木は二酸化炭素をためる
樹木は根から水を葉から二酸化炭素を吸収してブドウ糖をつくり、酸素を放出します(光合成)。糖は様々な化学反応を経て、主成分のセルロースやヘミセルロース、リグニンなどの炭素化合物に変化し、この繰り返しで木が成長していきます。
木が腐ったり燃えたりすると木の中の炭素化合物が酸素と反応し、二酸化炭素が発生します。腐ったり燃えたりしない限り、大気中の二酸化炭素を炭素化合物として体内に固定化し、その重量は木材重量の約1/2になるそうです。
木で家を建てるとなると解体・廃棄されるまでは炭素を蓄えています。
例えば住宅一戸あたりの炭素貯蔵量は木造住宅で約6.0t(鉄骨プレハブ住宅は約1.5t、コンクリート住宅は約1.6t)です。
日本の全住宅が溜めこむ炭素総量は日本の全森林が溜め込んでいる炭素総量の約18%です。このうち木造住宅が溜め込んでいる炭素量は91%にもなり、街の中にもう一つの森林があると言われる所以です。

地球温暖化
温暖化の原因と言われているのが二酸化炭素排出量ですがその排出量を蓄えてくれる木を伐採することはより温暖化を促進させる?と思われるかもしれません。
二酸化炭素を吸収する量は樹齢30年がピークで60年前後から吸収量が減ってくると言われています。さらに高齢化した樹木は花粉が多くなり、花粉症の問題にもつながります。
日本の森林は手入れをしないと木々が混み合い、日光が届きにくくなります。健全な森林にするには樹木を調整し、間伐することが必要です。
若い樹木は二酸化炭素を吸収して成長していきますが老樹木は吸収速度が小さく蓄積量は増えません。つまり、成長ピークを過ぎた木を伐採し、再び植林することは二酸化炭素を積極的に吸収・固定化することになります。
また、住宅一戸あたりの材料製造時の炭素放出量は木造住宅で約5.1t(鉄骨プレハブ住宅は約14.7t、コンクリート住宅は約21.8t)です。
木材は炭素の貯蔵庫であるだけでなく資材としても二酸化炭素の排出が少なく、温暖化への負荷を減らす特性をもっています。
保水力
森林に降った雨は時間を掛けて地中にしみ込み、これが地下水になっていきます。この量は総雨量の35%と言われています。さらに森林は河川へ流れ込む量を平準化し、洪水・濁水を防ぎます。その過程で水質を浄化する役割がありますが、この森林が水を蓄える力を保水力といいます。
間伐を怠ると土壌が貧弱になり、保水力が弱まり、少しの雨でも表面の土砂が流れ出してしまいます。山がよく管理されていないと土砂崩れなどの災害を引き起こす可能性がでてくるのです。
国内保有量
国内の木の保有量は約14億㎥です。我が国の森林資源の蓄積は年々増加していて、年間成長量は8000万㎥です。一方、国産材供給量は年間約1900万㎥(H20)。年間成長量の1/4~1/5程度に留まっています。

みやぎ材を使用する理由
1.家の新築等で地域の木材を利用することは森林が吸収した二酸化炭素を長期間固定化し、温暖化への負荷を減らします。
2.木を製品に加工する際の消費エネルギーが他の資材に比べ極めて小さく、温暖化への負荷を減らします。
3.木材を利用することで森林整備が促進されると、森林の保全・利用、水源のかん養に貢献できます。
4.近くの山の木で「家」になるまでには多くの人達が携わっています。
植林、間伐、伐採、製材、加工、建材、流通、大工、建具、設計、工務店…。
近くの山の木を利用し、その地域で消費することが理想です。
お互いの顔が見える家づくりは地域の活性化につながると思っています。
起業してから、みやぎ材を出来るだけ多く利用してきました。
これからも良材なみやぎ材を地域の工務店として利用していきたいと考えています。