながら、その後の職員会議で自分の意見を問われ「何もないです」と言い、私から「ああいう場でこそ自分の意見は言わないと舐められる」と窘められた彼だ。つまり、何も学んでいない。

私は再度、困った顔で「さあ、あまり関心がないんで」と言い訳した。茶髪は気になってしょうがない、と言う。なぜにあんな嘘をつくのか、バレバレの嘘までついてなんになるのか、と「韓流おばさん(本物)」の悪口を始める。相変わらず、そんなに気になるなら「本人」に問えばいいのだが、彼はそれは絶対にしない。要すれば、さほど気になっていない。

茶髪クンは話に乗って来ない私に業を煮やし、なぜにそのように無関心なのか、職場の人間に興味がないのか、自分のことしか考えていないのか、などと質問攻めに遭う。そして「自分なんか気になってしょうがないけどなぁ・・ツレからもよく、人のこととか、周りのことを気にし過ぎるとかいわれるんですよねぇ」と悦に入る。

少々、腹が立ったから再教育してみる。

ところで、いま、ホルムズ海峡が緊張していますね、どう思います?

国会議論が停滞していますね。「税と社会保障の一体化」どうなりますかね?

7日は北方領土の日でした。もうすぐ竹島の日も来ますね。日本の領土問題、どうすれば解決しますかね?

茶髪は「・・・はぁ?」という感じだ。

「気になりませんか?」―――私は問うてみた。茶髪は面倒臭そうに「気になると言うか、知りませんし」と正直に答える。そして「関係ありませんし」と抜かす。

「あなたがどこにあるのかも知らないホルムズ海峡はね、日本に来る石油タンカーの8割が通過するんですよ?あなた自家用車運転するでしょう?ガソリンの価格や流通に関係すると思いませんか?それにあそこをイランが封鎖すれば戦争になります。世界経済に影響すると思いませんか?また、米軍が人を殺しますよ?それに自衛隊も治安活動とかで出て日本人が死ぬかもしれない。あなたは自給自足で暮らしていないでしょう?ならば十分、影響を受けることになります。それに増税も関係ありでしょう。生活保護者でも支払わねばならないのが消費税です。これを上げる、と野田総理は言ってます。いつどのくらい上がって何に使われるのか、コレ、関係ありませんか?領土もそうです。国家主権の問題だ。時代が時代なら、国が国ならこれも戦争になります。これらのほうが、バレンタインのチョコ、段ボールひと箱よりも関心を持つべきでしょう。それが大人ですよ。なのにバレンタインの段ボールで私が無関心、職場のオバサンの嘘がどうした、というあなたが周囲を気にする人?勘弁して下さいよ、そもそもねぇ・・・・」


「わ、わかりました!わかりましたよ!!」

むふ~・・・・たしかに「身の丈に合った」ところで考え、行動していくのは重要である。仕事もなく、家庭もなく、恋人もなく、友人も限られる阿呆が天下国家を語る不様はたしかにある。いい年した独身不細工が集まって「支那人は謝罪しろぉ~!」とか「朝鮮人は出ていけぇ~!」とやるみっともなさは見るに忍びない。しかし、その身の丈が低過ぎる。テレビで見ることができるニュースくらいは話題になってもいい。たかが職場のオバサンの罪のない嘘、そんなことはどうでもよろしい。それよりも関心事というモノはある。普通の大人としてだ。

例えば、今年の5月22日といえば私の誕生日だ。東京都はコレを祝って「東京スカイツリー」を開業させる。全長634メートル、というのは本気を出した時の私の体長と同じだ。今度あの辺を歩いてみよう。うっかり社民党本部を踏み潰したらすまん。屋上のハチミツは移動させておくように。

12日の「天声人語」も取り上げていた。<東京スカイツリーの中国語訳をご存じだろうか>という不気味な書き出しで始まるのだが、天声人語は途中<かたや中国の広州タワーから世界一を継いだツリーは、商魂たくましい隣国に一矢報いた格好だ>などと書く。東京タワーは<欧米何するものぞ>と作ったが、世界一となるスカイツリーは<(中国に)一矢報いた格好>ということだ。間違っても「中国なにするものぞ」とはならない。

また、朝日新聞は書いていないが、わざわざ「広州タワー」から世界一を継いだ、とか書かなくとも「人工の建築物世界一」の高さを誇るドバイのブルジュ・ハリーファの次に高い建築物となる。むしろ、こちらの方がすごい。それに支線型鉄塔を覗く建築物では、広州タワーは2011年にサウジアラビアのアブラージュ・アル・ベイト・タワーズにとっくに越されている。「高い」のが良いか悪いかは知らんが、朝日新聞が偉そうに<バベルの塔、ピラミッド、天守閣。人は古来、神に近づき、権威を誇示するために、他を圧する高さを求めた>とか書くなら、広州タワー以外にも世界には他にも高い建物がある。高層ビルなら台湾の101がブルジュ・ハリーファの完成までは世界一だった。先の話ならサウジアラビアのキングダム・タワーもすごい。完成すれば高さ1600メートルらしい。まさに「中国なにするものぞ」ということだが、私は絶対に登りたくない。いま現在の自宅「4階」でも怖い。

朝日新聞は職場の「韓流おばさん(本物)」よりも悪質なウソを書く。茶髪クンのように「身近な周辺」だけに反応しながら生きる人には絶対にバレないと高をくくっている。



宮本輝の短編小説で「紫頭巾」がある。主人公の父親が読む夕刊の見出しには「日本よ、さようなら。北朝鮮帰還第一船、新潟港から出港。厳戒態勢の中、午後二時、クリリオン号とトポリスク号に乗った九百七十五人は岸壁を離れた」とある。小説ではその後、主人公の友人「猿公」と姉の「芳子」が出自を明かし北朝鮮へと渡る。殺人事件の犯人と「紫頭巾」の謎は残る。実に面白い小説だが、この時代背景にあるのは朝日新聞の嘘だ。

昭和35年、1960年2月26日付の朝日新聞朝刊一面の見出しは「希望者ふえる一方」という大きな文字が躍った。記事は<帰還希望者がふえたのはなんといっても『完全就職、生活保障』と伝えられた北朝鮮の魅力らしい。各地の在日朝鮮人の多くは帰還実施まで、将来に希望の少ない日本の生活に愛想をつかしながらも、二度と戻れぬ日本を去って"未知の故国"へ渡るフンギリをつけかねていたらしい。ところが、第一船で帰った人たちに対する歓迎ぶりや、完備した受け入れ態勢、目覚ましい復興ぶり、などが報道され、さらに『明るい毎日の生活』を伝える帰還者たちの手紙が届いたため、帰還へ踏みきったようだ>とある。この記事は大嘘の信憑性を増したが、まだ朝日新聞は謝罪も訂正もしていない。

朝日新聞は朝鮮総連の言う通り「地上の楽園・共和国」とか「医療も無料の社会主義祖国」を喧伝する。御蔭で9万3千人の在日朝鮮人が「南」ではなく「北」へ向かった。6000人を超える「日本人妻」もいた。「在日朝鮮人は差別されて生き辛い」とのことだったが、当時、まだ日本人もさほど豊かでもなかった。差別はあっただろうが、それは「日本的」と言って大過ない、世界からすれば緩過ぎるほどの差別だった。信じられないことに、当時の朝日新聞や進歩的文化人は「朝鮮人が差別されている」という根拠に生活保護を上げている。昭和54年の生活保護率は朝鮮人が13万人、これは在日朝鮮人の23%となる。比して日本人は2%しかいないじゃないか、朝鮮人が生活保護で暮らさねばならないのは、日本社会で就職差別があるからだ、と真面目にやっている。これは普通、外国人なのに日本人よりも優先して生活の面倒を見てくれる国、人権擁護の観点からも優れた福祉国家、まさに「楽園」ではないのか、という評価となる。世界にはそんな国はないからだ。


その証拠が「楽園の祖国」にあった。

帰還した在日朝鮮人は「医療も無料」とか「安定した暮らし」の代わりに、労働党と現地住民の「監視と差別の暮らし」が待っていた。日本では少々暴れても逮捕されて叱られるだけだったが、ここでは逆らうと殺される。政治収容所送りにされる。これが社会主義国か、と後悔する暇もなく、日本出身者は強制的に地方の工場や鉱山、農場に分散配置される。そこで"キポ"(帰胞)や"チェポ"(在胞)と蔑まされることになる。日本で受けた差別なんぞは単なる区別、それはそれは蜜のように甘い「さべつ」だった、と知る。

いまでは常識だが、この「帰国事業」は北朝鮮の政治的理由から行われていた。金日成は「歓迎演説」をする。演説内容は「帰国の援助と帰国後の生活保障」だ。総連はコレを振り撒き、朝日新聞ははしゃいで手伝った。帰国の早期実現を求める集会が、全国各地で開催される。その回数は二千回以上だ。朝日新聞は都度、「これこそ人道主義」と持ち上げていた。左巻きの知識人や文化人も「シゴト」をした。寺尾五郎も「38度線の北」という本を出した。

もちろん、日本には「ホントかいな?」という人もいた。1959年に出版された寺尾の本は、そういう懐疑的な声をかき消そうと躍起になる。寺尾は<日本に帰って朝鮮の建設ぶりの千里の駒の勢いを話すと、強制労働ではないか、党の監視で泣き泣き働いているのではないか、と質間される>と認め、それを<こう質問する人は、または意識的にそういう中傷をしている人は、そのような言葉が朝鮮を傷つけ、ひいては自分自身を傷つけているのである。誰が強制や圧迫であんなに無我夢中で働くパカがいるか、そういう質間や中傷をしている人だって、強制によってあんなに働かされたら憤然とするだろうし、時によっては、武器をとって叛乱さえおこすだろう。人間は強制によって絶対に動かすことのできない存在である>と否定してみせる。

いま読めば井筒レベルであるが「日本が東洋一の工業国を自負していられるのは、せいぜい今年か来年のうちだけである」「ソ連はアメリカを追い越し、中国は英国を追い越し、朝鮮はその北半部だけで目本を追い越すとしたら、世界はどう変わるであろうか」と続く。いま、生きているのか死んでいるのか知らないが、哀れな人生だったと同情しておく。

大江健三郎も結婚式の夜、テレビの「北鮮送還のものがたり」を見て感涙し、自分には帰るべき朝鮮がない、と悔しがったりする。帰国した青年と金日成が握手する映像も見て感動する。1972年には東京都知事だった美濃部が北朝鮮へ行き、金日成に会い感動して<資本主義と社会主義の競争では、平壌の現状を見るだけで、その結論は明らかです。我々は、資本主義の負けが明らかであると話し合いました>とべんちゃらをやる。1972年は札幌で冬季オリンピックが開催された年、70年は大阪万博だった。どこをどう探せば<資本主義の負けが明らか>となるのか問うてみたい。

また、帰国して無残な目に遭っているはずの「帰還組」から怪しげな手紙も届く。「日本では嫌々働いていた父親が一所懸命働くようになった」とか「子供らは手伝いを喜んでやるようになった」など、それはまあ、素晴らしい社会主義国、将軍様のご自愛に触れて、我々は変わったのだと書いてある。町は清潔で便利で快適。人は優しくて親切で・・・ということだが、それなら日本海を渡らなくとも、いままでいた場所がそうだった。そこから騙されて多くの在日朝鮮人は行ったのだし、その後、多くの日本人も拉致されていった。

「帰国事業」の正体は労働力不足、技術者の不足があった。金日成の浅知恵から「社会主義国は大人気」という宣伝効果も狙っていたが、そんな嘘はテレビしか見ない層と朝日新聞しか読まない層に限られていた。もちろん、バレたら手のひらを返す。

朝鮮労働党が「帰国者」を取り締まっている、とバレ始めると、金日成はそれを「社会主義建設の否定的要素」とした。資本主義思想の流入を阻むのだとした。「帰国者」は在日朝鮮人全体からして「6~7人にひとり」の割合となる。つまり、日本に残った親類縁者からすれば「人質」になる。見殺しにするか、それとも仕送りをするか、その場合の窓口は総連となる。金日成を信じていた朝鮮総連幹部は悶え苦しむ。しかし、逆らえば同胞は殺される。自分の咎に責められる。結局は朝鮮労働党と一蓮托生、組織内部の反抗勢力を抑え込む。もうどうしようもない、このまま日本を喰いモノにするしかない。

日本から韓国から金やコメが送られる。それを朝鮮労働党の幹部がネコババする。仕送り狙いの強盗も増える。そんな状況をして朝日新聞など日本のメディアは「千里の駒が走りだし」とか「万馬が一斉に奔走しはじめた」と北朝鮮賛美する。NHKは朝鮮戦争を「南が北に攻め込んだ」と言い直す。どうにでもなる。そんな状態が「拉致発覚」まで続く。





朝日の嘘は罪深い。朝日は認めないが、認めて謝罪しても許されるべきではない。「騙されたほうが悪い」というレベルにない。それほどの酷い嘘である。だから騙されないようにしたい。最低でも自分の頭で吟味する、という癖をつけたい。知識とか情報という難しいことではなく、経験として得ていたい。それに比べたら、職場の「韓流おばさん(本物)のつく嘘など可愛らしいモノだ。笑って、あ、そうですか、と流しておけばいい。


まあ、この茶髪クンもわかっただろう。そもそも大人というのはだな・・・・



「・・・ちよたろさん、東方神起も歌うんですね」

・・・!!なにおぉう!!そんなん歌ったときない!知らないし!

「え、でも、今度、歌ってあげるとか・・・・」

な、な、なにが?!!あげる?だ、だれに!!

「え?言ってましたよ、前にカラオケ行ったときに約束したって「韓流おばさん(本物)」が・・・」

言ってない!!言ってない!!“またカラオケ行こうね、また歌ってね”とは言われた!それには“はい、いいですよ”と言った!でも、トウホウチンキとか知らない!

「でも、これも受け流すんですよね、ちよたろさんは。(「韓流おばさん(本物)」と)ふたりで居酒屋行ってからスナック行くとか、前に行った、とかも言ってたなぁ・・・ま、どーでもいいことじゃないですか?ww」

どうでもいくない!!言ってない!!行ってない!!くっそぉ~~あのオバハン・・・・ウソばっかりつきやがって・・・・!!・・・・はっ!!・・・・


うむ・・・茶髪。侮れん。・・・これは、やはり一本取られたのか・・・・

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