象が鼻 (北外輪山)の野焼き (見学)
快晴 ※文字サイズは(大)が最適
〇阿蘇原野の春行事である野焼き・・・。野焼きの日は、燃え殻が庭に
飛んでくる事と、山火事発生の知らせが市の防災無線で流れ、けたた
ましいサイレンの音を聞いて「野焼きが行われている」ことを知る程度であ
った。
〇今年は湯布院での野焼き死亡事故が報道され、野焼きに対する関
心が深まり、野焼きの現場を見学体験することとした。
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▼北外輪山の火入れは当初3月8日であったが、天候との関係で繰り
延べされ、本日実施決定の放送が早朝から流れたのを聞いて家を
出た。
▼行き先の目当ては昨年(2008-4-19)、キスミレの大群落地を発見した「象が鼻」
( ←クリック) (七鼻の一つで別名「蹴落ケ鼻」とも言う)と定めた。
原野の入口となる「小嵐山」付近では農家の人たちが軽トラを連ねて
登って行く光景に出遇った。
▼牧野組合長の挨拶が終わると班毎(4~5班?)に分散して火入れ
が開始された。
作業手順は上手から火入れするのが鉄則みたいであった。
私は初めての体験であるので、安全な地帯で見ることを第一に考
え、写真撮りの見映えのする被写体として、根子岳・高岳をバックと
することを前提条件に定め、ロケーションを確保した。
(象が鼻より (8:50 班毎
(牧野名等) 阿蘇谷を望む) に移動) (火消し棒) (持ち場に移動)
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▼燃えるに従い火は下へ下へと進でいって谷まで下り、次の丘陵を下
から上に向かって火が移動したところで火勢が強まり、大きな炎が
燃え上がり、一瞬にして熱風が身体中を覆い、飛び交う「燃えくず」と
「煙」で光が途絶え、周囲の人達も道越しに逃れていく様であった。
私もタオルで顔を覆い草原の地面に伏して時を待った。
目が痛くて、しばらくは難儀した、
▼地区の婦人部隊の人いわく「昨年はこんな事は無かったが・・・・」
「火に巻かれた時は火に向かって非難せろと言われているが、火に
向かって進むことは、恐ろしくて私は仕切らない」と話された。
(8:59 火入れ) (9:19) (9:25) (9:28) (9:29)
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▼二つ位の原野の丘陵が真っ黒に変わり、燃え残りの煙が丘陵に沿
って流れ行く模様が印象的であった。
中通地区と山田地区の人達と記念撮影後、別の班の丘陵へ向かい
見学した。
(9:34) (9:36) (9:50) (10:01) (10:02)
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▼火番をしている人いわく 「鹿とか猪が飛び出してくる事もあります。
あの向こうには横穴式住居跡もあります、遺跡発掘からは黒曜石が
有った。ここの原野は放牧はせず、採草地となっており、牧野
道を挟んで右と左を一年交代での火入れする」 との事であった。
(従って、来年は「象が鼻」の三角点側が野焼きとなる)
▼焼けた跡の原野は、ほのかな煙が立ち上がり、大地が息衝く幻想
的な時間を感受しながら、暖か地面を歩き廻った。
歩く感覚は、何んともいえない感触で燃えた草木を踏みしめ、歩き易
く 「サク、サク、サクッ~」音を伴いながら何処にでも歩けて、何時もなら草
の茂みで往けない丘陵を安心して変幻自在に何処までにも行けた。
▼野焼きの跡の地面を観察すると黒い灰柄の下に、草の芽は青い状
態で残っている状況であることに気づいた。
野焼きは地面表面をサラリト燃やして火は移動して行くものかとも思
った。(野焼きの後に福寿草やキスミレ・桜草・立金花・・・・ 等々の
芽が出るのが分かったような気がした)
(10:14) (10:18) (10:24) (10:26) (10:53)
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〇野焼きは午後も続くのであるが、昼食を買ってくることを忘れていた
ため途中で帰ることとした。
山から下山して四方を眺めると、あちらこちらの外輪山で煙が上がっ
ていた。
〇家に着いて間もなくすると、例年の通りのパタンーで防災無線によ
る火事発生の放送(瀬の本高原のエルパテオ牧場の社員寮に飛び火
の模様)があり、消防団に出動要請が流れ、消防車が駆け抜けてい
った。
〇「野焼きと山火事」そして「防災無線による火事発生の放送とサイレ
ン」これも阿蘇の春の風物詩の一つでもあろうかと思う次第である。
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