旦那の還暦祝いに作品を作って欲しい。
と、依頼を受けたのでこのような作品を彫らせていただきました。
刻まれた文字は「龍」。
使用書体は亀甲獣骨文字(甲骨文字)。
依頼された方の旦那様の干支が辰年という事で、龍という文字を選定しました。
旦那様は日本史が好きであり、古風漂う物にも興味があるとのことでした。
作品全体の形は縦長と依頼。
日本史というワードを聞いた途端に僕は真っ先に甲骨文字を浮かべました。
かつ作品が縦長。
文字の最終画を伸ばし、筆の渇筆表現をするにはかなり最適な条件でした。
文字序盤の画が純筆でぶっきらぼうな感じを出し、最後に筆の力を一気に発散させたこの作品は龍翔ならではのコントラストが効いててかなり面白い作品作りになりました。
色は青が良いとの事で、背景にロイヤルブルーを選択。
渋さの強調をしたかったので文字はムーンゴールド。
暗めの青に金の彩色構成が個人的に好きだったので、自分の趣向を含めこのような色合いにさせていただきました。
光の当たり具合で輝き方が変わる塗料なので、飾る側の立場でも楽しむ事ができる一作です。