忘憂之物

1億2千万人が遭難する日

■2009/07/18 (土) 1億2千万人が遭難する日 1

亡くなった祖母は山が好きだった。私もよく連れて行かれた。というか、小学校の低学年のころは毎週と言ってよいほどだった。そのくせ、あまり覚えていないのだが、なんか「お寺」に泊まることもあった。滝に打たれる修行をさせられたり、座禅を組まされたりした。

後にわかるのだが、どうやら祖母は私を「僧侶」にしようと企てていたようだ。どうみても、どう考えても、私は「戦士」か「武闘家」タイプであると自負しているのだが、祖母からすれば「僧侶」にしたかったらしい。その後、「パラディン」にでもするつもりだったのか(ドラクエやりすぎ)。「かばわないパラディン」である(笑)。

ある日、祖母と坊さんが話しこんでいる隙に、寺の裏から山に入ったこともあった。好奇心というよりも、なんとなく、ヒマだったからだと思う。岩を掴んで登り、枝を掴んで登った。登りきると広いところに出た。川もあった・・・と思う。テキトーに遊んでいたら暗くなってきた。腹が減って心細くなり、戻ろうとしたのだが・・・登ることはできても、ここを降りるとなれば、かなり命懸けであろうということは、子供ながらに理解できた。

途方にくれていると、坊さんが見えた。坊さんに手を引かれて回り道をして戻ると、あの気丈な祖母が慌てていたことも新鮮だった。後にも先にも、あのような祖母はみたことがない。その日、私はいつものように祖母の布団で一緒に寝たのだが、祖母の「トラに喰われたと思った。」には子供心に凍りついた記憶がある。トラが出るなんて・・・クマやイノシシならばなんとかなると考えていたのだが、トラとライオンはまずい。あとゾウとゴリラは味方だと思っていたあの日、あの頃、今では山どころか駅の階段でブルーになります。

大人になってからの登山といえば、鮮明に記憶に残るのは「大峰山」に登ったときだ。スーパーで働いていた当時、社長に連れられて行ったのであった。

奈良県にある「女人結界門」がある山だ。山上ヶ岳から熊野まで連なる部分を「大嶺」というらしい。私が登ったのはこの標高1719メートルの山上ヶ岳である。

「2」へ

■2009/07/18 (土) 1億2千万人が遭難する日 2

ま、登るだけならばたいしたことはなかった。若かったしな。今より痩せてたしね。問題は「釣鐘岩」と「西の覗き」と呼ばれる「修行」である。これだけは死んでも忘れない。

ここにあったのでちょっと見て欲しい。思い出すだけで、なにかが縮む。
http://www.tctv.ne.jp/members/tobifudo/newmon/seichi/omine.html
<大峰山>

コレ、今ならば、社長であろうが船長であろうが番長であろうが、じっとりと相手の目を見据え、はっきりと「ふざけるなっっ!!」と言って山を降りて家に帰る。

しかし、だから、若かったのである。だから、死んだかもしれないような危険を冒したのであった。上には逆らえない年頃だったのだ。あわわ・・・

んで、

この「西の覗き」では、上からいろいろと問われるのだ。

「親孝行するかぁ!!!??」
「兄弟仲よくするかぁぁぁ!!!???」

すぐに、「はいっ!!」と答えないと、数センチほどズリ落とされる。おしっこ出る。

私もすぐに素直になった。

「親孝行するかぁ!!??」
『はいっ!!!』

「兄弟仲よくするかぁぁあ!!??」
『はいっっ!!!』

「商売に励むかぁぁ!!??」
『はいっっよろこんでっっ!!』

・・・・・。(上でボソボソと話し声がする)

「・・・・・www・・・酒止めるかぁぁ???!!!」
『??・・・・はぁ・・・???』

ズリ落とされる。おしっこ出た。

「酒、止めるかぁぁ???!!」

・・・・あの阿呆社長。部下で遊んでるな。

「酒、止めるのかぁぁ??!!」
『・・・・・うぅ~~~・・・』

(※上で爆笑が沸き起こっている)

ズリ落とされる。もうダメ。戻ったら、あの天狗ども投げ落としてやる。しかし、これはもう、半端なくズリ落ちている。眼前に広がる木々のパノラマ。空は広いなぁ。

「減らしますっっっ!!許して(泣)!!!!」

(※上で爆笑が起こり続ける)

つまり、私は、だ。

“崖から吊るされても酒を止めるとは言わなかった”

のである。どれほど酒を愛しているのかがわかるというものだ。嘘をつくのは簡単だが、なんか、シチュエーションがアレだけに「罰」とか当たりそうじゃん。

ともかく、私は山の神に誓ったのである。今後とも美味しく飲み続けると!!

「3」へ

■2009/07/18 (土) 1億2千万人が遭難する日 3

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しかし、やはり山は怖い。私が登ったのも夏だったが・・・

http://www.asahi.com/national/update/0718/TKY200907170469.html
<登山一行ちりぢり ガイド、8人を見失う 大雪山系遭難>

悲劇である。大自然の脅威である。人間にはどうしようもないことがある。

ガイドによる安全の確保などの判断が問われている。

『安全』を確保して、状況を判断する。楽しい山登りは一瞬にして悲劇となる。

それは、なにも登山に限らない。日常、様々な危険は転がっているのだ。

http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=3473&corner=2
<民団8・30へ全力 「参政権16年」の総決算 総選挙支援候補 特定進む>
http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=8&category=2&newsid=11551
<総選挙へ民団の動き急 奮起一番打つ手は多彩 初めての選挙運動身近なことから>

この国の「ガイド」は、意図的に日本国民を遭難させるつもりだ。

天候が荒れ、気温が下がり、風は吹き荒れる。体力を奪われ、一歩も歩けなくなる。

気付いたときにはもう遅い。救助は来ない。
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